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2022年
8月9日(火)
06:43

コラム集

●つむじ風 8月6日
 道路ふれあい月間の8月は例年、業界関連をはじめ多くの団体や企業などで道路清掃などが展開される。今週、環境美化に励んだ団体等が多かったほか、来週以降に活動を予定している団体も多いようだ▼8月の道路清掃というと、10日の道の日に活動する団体が、以前は非常に多かった。個人的にも10日に道路清掃の取材を複数箇所はしごし、各地を一日中走り回るのを複数年経験した▼今シーズンも10日に活動を予定する団体はあるものの、以前と比較して減ったように感じる。翌11日は、2016年に山の日として祝日に新設。11日からをお盆休みとする企業が多くなったことを受け、各団体の会員企業の負担が大きくならないことを考慮してといった理由が主なようだ▼暑い中で長距離を歩くなど、体力も要する道路清掃だが、「社員に負担をかけられない」と、年齢を重ねた経営者自らが率先して参加する会員企業も多く見受けられる。働き方改革は、かえって現場に負担を強いる実態も指摘されるが、少しでも負担を減らそうと各企業は懸命に取り組んでいる。
●つむじ風 8月5日
 21年度の県営建設工事(普通会計、随意契約を含む)の発注状況を見ると、発注件数は927件で平成以降初の1000件割れ、発注金額は528億7700万円で09年度と同水準となった。東日本大震災前の発注金額が最少だった10年度との比較では、発注金額は23・1増ながら、発注件数は46・4%の減だった▼群馬県建設業協会は16年、企業が人員や機械を維持するために必要な工事量として「限界工事量」の概念を提唱した。事業費の確保を主題としたものと思われるが、本県においては発注件数の確保も念頭に置きながらの議論も必要かと思われる▼3日の大雨では、県北部を中心に避難指示や高齢者避難等が発表された。パトロールや応急対応に当たった地域建設企業もあっただろう。「だから建設業が必要なのだ」の一言で締めれば話は早いが、「限界工事量」を単なる社会コストに限定した議論に矮小化することになる。危機管理と産業政策、地域振興を並行して議論し、工種や件数も含めた限界工事量、ひいては適正な工事量を検討していく必要がある。
●つむじ風 8月4日
 建設産業に携わる多くの人たちは、数多くの地域貢献活動に取り組んでいる。県建設業協会の各支部会員による活動など、地域によって取り組みの内容はさまざま。私が取材に伺った地域貢献を振り返ってみると、地域に根差した大切な取り組みだと実感する▼とある支部の会員は、道路に落ちていたごみを拾いながら、石が道路脇の斜面から転がり出ていないかを念入りに確認していた。いくつかの小石を道路上に発見した際には、「大雨などの時、この場所は注意が必要かもしれないなあ」と、豪雨災害に備えた情報を共有していた▼他の支部の会員は、道路清掃を実施していた際に、歩車道境界ブロック付近のわずかなゆがみを発見。「ブロックの側の排水路に砂が詰まっていそうだ」と話し、一生懸命、砂を掻き出していた▼おそらくは長年、建設業界に携わっているからこそのちょっとした気付き。地域貢献活動は、地元を見守る活動の一つともなっている。災害に強い県土づくりの根底にある代表的な取り組みではないか。取材活動を通して、いつも感じるのだ。
●つむじ風 8月3日
 厚生労働省は、労働災害防止に向けた事業場・企業の取り組み事例を募集・公開し、国民からの投票などにより優良事例を選ぶ『見える』安全活動コンクールを実施している。募集期間は9月30日まで▼転倒災害と腰痛、高年齢労働者の特性などに配慮した労働災害防止、外国人労働者・非正規雇用労働者の労働災害防止など9類型で「見える」を募集する。特に、中小規模企業における安全活動の活性化が重要との視点から、中小規模の企業における活動の積極的な応募を求めている▼昨年度からは、ナッジを活用した見える化を追加。ナッジは、行動科学の知見に基づく工夫や仕組みによって、人々がより望ましい行動を自発的に選択する手法で、創意工夫によりコストを掛けずに安全衛生を推進する取り組みも見られる▼過去の応募作品や優良事例を見ると、建設業と製造業が大半を占めている。転倒災害や腰痛を防ぐための見える化では、業種に関係なく参考になりそうな事例が掲載されている。簡易な取り組みから導入し、自社に合わせた見える化につなげてほしい。
