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2019年
8月25日(日)
11:37

コラム集

●つむじ風 8月23日
 本紙では今月から、新連載「技術士の目~いわてを見る」を月2回ペースで掲載する。県内在住の技術士の皆さんからご寄稿いただき、建設分野に限らず幅広く話題提供していく予定だ▼これは10年4月にスタートし、東日本大震災による中断をはさみながら、14年3月まで150回にわたって掲載した連載を再開したもの。当時の連載開始のお知らせでは、公共事業の大幅削減や低入札の横行などを背景とする、建設現場からの技術喪失への問題意識を提示し「安全で安心な郷土を創り、建設産業の基盤を支えているのは、紛れもなく現場の技術です」とある▼読み返すと、肩に力が入り過ぎている感はあるが、底が見えない右肩下がりの状況下、建設業界の地盤沈下に一石を投じたいという気持ちが強かったと思う。復興需要のピークアウトに伴う建設投資の急激な減少が見込まれ、建設現場から意欲と技術が失われていくことが懸念される。しかし災害が激甚化する中、建設業における技術の重要性は増す一方。新連載を技術について再考していただく一助としたい。
●つむじ風 8月22日
 東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとして、国直轄で整備が進められてきた復興道路・復興支援道路。三陸沿岸道路、宮古盛岡横断道路ともに20年度までに全線開通する見通しとなった▼そのうち宮古盛岡横断道路の都南川目道路は、年内にも全線開通する見通しだ。未開通区間は、田の沢IC-手代森IC間の約3㌔。全線開通すれば、都南大橋付近で国道396号と県道上米内湯沢線で直結するだけに、内陸部と沿岸部との時間距離短縮はもとより、盛岡市周辺の混雑緩和につながるものと期待される▼このほか、宮古-箱石の下川井(宮古市)が19年度末、藤原-宮古中央IC(同)が20年夏ごろまでに開通する予定。区界-簗川は20年内で、他の区間は20年度末までの開通を目指す▼同道路の整備延長は約66㌔。全区間が完成すれば、観光・物流・医療支援でも多大な効果が期待できる。一方で、沿岸部を襲った台風10号では国道106号の多くの区間が通行止めに。自然災害が激甚化する中で、災害に強い道路整備が求められる。
●つむじ風 8月21日
 1010ミリバール(当時。現在はヘクトパスカル)以上の高気圧は青色、990ミリバール以下の低気圧には赤色。新聞の天気図に着色し、ノートに切り貼り。小学生の夏休みに、気圧の動きや天気をテーマにした自由研究に活用したことを覚えている▼その天気図が初めて新聞に登場したのは、1924年のきょう。国民新聞(現在の東京新聞)に掲載されたという。それから約1世紀。今では、新聞やテレビ、インターネットにおいてカラフルで動きのある天気図を見ることができ、気象がより身近になった▼ネット上では、過去の天気図を閲覧することができる。例えば、1924年8月21日を見ると、島根県沖に勢力の強い台風が位置。日を送ってみると、日本海を北東に進んでいることが分かる。自分や家族の生まれた日の天気図も手軽に調べることも▼気象庁は、スーパーコンピューターを用いて未来の大気状態をシミュレーションする数値予報をもとに「全球モデル」を公開。10日先までの大気の流れを連続で示している。紙面の天気図とともに活用したい。
●つむじ風 8月20日
