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- 北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会 広域道路網の実現へ気運高める 決起大会で決議採択
- 北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会(会長・鈴木重男葛巻町長)の決起大会が6月29日、葛巻町のくずまき高原牧場もく・木ドームで開かれた。関係市町村の首長や地元選出国会議員、県や地元関係者らが多数参加し、県北地域を横断する広域道路ネットワークの早期整備に向け気運を高めた。
あいさつで鈴木会長は、7年間の同盟会の歩みを振り返りながら「この間にも台風や豪雨による土砂災害、大規模な地震などが発生し、自然災害による被害が頻発化・激甚化している」との問題意識を示した上で、災害に強い幹線道路ネットワークの必要性を強調。地域経済や日常生活の基盤に加えて、医療や教育における幹線道路の大切さも説いた。
さらには、ガソリン税をはじめとする道路財源の地方負担の大きさと道路整備の遅れのミスマッチ、県内における幹線道路ネットワーク整備の格差などの問題に言及し、同盟会として今後も積極的に活動を展開していく考えを示した。県に対しては「新広域道路交通計画において(仮称)久慈内陸道路が構想路線として位置付けられ、調査や協議の場を設けていただき感謝している」と述べ、今後も事業の実現に向けて関係機関との連携強化を図っていくと展望した。
来賓の祝辞には自民党総務会長の鈴木俊一衆議院議員、達増知事(上澤和哉県土整備部長代読)らが登壇。鈴木議員は、本県における規格の高い道路の整備状況や同盟会の活動成果について触れながら「ようやく一歩の足がかりができた段階。早期に線形を確定し、道路整備ができるよう一層の努力が必要だ」と呼び掛けた。
達増知事は「国道281号久慈市案内~戸呂町口工区については、将来的な高規格道路化を見据えた規格での整備を進めている」と述べた上で、(仮称)久慈内陸道路については「検討を優先することとした葛巻町内の区間について、より詳細な地形図を用いてルートを検討している」と、現在の検討状況を紹介。今後も丁寧な意見交換を進めるとともに、必要な予算確保に努めていく考えを示した。
総会の席では東北地方整備局の井上圭介道路部長が「岩手県北の道づくりの未来」と題して講演した。井上部長は都市人口とサービス提供機能の相関関係などに触れながら、道路ネットワークを活用することで都市圏を拡大しサービス水準を確保する手法を提示。人口減少社会において地域を守るための道路整備の重要性を示した上で「災害時に通行を可能とするネットワークの複線化が必要。これが地域の安全・安心にもつながる」と、広域的な道路ネットワークの必要性を説いた。
同盟会の副会長を務める普代村の柾屋伸夫村長が大会決議を読み上げ、決議を採択。決議には「北岩手・北三陸を横断する広域道路ネットワークについて、早期に広域移動を支える幹線道路として整備・着工すること」「県北地域の地域経済の発展はもとより、医療・教育・福祉の充実による地域間の連携を加速させるため、地域一帯の道路ネットワークの強靱化を図ること」「国土強靱化実施中期計画において、昨今の災害状況および物価・人件費の高騰を踏まえ、実質的にこれまで以上の予算・財源を確保し、継続的・安定的に事業を推進すること」という要望事項3点を盛り込んだ。