●つむじ風 8月2日
 釜石市内の企業4社で設立した㈱マリンエナジーが、釜石港湾口防波堤上に設置した波力発電装置は、先月31日に実証試験を開始。今年度末までの期間で、現地での発電量を調査していく▼当日の運転開始式で、共同実施者としてあいさつした東京大学先端科学技術研究センターの杉山正和所長は、「防波堤搭載型の波力発電システムは世界的にも非常にユニーク」とし、「地元でタッグを組んで事業を進めてきたことは素晴らしい。国内で続いてほしい先駆的な事例になる」と評価した▼さらに「今後、再生可能エネルギーは農産物、海産物と同じように自分たちで手に入れ活用していく、地産地消の時代に入る」と指摘。「地方にはそのポテンシャルがある」とし「独特のエネルギーを持っているからこそ三陸、釜石が魅力的な場所になる」と期待を込めた▼カーボンニュートラルの取り組みを、いかに地域振興のチャンスに変えていくかも注目されるところ。ぜひ事業化を果たし、地元産業に生かしながら、電力の地産地消モデルを釜石から発信してほしいと思う。
●つむじ風 8月1日
 市町村から県への要望で、県発注工事の地元業者への優先発注を求める場面があった。この市町村では、小項目で77もの要望があったが、首長がピックアップして言及した数項目に地元への優先発注が挙がり、重要視しているのを感じた▼要望の内容は、土木A、B級対象工事の入札参加要件について、施工場所と営業所所在地が一致していないとして、施工場所の市町村に本社を有する建設業者の優先を求めるもの。業界外の市町村から、こうした要望が出たのは興味深かった▼現在、開催されている地域懇談会。ひと昔前は、「施行地管内の業者のみが入札参加できるようにしてほしい」といった要望が多く出されたと記憶している。近年は、総合評価の評価項目などで地元業者を優位にするような措置を求める声が多いように見受けられる▼透明性や競争性の確保は大事なもので、業界側はコンプライアンスを順守する姿勢を見せる必要はあるだろう。一方で、工事量の減少が見通される中、地元業者の経済活動の保護、育成や振興の観点も決して軽視できない。
●つむじ風 7月29日
 先ごろ開かれた県営建設工事入札契約適正化委員会に提出された資料によると、21年度の県営建設工事(普通会計)における低入札落札の発生率は17・9%。前年度の27・4%から大幅に改善しているように見える▼総合評価落札方式で低入札が発生した場合の価格評価点の打ち切り調整や、入札参加者が5者未満の場合への失格基準価格の適用など、ダンピング防止対策の強化が効果を発揮しているものと考えられる。条件付一般競争入札の平均落札率が91・6%と、前年度から横ばいであることを見ても、発注サイドが想定するおおむね順当なラインに落ち着いているということか▼一方で、総合評価の拡大とダンピング対策の強化が、受注の偏在を招いているとの声も業界内から聞かれるようになった。以前はできた「多少無理しても仕事を取る」が困難になっているようだ▼だからといって、かつてのような底なしの価格競争で良いはずがない。工事量自体が減少していく中、ダンピングを抑止しながら、より多くの企業が満足して受注できる仕組みって一体何だろう。
●つむじ風 7月28日