 お盆を含む連休中は、行楽地やイベントに出掛けた人も多かったのではないか。復興が進む沿岸地域など、「三陸防災復興プロジェクト」の成果が、誘客の促進につながっていればと思う▼7日まで防災教育やシンポジウム、食、観光などをテーマに展開してきた、同プロジェクトの閉幕セレモニーでは、実施したイベントを振り返り、国内外とのつながりを力とする開かれた復興の意義を確認。岩手の復興が、世界や未来に広がっていく形も共有した▼リアス海岸の北山崎、浄土ケ浜、碁石海岸に代表される三陸ジオパーク、さらに三陸の豊かな食材、食文化を活用した地域振興にも期待が寄せられるところ。多くの人に三陸の食、自然、文化を堪能してもらいながら、震災からの復興の現状を知ってほしいと思う▼開通した三陸沿岸道路や、東北横断道を利用することで、沿岸部の周遊もしやすくなった。アクセス性の向上をうまく利用しつつ、国内外から何度でも来たくなる、味わいたくなる仕掛けづくり、情報発信に取り組んでいくことが求められるだろう。
●つむじ風 8月19日
 2012年9月に供用を開始したスーパーコンピュータ「京」が16日、計算資源の供用を終了した。今後、調整を経て今月中にシャットダウンする予定となっている▼これまでの研究成果として、京を運用する計算科学研究センターによると医療やコンピュータ分野をはじめ、火星の天気予報も…。最近では、東京の山の手線内ほぼ全域に当たる約10㌔四方における地盤や建物の揺れについて、大規模シミュレーションを実施した▼京の後継機となる「富岳」の開発が進んでいる。昨年度末に製造に着手し、21年度ころからの供用開始を計画。京でさえ1年もかかる問題が数日で解けるようになるとか。文部科学省が設定した防災・環境やエネルギー、ものづくりなどの課題を解決する道具として期待されている▼富岳の研究テーマの一つに豪雨の予測を掲げている。研究開発が成功し、豪雨がどこを襲うかが半日前に分かるようになれば、豪雨による被害を軽減することが可能となる。京の成果を引き継ぎ、富岳がさらなる進歩を目指す。新たな挑戦が始まろうとしている。
●つむじ風 8月13日
 今シーズンは、天皇陛下の代替わりで5月が大型連休となったが、お盆もまた大型連休の日程。土日や山の日との組み合わせで、10~18日までの9日間が休日となり、まさに休暇中の読者も多いだろう▼長期間の休暇で遠出する人もいるだろうし、厳しい暑さ続いているのもあって「涼」を求め出かける人もいると思われる。「涼」と言えば、河川や湖、海といった個所を思い浮かべるが、河川敷などでのバーベキューや花火を楽しむ家族連れなどの姿も見かける▼河川を取り巻く公共施設には、ダムや堤防、橋梁などがあるが、ダムに関しては施設を生かした各種イベントが開催され、奥州市胆沢の胆沢ダムではダム堤体の登山体験、カヌーやラフティング体験会、流木親子クラフト教室などのイベントを実施している▼海周辺には、水門や防潮堤といった土木構造物が立地する。インフラツーリズムが盛んになってきているが、「涼」が感じられる場所との組み合わせで企画することで集客につなげ、公共施設への理解を深める場にもしていくことはできないだろうか。
●つむじ風 8月9日
 東北地方整備局は先ごろ、雫石町で災害対策現地本部の設営と通信の訓練を実施した。大容量のデータ送信が可能な無線アクセスシステム、公共ブロードバンド移動通信システムなどを用いて、現地の状況を映像で確認したほか、整備局と現地とのテレビ会議なども行った▼国交省では、大規模な自然災害が発生した際に、TEC│FORCEやリエゾンを派遣するなどして、被災状況の調査や応急対応、現地支援に当たっている。この訓練も現地との情報共有を確実にすることを目的に開かれた。訓練の実務を担当した整備局の職員は「訓練の中で見つけた課題を踏まえながら改良を重ね、自治体支援に当たりたい」と話している▼今回の訓練には電気通信の関連企業も参加していた。県建設業協会では行政機関と連携した情報伝達訓練を実施している支部があり、訓練を通じて災害時に想定される課題を検証している。各業界団体の本部も、県や市町村、国土交通省などと連携した訓練の機会を多く持つことができれば、地域建設業の災害対応力がより高まると思われる。
●つむじ風 8月8日