 国道4号渋民バイパス沿いに整備される「(仮称)道の駅もりおか」。23年度内のオープンに向けて、いよいよ工事が動き出す。25日に造成、建築主体、機械設備、電気設備の4件が公告された。来月19・22日に開札する予定となっている▼渋民地区への道の駅設置は、「啄木の里づくり」として、玉山歴史民俗資料館・石川啄木記念館整備事業と連携して進められる。二つの施設をアクセス道路で結び、啄木が過ごし、感性を育んだ故郷に誘う一体的な施設となる▼道の駅内には、玉山地域の食や文化などを紹介・発信する「トラディショナルゾーン」、新商品・サービスなどを生み出し、利用者の交流を促進する「フューチャーゾーン」を整備。具体的には飲食・物販のほか、子どもの遊び場や貸テナント、交流・体験の場なども設けられる▼盛岡市内の道の駅設置は初めて。さらには県北地域への玄関口にも位置する。盛岡広域北部、県北地域の交流の核施設の一つとして、将来的には近隣の道の駅(石神の丘、にしね)と連携した取り組みなども企画してほしい。
●つむじ風 7月27日
 毎年8月1日は「水の日」で、同日を初日とする一週間を「水の週間」に設定している。2014年7月1日に水循環基本法が施行され、8月1日を法律で定められた水の日とした▼水の日や水の週間に合わせて様々なイベントが企画されている。水を考えるつどいや、水のワークショップ、SNS部門も設けたフォトコンテスト、打ち水大作戦、ブルーライトアップ…。身近すぎて普段はあまり意識しない水にスポットを当てている▼ブルーライトアップは20年度から取り組みを始め、今年度は昨年度の52施設から大きく増え88施設に。県内では、金ケ崎町役場や大船渡市防災観光交流センター、キャッセン大船渡、東北電力ネットワーク㈱岩手支社のマイクロ無線鉄塔-の4施設を予定している▼近年は、雨という水による災害がクローズアップされているが、渇水がもたらす災害も忘れてはならない。渇水疎開や渇水休暇、渇水倒産など深刻な影響が出ており、軽視できるものではない。水の日や水の週間を通して、改めて水の大切さや健全な水循環について考えたい。
●つむじ風 7月26日
 北米原産のピーカンナッツの産地化、普及拡大を目指す陸前高田市。16日には市整備の産業振興施設が中心市街地にオープンした。加工・販売拠点として、まちなかのにぎわい醸成に期待が寄せられる▼施設は鉄骨造平屋建て、床面積1761・55平方㍍の規模で整備。内部には工場エリアと、キッチンスタジオや多目的スペースなどが入る店舗エリアを設置。ナッツを使ったチョコレートなどを製造・販売する㈱サロンドロワイヤルがタカタ本店として運営する▼店舗では、タカタ本店のみで展開する商品などを取り扱っているほか、商品のパッケージでも同市の四季や建築物をデザインに使い、陸前高田の魅力を発信。オープン後は市外からも来店している様子で、家族連れなどがショーケースに並ぶチョコレートを眺めていた▼中心部かさ上げ地の施設からは、海側の眼下にピーカンナッツの試験栽培地も見える。550本の苗木が植えられており、収穫は5、6年後になる見通し。市産ナッツが地域創生の起爆剤となり、復興を支えるものになればと思う。
●つむじ風 7月23日
 夏場には、日本列島を縦断している最中の自転車を見かける機会に多く恵まれる。先日も北海道から縦断途中と見られる青年を見かけた。車で利用する機会の多い路線だったが、ペダルを重そうにして漕いでいる様子を見て、比較的緩やかではあるものの勾配のある区間ということに初めて気付いた▼歩行者などにとっては危険を感じることがあっても、車での走行では気付きにくい、改良などの必要な箇所は多いことだろう。逆に車で通過した時にしか危険に気付かないような要改良箇所も多いに違いない▼季節や天候、時間帯、年齢層などによって、同じ区間においても危険や不具合の感じ方は大きく違ってくる。さまざまな観点から道路改良の必要な箇所を洗い出して、未改良だったことが要因で痛ましい事態になることだけはあってほしくない▼さまざまな道路整備要望団体、自治体などによる要望の場を取材する機会に恵まれる。地元で生活しているからこそ知り得るような内容のものも多く見受けられる。少しずつでも解消に向けて進展してほしい。
●つむじ風 7月22日
 県が「建設業対策中期戦略プラン」を発表したのは06年4月。現在の「いわて建設業振興中期プラン」のルーツに当たるもので、当時の建設業は「振興」ではなく、「対策」の対象だったことが分かる。新分野進出をはじめとする経営多角化と業種転換、企業合併、縮小・撤退などへの支援が施策の目玉だったと記憶している▼以降、災害時における対応など、建設業を「地域の守り手」として健全に維持していくことが必要だと再認識されたこともあり、本業への支援が強く打ち出されるようになった。現行プランからは、「建設投資額の確保」が施策に盛り込まれている▼災害が起きたから建設業が必要になったのではない。建設産業は以前から社会に必要な産業であったし、それは今後も変わらない。一方で家畜伝染病への対応など、社会的な存在意義は一層高まっている。どうすれば地域建設企業が存続し、社会的責務を全うしていけるのか。建設投資額の確保に加えて、それぞれの地域で仕事ができるための施策を、新たな中期プランで議論する必要がある。
●つむじ風 7月21日
 いわて女性の活躍促進連携会議けんせつ小町部会(上野千寿子会長)は、誰もが働きやすい職場環境づくりを目指すことをコンセプトとした提言書を6月に作成。岩泉地区を皮切りにスタートした建設業地域懇談会では、提言書が出席者にも配布されている▼同部会は17年7月から、建設業における女性の活躍支援のため、現場見学会や意見交換会など、さまざまな取り組みを実施。活動の成果を提言書としてまとめた。大手ゼネコンの現場で働く女性技術者との意見交換では、参加者から「規模の大きな現場で、生き生きと頑張っていて格好いいと思った。小町部会の活動そのものが、女性活躍のための応援となればうれしい」との声も▼提言書には、女性用トイレの整備やライフイベントに応じた休暇制度・勤務体制の整備―などを記載。余裕を持った工期設定や週休二日制の推進、建設業みらいフォーラムなどを通じた業界のイメージアップ―なども呼び掛けている▼誰もが働きやすい魅力ある業界に―。受発注者で連携しながら、着実に取り組みを進めたい。
●つむじ風 7月20日
 気象庁は、線状降水帯予測精度向上ワーキンググループの第4回会合を開き、取り組みの進捗状況や学官連携の方策などを議論。ホームページ上に議事概要を公表した▼線状降水帯の予測精度向上に向け、陸上や洋上、気象衛星からの観測強化に加え、気象レーダーの更新強化も図っている。スーパーコンピューター「富岳」を活用した予測技術の開発を始め、開発中の予報モデルによるリアルタイムシミュレーション実験も実施を予定している▼現在、広域で半日前から予測している。23年には、30分前を目標に事前予測を開始。24年は県単位で半日前から予測し、26年にはさらに前(2~3時間前を目標)から予測を予定。29年からは、市町村単位で危険度の把握が可能な危険度分布形式の情報を半日前からの提供を目指す▼なぜそこで発生するのか、なぜ停滞するのか、なぜ維持されるのか、いつまで続くのかなど、まだ謎が多い線状降水帯。大きな災害を引き起こすおそれがあるものと再認識するとともに、雨に対する認識を改める必要があるのではないだろうか。
●つむじ風 7月19日
 東北北部以外は梅雨明けが発表されているが、梅雨明け後も全国的に大雨に見舞われる状況が発生している。土砂災害警戒情報や避難指示といったものも各地で発令され、河川の氾濫や浸水被害なども起きている▼警報などの情報が空振りになったとしても、命を落とすようなことのないよう、以前に比べ避難指示などが発令されることが多くなった気がするが、頻繁な発令は緊迫感が薄れる恐れがある。一方で、気の休まる生活が過ごせない部分もあるだろう▼有事に被害が広がらないような体制を整える一方、安全・安心に生活が送れるよう、近年の雨の降り方にも対応できるようなハード面の整備も必要なもの。国土強靱化に向けた取り組みが急がれる▼今年は、一関遊水地事業に着手してから50年の節目となる。事業自体は終盤を迎え、地役権の関係についても順調に進んできており、整備効果の最大限の発現に向けて事業の残工事の進捗が望まれる。北上川全体で見れば、整備の必要箇所はまだ数多くあるなど、さらなる治水対策充実の取り組みを期待したい。