 宮古市は、旧本庁舎・分庁舎の跡地整備に向けて、設計作業を進めている。跡地には、多目的広場や市の歴史を伝えるための記憶の庭、駐車場などを配置予定。新庁舎や宮古駅前、商店街、港などを結ぶ空間づくりを進める▼跡地整備の計画面積は、本庁舎エリアが約8300平方㍍、分庁舎エリアが約2700平方㍍。本庁舎エリアには多目的広場や記憶の庭、駐車場、トイレ棟などを配置する。分庁舎エリアにおいては、敷地内で2㍍程度の高低差があることから、階段を設け、2段式の広場とする方向▼19年度は設計や庁舎の解体工事を進め、20年度をめどに跡地整備に着手する。21年度ごろの供用開始予定。概算工事費は、数億円規模と試算されている▼跡地整備事業の基本計画のキーワードは、「憩いの場」「賑わいの場」「つながりの場」「伝承する場」。軽トラ市など、各種イベントの開催も想定されており、地域を盛り上げるスペースとなりそうだ。地域活性化のためには、受け皿が重要に。将来を見据え、人とのつながりが広がるような跡地の姿を期待したい。
●つむじ風 8月7日
 仕事や勉強の疲れを、休養や楽しみで回復することを意味するレクリエーション。社員旅行や運動会、懇親会など、企業や現場でも積極的に取り入れられている▼先日取材したある現場では、20社ほどで構成する職長会を組織。おそろいのポロシャツや意見箱を設置し、職人の声を大事にしながら現場を進めている。活動の一環として、バーベキュー大会を開催。約100人が参加し、ビンゴ大会などを通して、コミュニケーションの和が広がったと報告した▼介護業界では、機能回復や介護予防に加え、喜びや生きがいを与える点で、レクリエーションに大きな可能性があるとしている。14年に介護関連の民間資格としてレクリエーション介護士が新設。介護職員ばかりでなく、その他の職種や介護家族なども取得。18年2月には2級の資格取得者が2万人を超えたという▼レクリエーションは、休むことも重要な要素。お盆には多くの現場が休みとなる。これまでの仕事の疲れを休養や楽しみを通して回復し、現場におけるレ・クリエーション(創造)につなげたい。
●つむじ風 8月6日
 アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した「割れ窓理論」。軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論で、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていない象徴となり、ほかの窓もまもなくすべて壊されるとの考え方となっている▼理論は、さまざまなものに置き換えられる。実際に、違反駐車の取り締まりを徹底させたことで違反駐車を減少させたことにより、犯罪の減少にもつながった実例が見られる▼業界団体などの道路や河川の清掃、施工業者が現場周辺の環境整備を行うことは一般的なものになってきているが、こうした活動もまた、割れ窓理論に当てはまる。こまめに清掃して周辺のきれいな環境が保持されれば、ごみを捨てる人がいなくなり、施設を大切に使おうという気持ちになる▼道路ふれあい月間の8月に入り、各団体などで道路清掃などが計画される。一つの活動を継続していくことが、さまざまな効果を生むことにつながることも認識して行っていきたい。
●つむじ風 8月5日
 アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した「割れ窓理論」。軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論で、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていない象徴となり、ほかの窓もまもなくすべて壊されるとの考え方となっている▼理論は、さまざまなものに置き換えられる。実際に、違反駐車の取り締まりを徹底させたことで違反駐車を減少させたことにより、犯罪の減少にもつながった実例が見られる▼業界団体などの道路や河川の清掃、施工業者が現場周辺の環境整備を行うことは一般的なものになってきているが、こうした活動もまた、割れ窓理論に当てはまる。こまめに清掃して周辺のきれいな環境が保持されれば、ごみを捨てる人がいなくなり、施設を大切に使おうという気持ちになる▼道路ふれあい月間の8月に入り、各団体などで道路清掃などが計画される。一つの活動を継続していくことが、さまざまな効果を生むことにつながることも認識して行っていきたい。