●つむじ風 7月15日
 東北地方における社会資本整備の重要性を呼び掛ける「フォーラム がんばろう!東北」が13日、仙台市で開かれた。復興事業や国土強靱化関連をはじめとする公共事業予算の確保に向け、地域からの意見発表や要望採択などを行った▼このフォーラムは、東北地方における社会資本整備の遅れの解消や公共事業予算の重点配分などを求める「東北は訴える」として長年実施してきたもの。東日本大震災の発生を受けて、震災を乗り越え復興を実現していくことを目指し、11年度から現在の形になった▼今年度のテーマは「震災・復興 進もう!次の東北へ」。来賓として出席した東北地方整備局の山本巧局長は、復興事業で整備したインフラの利活用を図りながら、「次の東北」の発展に向けて社会資本の在り方に関する議論を深めていくことを呼び掛けた▼本県における社会資本整備も復興事業それ自体から、復興期間を通じて整備されたストックを生かした展開へと視点を変えていく時期になった。議論を深化させながら、社会資本整備の必要性を訴えていきたい。
●つむじ風 7月14日
 現在の県営球場では最後となる夏の全国高等学校野球選手権大会岩手大会。13日には同球場で2回戦3試合が行われ、優勝候補も登場した▼盛岡南公園内に県・盛岡市の共同で整備が進められている新野球場。23年度の供用開始に向けて、順調に建設工事が進められている。グラウンドは人工芝で、観客席は内・外野合わせ2万席。隣接して50㍍×50㍍のフィールドを有する屋内練習場も設けられる。中央部にはイベント広場なども配置。多くの人が楽しめる「ボールパーク」の誕生も間近だ▼新野球場が建設されている盛岡南公園周辺では、国道4号盛岡南道路も計画され、さらに新たな物流拠点の整備も検討されている。整備規模は企業アンケート調査をもとに、立地需要面積約60㌶に道路などの公共施設用地を加えた約75㌶を想定。盛岡市は、サウンディング型市場調査実施へ準備を進めており、調査を踏まえ今後の公募条件などを整理する▼現国道4号の混雑緩和などを目的に、22年度に事業化された延長7・4㌔の盛岡南道路。経済面でも効果が現れ始めている。
●つむじ風 7月13日
 国土交通省のTEC―FORCE(テックフォース・緊急災害対策派遣隊)のオフィシャルサイトがリニューアルした。活動実績や災害対策用機材、被災した自治体の早期復旧に向け全力を挙げて支援する隊員らの声も紹介している▼2008年5月に創設。同年6月の岩手宮城内陸地震が初派遣となり、延べ約1500人が派遣された。以後、11年3月の東日本大震災では同1万8000人超、今年3月の福島県沖地震まで同13万1000人を超える隊員が活動した▼4人の声が掲載されている隊員インタビュー。隊員としての役割を発揮するために、自らの専門分野に関し日頃から心掛けていることを紹介。災害を想定した訓練、コミュニケーション、体調管理など、基本の大切さが記されている▼近年の自然災害の激甚化・頻発化や被災自治体からの支援ニーズの高まりなどに伴い、活動規模は大きくなる傾向という。19年の東日本台風、20年には最上川が氾濫、21年は下北半島で土砂崩れ…。東北地方では、3年連続で風水害が発生していることを忘れてはならない。
●つむじ風 7月12日
 県が復興事業により大船渡市赤崎町で進めていた主要地方道大船渡綾里三陸線赤崎工区は、先月末に県道本線部と接続する取り付け市道部が完成。本線部は昨年度末で既に開通していたことから、同工区の全区間が完成した▼震災の津波で甚大な被害を受けた赤崎地区では、復興事業でさまざまなまちづくりを展開。県道を山側の高台に整備する赤崎工区は、12年度に事業着手した。本線部の全体延長は4100㍍で、幅員は6・0(10・5)㍍。区間内には、後の入川に架かる赤崎大橋(橋長61・3㍍)も設置されている▼工区沿線には、震災後に高台移転された小中学校や、防災集団移転促進事業エリアが位置。取り付け市道部は、市のまちづくり計画を支援するため高台移転地と本線部をつないだもので、整備により円滑な交通ルートが確保された▼生活拠点や文教施設などを高台で結ぶ県道が完成したことで、交通の利便性向上とともに被災時の孤立解消も期待されている。地域の重要幹線として被災地の新たな暮らしを支えるものになればと思う。