●つむじ風 8月2日
 18年度の県営建設工事の発注件数は1209件、発注金額は1036億2300万円。件数は平成入り後最少を更新した。県の中期財政見通しなどから推測すると、あと数年で県の公共事業費の通常分は500億円弱に落ち着く見通し。ここに近年の件数の減少幅を当てはめると、今後の県工事は1000件、500億円程度が一つのベースだろうか▼施工確保対策などから、現在は工事1件当たりの発注額が大型化。これをどこかの段階で小ロット化に切り替えるか、現状維持とするかの判断が必要になると思われる。仮に小ロット化した場合、等級区分ごとの発注標準額を見直すか、据え置くかという議論が出てくる。そうなれば各等級のバランスを検討する必要にも迫られるだろう▼これら議論の大前提になるのが、実際に発注する工事の中身。一般的な新設や改良に加えて、国土強靱化対策への対応、公共施設の長寿命化や維持管理計画に基づく対策などを勘案すると、各業種の発注バランスに対する配慮も必要になる。なかなか厄介な頭の体操になりそうだ。
●つむじ風 8月1日
 昔、肴町にあった川徳には、屋上に遊園地があった。休日に食堂でお子様ランチを食べた後、遊園地で遊ぶのがちょっとした楽しみだった。川徳のあった場所は、中三からNanak(ななっく)になり、ななっくも6月に閉店した▼川徳が肴町にあった時代、盛岡の中心市街地には多くの百貨店があった。それが一つ一つ消え、今では大規模駐車場を備えた郊外型の大型ショッピングセンターが隆盛を極めている。盛岡だけでなく、他の地方都市も同様の状況だろう▼盛岡市が整備を計画している新盛岡バスセンター。施設内にはバス利用者や観光客、地域住民などが日常的に利用できる「にぎわい施設」が併設される。テナント事業者を募集した上で、建物の規模を決定する「逆算開発」で建設する方針だ▼高齢化・人口減少により、将来的には中心市街地への人口回帰も予想されるが、ななっくが閉店した現在、中心部には地域の核となる大型商業施設も少ない。交通の要衝となる新バスセンターだが、とにかく地域の人々に愛される施設となってもらいたいものだ。
●つむじ風 7月31日
 政府は、水の日と水の週間の行事の一環として、水について理解を深め、考える機会とする「全日本中学生水の作文コンクール」を実施。29日に受賞者を発表し、本県の陸前高田市立高田第一中学校の生徒が、中央審査会特別賞を受賞した▼生徒のテーマは「水と共に生きる」。東日本大震災が発生した時は5歳だったが、その時のことは今でも鮮明に覚えているという。避難所で一番先に配られたのは紙コップ半分の水。小学生の時は、水が怖くてプールに入るのが嫌いだったことなども綴られている▼中学生になると気持ちに変化が生じ、父から誘われ防災マイスター養成講座に通うことに。災害から身を守るための知識がないと、自分を守れないということを初めて知る。認定を受けた後には、仲間の前で避難所運営に役立つ情報を伝えることができたと振り返っている▼普段の生活、農業、工業など多くの場面で使われている水。一方で、津波、大雨、洪水など水がもたらす怖さという一面も持っている。8月1日は水の日。改めて水について考える日にしたい。
●つむじ風 7月30日