●つむじ風 7月11日
 学生たちは間もなく夏休みを迎える時期だが、この時期は進路選択に向けた催しも盛んに行われているようだ。中学校では3年生と保護者を対象にした学校説明会を開き、各高校の教員らが自校について紹介。夏休み期間中には、各高校のオープンスクールが開かれ、訪れた中学生に、教員だけでなく高校生も参加して自校をPRしている▼自校のPRに関して、特にも定員割れが続く高校では、いかに志望者を増やすかに頭を悩ませながら取り組んでいると想像する。実業系の高校の場合、実習の内容や卒業後の進路の説明などに力を入れているとも聞く。自校への志望者を増やすために、以前高校生から聞いた話では、中学1、2年生ぐらいなどもっと早い時期からの学校紹介、SNSの活用などが挙がった▼県建設業協会各支部の青年部会による建設業ふれあい事業も、催される時期を迎えている。建設業の一端に楽しそうに触れている様子が毎年見られるが、まずは一人でも多くの子どもたちが建設業について理解を深めて、その魅力が伝わっていってほしいと思う。
●つむじ風 7月8日
 「職業に貴賎なし」。ネットで調べると、江戸時代の思想家である石田梅岩の『都鄙問答』に、該当する言葉があるそうだ▼とある就活情報サイトに掲載された「底辺の仕事ランキング」が炎上したらしい。すでに記事は削除済み。ニュースサイトで調べてみると、ほらあった「土木・建設作業員」「ゴミ収集スタッフ」「介護士」「保育士」等々…。その特徴は、ほら来た「肉体労働」「誰でもできる仕事」「同じことの繰り返し」等々…▼ネットニュースだけの情報からは真意を掴みかねるが、これらの仕事はコロナ禍を経て、「エッセンシャルワーカー」として尊重されているものと思っていた。どうやら違うらしい。たくさんの資格が必要で、現場が日々変化する建設業を「誰にでもできる、同じことの繰り返し」とも思わないのだが…▼建設業は「インフラストラクチャー(下部構造)」に携わる仕事であり、その存在自体がインフラストラクチャー。「底辺」ではなく「下部構造」を支えている。職業に貴賎はないけれど、建設業は社会に不可欠な仕事だ。
●つむじ風 7月7日
 台風シーズンを迎え、全国のニュースで予想を超える雨量・浸水被害の状況などが報じられるようになってきた。県内におけるここ数日の降雨の状況だけを見ても、局地的な雷雨などに見舞われている▼取材先においては、事前防災の重要性をはじめ、インフラを従来以上に強化すべきではないかと指摘する声をよく耳にする。インタビュー取材に応じていただいた方が、地域の将来を見据えながら、「国土強靱化の基本はインフラの整備だ。河道掘削などは、災害が発生してからではなく、事前に取り組まなければならない」と訴えていたことが印象に残る▼近年では、16年台風10号、19年東日本台風と、数々の豪雨・洪水被害に見舞われてきた本県。私も県民の一人として、災害に強い道路や河川、砂防施設の整備など、インフラの重要性を痛感している▼いよいよ来週からは、県や建設団体が地域課題などについて意見を交わす建設業地域懇談会が予定されている。地域に精通する地元業者の視点から、地域のインフラの必要性を訴え、共有する一つの機会としたい。
●つむじ風 7月6日
 県建設業協会北上支部青年部会(佐藤寛部会長)は、県立黒沢尻工業高校(佐々木直美校長)の土木科3年生を対象に測量実技講習会を実施している。開催回数は20回を超え、両者にとって伝統的な事業となっている▼「コンクリートから人へ」という時代もあった。佐々木校長は、「学校だけではできないことを、地域の企業に手伝っていただいて、開かれた教育課程を実践している」と改めて同部会の長年の協力に感謝。佐藤部会長は「地元建設企業の技術者が真剣に教えるので、何でも聞いて学んでほしい」と応える▼第一印象はちょっと強面の技術者たち。かつての生徒らのコメントを見ると、「緊張感がある」と話す一方で、「コツを教えてもらった」「正確さとスピードが重要なことを学んだ」…。講習会を通して、コミュニケーションの大切さも学んだ様子だった▼教えられる側から、教える側へ。かつての生徒は、地元企業に就職。技術者として成長し、母校の生徒に指導している姿を見る。自らが感じたそれぞれの土木の魅力を伝える場となってほしい。
●つむじ風 7月5日
 新市庁舎の建設を計画する釜石市は、県が公表した「最大クラス津波浸水想定」の区域にかかる庁舎建設予定地について、このほど対応案を示した▼建設予定地は同市天神町で、敷地面積は約1万2000平方㍍。庁舎棟の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造4階建ての、延べ床面積約8000平方㍍を見込む。市側はこれまでの計画でかさ上げ造成を進めた場合、県想定の浸水は1階部分で止まるとし、案では1階をオープンスペースに変え津波襲来時は2階以上に避難する内容を提示している▼オープンスペースでは、執務室の書類や機材の常設を最大限排除していく方針。DX計画と歩調を合わせ、電子データでの事務処理を進める考えだ。休日は市民が自由に使える空間にもしていきたいとしている▼案で進めば、早ければ23年度で着工し、25年度の供用開始となる模様。今後は市民にも内容を説明していく予定となっている。新庁舎は行政拠点はもとより、一時避難場所にもなるだけに、災害時の業務の継続性や避難の在り方について十分な説明が求められるだろう。
●つむじ風 7月4日
 娘たちが、このごろ裁縫に夢中になっている。家にある人形用の服づくりに取り組んでいるが、うまくいかなくて泣きべそをかくこともたびたび。途中で投げ出しては、また取り組んでの繰り返しになっている▼学校の図工の授業では、さまざまな工作の製作にも楽しんで取り組んでいる一方、周りの子と比べるなどして「うまくできなかった」と肩を落とす様子が見られることもある。本人が苦手意識を持ち、敬遠しないようにしたいと思っている▼国語や算数などは、理解するまで繰り返して取り組ませることも多いだろうが、絵や工作などを納得いくまで繰り返すかどうかは、学校での指導よりも本人の意思によるものが大きいように思われる。苦手に感じつつもうまくできるようになるまで繰り返すことができるかが、ものづくりを好きになるかの分岐点になり得る▼子どもたちに建設業へ興味を持ってもらうため、ものづくりを楽しく感じてもらうことが必要との声を聞く。担い手確保に向けて、ものづくりを楽しく感じてもらう仕掛けを考えていきたい。
●つむじ風 7月1日
 先日開かれた高校生を対象とした現場見学会で、生徒の一人が「多様な人が携わりながら大きな仕事に取り組めることが魅力」と話していた。そういえば数年前、大学でキャリア支援を担当している教授にインタビューをした際、「職場における人材の多様性」を建設業の特色の一つに挙げていた▼幅広い職種と年齢の男女が、それぞれの立場でコミュニケーションを取りながら現場を造り上げるという働き方は、同質性が比較的高い他産業から見ると非常に多様性に富んでいるとのこと。建設業界の中では当たり前の風景だが、外側から見るとユニークな姿に映り、ひいては産業としての魅力にもつながるのではと話していた▼若い人は、チームで協力しながら成果を上げることや社会貢献に対する関心が高いという。「多様な人材が協力し合いながら、自らの仕事を通して社会貢献する」。これは、地域建設企業の姿そのもの。大規模で見栄えの良い仕事ばかりではないかもしれない。それでも地域社会に役立つ仕事として胸を張り、若い人にPRしてよいのではないか。
●つむじ風 6月30日