 大船渡市では、市立第一中学校の改築に向け、建設委員会での検討が始まった。25日の初会合では、市側が整備に係る基本方針案を提示。委員会では次回で、案の内容を話し合う予定としており、年度内の基本設計の策定を目指し、協議が図られていく▼少子化の現状を踏まえ、学校統合の協議が進む市では、日頃市中、越喜来中、吉浜中の3校が、20年4月に一中へ編入統合することが決まっている。今回の改築は、この統合に伴い実施されるもの▼案では、一中敷地内の北側に、校舎と屋内運動場を建て替えるほか、新たに武道場を整備する方針を示す。床面積については、校舎で6224平方㍍(現校舎の約1・2倍)、屋体で1138平方㍍(現屋体の約1・1倍)、武道場で250平方㍍を想定する▼新たな学校には、次代を担う生徒の学習環境として、ICTを活用できることや、地域の拠点施設としてコミュニティの場、避難施設の機能なども期待されるところ。市民の意見をくみ取りながら、生徒と地域が満足できる学校づくりを図ってほしいと思う。
●つむじ風 7月29日
 とある工業高校へ取材で訪れる機会が多いが、そのたびに印象に残ることの一つが、どの生徒もすれ違いざまに、しっかりあいさつをしてくれること。その高校だけかと思っていたが、県内のどの工業高校でも同じ傾向にあるようだ▼工業系でない高校から赴任してきた教員が「あいさつの良さに驚いた」といったエピソードも聞く。工業高校に通う生徒は、卒業後の進路に就職の割合が多いこともあるだろうが、学校側でしっかり指導している表れだろう▼自分からあいさつすることがもたらす良い効果は、ビジネスシーンでもさまざまな面で挙げられる。あいさつだけによる効果だけではないだろうが、県内の工高生は各種資格試験で高い取得率を誇る。先日まで開かれた夏の全国高等学校野球選手権大会の県予選でも、一関工高と黒沢尻工高がベスト4に残るなど好成績を収めた▼あいさつの有無は、事故の発生率に影響するとの話を聞いたこともある。少なくともコミュニケーションを活発にするツールにはなるもので、労働災害の防止対策に必要なものだろう。
●つむじ風 7月26日
 県は今年度、「復興の取組と教訓を踏まえた提言集」(仮称)を作成する。県の具体的な取り組み事例と教訓、県以外の各主体における取り組みの成果と課題、将来への提言などを取りまとめ、復興対応を通じて得た教訓を伝えることで国内の防災力向上に資するとともに、震災の記憶の風化を防ぐことを目指す▼提言集の作成は、先ごろ開かれた県東日本大震災津波復興委員会総合企画専門委員会の席上、県側が示した。委員からは「本当に教訓となるのは上手くいかなかった事例。本音ベースで作成してほしい」などの声が上がり、齋藤徳美委員長は「上手くいかなかったことの要因を知ることが重要」と述べ、委員会も作成に協力する考えを示した▼いま現在の視点で見た場合、当時の判断の中には拙速な部分があったかもしれないが、行政機関、有識者、建設業界のいずれもが、発災直後からの限定的な情報しか持っていない中、その時々の状況に応じて最善の判断をしてきたことに間違いは無い。過去の判断の批判ではなく、未来への提言に向けた検証をしてほしい。
●つむじ風 7月25日
 県北広域振興局土木部管内において、東日本大震災からの復旧・復興事業が最終盤を迎えている。米田地区海岸の整備や夏井川の改修、水門・陸閘の自動閉鎖システム化などに関しては、19年度中にめどを付けたい考えだ▼県の復興支援道路に位置付けられる国道281号などにおいては、改良工事や歩道整備が進められている。同路線の下川井地区では、19年度にトンネル掘削を本格化する▼同土木部の佐野孝部長は、復興の先の県北振興を見据えており、「地域の安全・安心、物流・交流の活性化などに向けて、インフラ整備を続ける必要がある」と話している。さらに「建設業は地域の柱。地域の維持へ、事業を確保していきたい。最終的に目指す所は同じ」とも▼震災や16年台風10号からの早期復興を合言葉に、発注者や受注者、地域が連携し、県土づくりを進めてきた。復興を成し遂げる今だからこそ、地域の飛躍に必要なインフラ整備を見つめることが大切。地域が強く訴える国道281号の整備など、それぞれの立場で声を出し合い、さらなる事業展開を期待したい。
●つむじ風 7月24日
 厚生労働省は、「見える」安全活動コンクールを実施しており、今年度は8月1日から事業場等の取り組み事例を募集・公開する。国民からの投票等により優良事例を選ぶ▼「見える」安全活動は、通常は視覚的に捉えられない危険や有害性を可視化。さらに、自社の安全活動を企業価値(安全ブランド)の向上に結び付け、労働災害防止に向けた機運を高めることも狙いとしている▼あんぜんプロジェクトのホームページから参加登録も可能。今回は、転倒災害・腰痛防止や高年齢・外国人・非正規雇用の労働者の災害防止、熱中症予防など八つの類型別に募集する。現在、全国の各業種から830事業所が登録。本県の建設企業の取り組み事例も紹介されている▼ある建設企業は、夏休みに社員の子どもから安全をテーマに絵画を募集し掲示している。当初の応募数は少なかったが、現在は社員の子どもや孫から50点を超える応募があるという。少し恥ずかしいかもしれない。自分ばかりでなく、相手の家族も見える化できれば、さらなる安全につながるのではないだろうか。
●つむじ風 7月23日
 新たな市庁舎の整備を計画する釜石市。事業では施設の基本設計案がまとまり、来月にも策定される見通しだ。新庁舎は22年度の完成を計画しており、着工に向け準備が進められていく▼案が示す新庁舎の規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造4階建ての、延べ床面積7850平方㍍。施設は東西軸の行政棟(4階建て)と、南北軸の会議棟(2階建て)をL字型でつなぐ構成。行政棟北側には公用車8台分の車庫棟(鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積690平方㍍)も整備する▼設計コンセプトでは、災害に強い「強靭な新庁舎」であることなどを設定。防災拠点施設として、一時避難場所(行政棟1階ホールと会議棟2階のスペースを想定)の機能を備えるほか、市長室などが入る行政棟3階には、災害時の対策関係諸室を確保する▼このほか、1週間連続運転が可能な非常用発電設備など各種防災関連設備も設置する。震災の教訓を発信する被災地自治体の庁舎として、災害対策も注目されるだけに、万全な防災設備を備えてほしいと思う。
●つむじ風 7月22日
 就学前の子どもがいることもあって、玩具店に出かける機会が多い。近ごろの玩具を見ると、昔ながらの物、さまざまなテクノロジーを駆使した物などいろいろあるが、一見は昔ながらでも精巧につくられている物も多く、大人でも興味をひかれる▼建設機械の玩具を見たときには、見た目だけでなく、操作方法についても実物に近い物が見受けられる。興味津々の子どもたちは多く、我が子も「乗ってみたい」と好奇心をそそられた様子だった▼本物さながらの玩具で遊ぶことは、ちょっとした職業体験のような効果があるのかもしれない。そうした玩具で遊んだ後に、迫力のある本物を見て操作を体験できたなら、子ども心に、よりその職業が強く印象に残っていくに違いない▼毎年実施されている、小学1年生になる子が将来就きたい職業。男の子では、建設業の関係で大工や建築家などがベスト10に入ることが多いが、今年は「大工・職人」がランクインしている。子どもたちが描く将来の夢を、保ち続けさせるような策を講じて、担い手確保につなげていきたい。
●つむじ風 7月19日
 県建設業協会と東北地方整備局などが官民協働で実施している「週休二日制普及促進キャンペーン」。4月13日、6月8日、7月13日の3日を「週休二日制普及促進DAY」として、災害時の緊急対応や工程上やむを得ない場合を除き、県内の公共事業を一斉に休む取り組みを行った▼協会では、会員や建産連傘下の会員企業を対象にアンケートを実施する。キャンペーンに基づく実施状況や、実施した感想、週休二日の普及促進に必要と思う施策などについて調査する予定▼各県で行われているキャンペーンであるが、本県のポイントは県、市町村、農政局も連携して、可能な限り多くの現場で週休二日を実現できるよう工夫をしたこと。省庁の枠組みを越えた試みが、さまざまな意見交換の場でも話題になっているようだ▼今回は、あくまでも「キャンペーン」の一環であり、いわばイベントの一種。これを実績として満足せず、実効性のある取り組みにつなげていくために、何のため、誰のために週休二日に取り組む必要があるのか、深掘りしていく必要がある。