 28日までに、東北北部を除く地域で梅雨明けした。梅雨の期間が最短となり、平年より降雨量の少ない地域が多くなっている。日中の最高気温が35度以上、埼玉や北関東では40度以上が予測されている▼梅雨は明けていないものの、県内も蒸し暑い日々が続いている。梅雨と言えば、子供の頃は「シトシト」といったイメージだったが、今は雷鳴が轟き、雨が屋根を激しく叩きつける音に驚くことも度々。まるで東南アジアの熱帯雨林地域のようだ▼「温暖化が進めば、極端な気候現象が多くなる」。その予測通りに、豪雨災害は局地化・激甚化。毎年のように、全国各地で大規模な洪水・土砂崩れが繰り返されている。極端豪雨は、いつ・どこの地域で発生するか分からない▼県都・盛岡市を洪水被害から守るため、国交省の北上川上流ダム再生事業では、四十四田ダムの堤体かさ上げに向けて地質調査を推進中だ。堤体だけでなく、設備類の更新を含めて、かさ上げの実現には技術的な困難が伴うと思うが、新設ダムが少なくなる中で貴重な技術の蓄積となる。
●つむじ風 6月29日
 県南広域5市3町と6一部事務組合は、2023・24年度の工事と建設関連業務委託、物品・役務の競争入札参加資格申請から手続きの共通化とオンライン化を開始。7月1日には、共同実施に関する協定締結式を北上市で開催する▼これまでは、おおよそ12~1月にかけて詳細を公表し、2月に受け付け。審査を経て名簿に登録という流れだった。今度は、申請時期が11月中と異なるため注意が必要だ。23・24年度の団体側の事務局は、北上市が務める▼システムの一元化により、一度で最大14団体に申請できる。審査業務も外部に委託するため、双方にとって負担軽減につながる。北上市は、「早めの情報提供を心掛けるので、事業者は申請期間を確認して申請してほしい」と話している▼競争入札参加資格に申請しているのは延べ約7000事業者という。協定締結後、県内で先行する盛岡広域市町の申請方法などを参考にしながらシステム構築を本格化していく。申請まで4カ月。団体・事業者ともに情報共有を図りながら、スムーズに申請できるようにしてほしい。
●つむじ風 6月28日
 三陸沿岸道路の山田インターチェンジ(IC)付近で、(仮称)新・道の駅「やまだ」の建設事業を進める山田町。先週は、現地で工事の安全祈願祭が行われ、今後施工が本格化していく▼山田南IC近くにある現在の道の駅を移転リニューアルするもので、敷地面積は約1万7000平方㍍。規模は鉄骨造平屋建ての床面積約1700平方㍍で、内部には産直店舗や飲食コーナー、24時間トイレ、観光・道路情報施設などを設置。敷地内には遊具を備える緑地広場、駐車場として179台分を整備する▼新たな施設では、ゲートウエー型の道の駅として町の観光情報や、地元の海産物などを味わえる場を提供する予定。オープンは来年7月を見込む。現道の駅は町が改修し、道の駅の名称を外す形で施設の活用を図っていく計画だ▼安全祈願祭で佐藤信逸町長は、「両施設を入り口出口とし、町内に観光客が入ってくる工夫をしていきたい」と語っていた。2施設の差別化と連携を図りながら、山田の魅力を発信し、経済効果を町内に波及させてほしいと思う。
●つむじ風 6月27日
 先日、内陸と沿岸部を結ぶ横軸路線を車で走行し、一旦停車しては写真撮影してを繰り返した。停車する場所がなかなか見つからない個所、交通量が多く車が途切れることがなく、降車や道路の横断がなかなかできない場面もあり苦労した▼県内の内陸と沿岸を結ぶ横軸路線について、多少の交通量の違いはあるだろうが、いずれも重要で屈指の交通量の路線も多い。震災関連の復興事業が最盛期だったころほどではないものの大型車両が多いほか、これからは観光客などの往来にも期待が持たれる▼横軸路線は、県が復興支援道路に位置付けるなどして重点的に整備を進めたものの、未改良の区間があるほか、一見では気づきにくいような局部的な改良の必要個所も多くあると思われる▼道路の環境整備として、草刈りの時期にもなってきている。草刈りに当たる作業員らも、個所によっては改良の必要などを感じつつ、往来する車両に一層の注意を払いながら作業する場面があるのではないか。改良が急がれるとともに、事故等に注意して草刈りに当たりたい。
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