●つむじ風 7月18日
 「森と湖に親しむ旬間」が21日からスタートする。森林や湖に親しみ心と体をリフレッシュしながら、森林やダムなどの重要性を広めることが目的で、全国各地でダム堤体内や水源林の見学会などのイベントが開催される▼28日には、恒例の「盛岡・北上川ゴムボート川下り大会」が開催される。梅雨前線が北上する時期だけに、雨のため中止になったこともある。今回は盛岡市制施行130年の記念すべき年でもあり、ぜひ青空の下で盛り上がりを見せてほしいものだ▼川は大地を潤し、作物の実りをもたらすとともに、かつては大量の物資輸送にも欠かすことができなかった。内陸に道路が整備され、物資輸送が車中心となる中で、人間と川との関わりも希薄になっていったような気がする▼だが川下り大会に参加する多くのボートを見ると、改めて人と川との関わり深さを感じずにはいられない。盛岡かわまちづくり事業では、舟運の本格運航に向けて社会実験なども行われている。三つの河川に囲まれる盛岡市。川が新たな観光の目玉として、役立つ日も遠くない。
●つむじ風 7月17日
 国土交通省が昨年11月に設置したインフラツーリズム有識者懇談会。2020年に向けインフラツーリズム魅力倍増プロジェクトを立ち上げ、モデル地区での社会実験や国内外への広報、インバウンド対応などに取り組む▼12日にモデル地区5カ所を選び発表した。東北からは、宮城県大崎市の鳴子ダムが選ばれた。同ダムは、日本人技術者により造られた日本初のアーチダム。周辺には温泉、名勝、史跡などがあり、農業遺産の大崎耕土も含めた流域連携モデルとなっている▼同省と林野庁は、毎年7月21日から同31日までを「森と湖に親しむ旬間」と定め、ダムや森林の役割について理解を深めてもらおうと、各地でイベントなどを展開。県内の多くのダムで県建設業協会とも連携しながらイベントを企画・実施している▼参加者にとっては、見て・聞いて・触れて…非日常を体感できる数少ない機会。企画・実施者としては、普段は意識することが少ない森林やダムなどが果たす役割を知ってもらう絶好の機会。参加者の逸る気持ちを前に、いかに伝えるかが重要となる。
●つむじ風 7月16日
 ここ数年でドローンが、さまざまな分野に活用され、広く認知されるようになった。施工現場では、ICT施工の一環で3D設計データの作成などに活用される。ICT施工まではいかなくても、日常的な進捗管理に使用する業者も多い▼建設業を体験する催しなどでも、バックホウなどとともにドローンの操作が実践されるようになってきている。ドローンを使用する職業の一つに、建設業を思い浮かべる人も多くなってきただろうか▼ドローンを活用する建設業者に、使用に際してのルールなど聞くと、対応はまちまちに感じる。操作する職員の限定、飛行条件の細かな設定、パーティの編成を義務付けるなど綿密にしている企業もあれば、簡単なルールのみを定める企業も見受けられる。備える装備品にも違いがある▼普及とともに、墜落事故などのドローンを起因としたトラブルも多くなってきている。今後、法規制などで操縦するためのルールが、さらに厳格化されることも考えられるが、事故防止へ社独自で詳細なルールを定めておくことも肝要に思われる。
●つむじ風 7月12日
 県建設業協会盛岡支部ではこのほど、県立盛岡工業高等学校に対して実習用の教材を寄贈。生徒たちの成長を願い、土木科には鉄筋と道路補修材、建築・デザイン科には木材を贈った▼同支部では、14年度から同校の2年生を対象とした合同就職説明会を実施しているほか、支部企業を紹介するパンフレットを作成するなど、担い手の育成・確保に向けた独自の事業を展開している。その成果もあってか、18年度は同校土木科から管内企業に就職する生徒数が県外を上回ったという▼今回の教材寄贈は、地元の企業が生徒たちを見守っているというメッセージを送ることにもつながる。学校側との信頼関係が一層強くなることも期待され、保護者に地元企業を意識してもらう機会も増えるかもしれない▼人材確保競争社会において、まずは全産業の中から建設業、続いて建設業の中から地元企業、最後に地元企業の中から自社が選ばれることは、いかに細い道の如くであるか。最後は企業努力になるが、業界団体として積極的なPRに努めることは無駄ではないだろう。
●つむじ風 7月11日
 県北広域振興局土木部二戸土木センターは、二戸市の都市計画道路荒瀬上田面線岩谷橋の架け替えを進めている。現地では仮橋の供用を開始し、新橋を施工中。市街地の中心部に位置する歴史ある橋梁として、市民からの期待も大きいのではないか▼新橋の橋長は約106㍍。計画幅員は16~19㍍(一部右折レーン設置)で、両側に3・5㍍幅の歩道も設置される。工事では1期、2期に分けて、橋桁を半分ずつ架け替えるイメージ。1期分の上部工は発注済みで、製作を進めている▼同センターでは、事業の見える化を積極的に進める意向だ。冨岡治安所長は「市民から注目されている橋。小学校の児童に現場を見ていただくなど、身近な現場をPRする取り組みを進めたい」と意気込みを語る▼日々、様々な業種で担い手が不足しているとの報道を目にする。人の定着は、地域の課題。一度遠くに離れても戻ろう、この場所に住みたいと思ってもらえるような取り組みが大切に。子どもたちには身近な現場とともに、まちの歴史を見つめ、地域への愛着を深めてほしい。
●つむじ風 7月10日
 気象庁は、地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ(WS)プログラムを公開。教材はこれまでの土砂災害編と中小河川洪水災害編に、このほど風水害編が追加された▼同庁のホームページから教材などはダウンロード可能。多くの情報の中から必要な情報の読み取り方や避難情報発令の判断など、行政ばかりでなく現場の最前線で行動する建設企業や建設関連団体にとっても参考になるのではないだろうか▼同プログラムは、静岡大学防災センターの牛山素行教授らが監修。牛山教授は、WSは達成感を比較的容易に味わうことができることから、「麻薬的な魅力がある」と指摘。「WSで交わされた議論や思考が、その次の取り組みにつながっていくことが望まれる(困難ではあるが)」などのコメントを寄せている▼「備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった」、「備え、しかる後にこれを超越してほしい」は、東日本大震災からの教訓。訓練のための訓練とならぬよう、次につながる取り組みにしたい。
●つむじ風 7月9日
 陸前高田市気仙町に建設中の道の駅「高田松原」は、先月28日に内部の工事を除く建物本体が完成。今後は、施設内に設ける県の震災津波伝承館や、同市の産直施設の整備に入る予定で、今秋のオープンに向け準備が進められていく▼道の駅は、高田松原津波復興祈念公園の中核となる(仮称)国営追悼・祈念施設エリアに再建されるもの。15年1月には、重点「道の駅」にも選定されている。施設隣に残る、震災の津波で被災した旧道の駅(タピック45)は、震災遺構として活用が図られていく計画だ▼内部に設置される震災津波伝承館(愛称・いわてTSUNAMIメモリアル)の展示テーマは、「いのちを守り、海と大地と共に生きる」。震災の実情と教訓を伝えることで、防災のあり方を国内外へ発信していく施設となる▼道の駅は、本県の南の玄関口に当たるため、三陸沿岸をはじめ県全体へ来訪者をいざなう役割も担う。9月開催のラグビーワールドカップも見据え、多くの人に「岩手」を知ってもらうためにも、開館に向け着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 7月8日
 山間部などを運転している際、斜面などにかなりの数のソーラーが設置されているのを目にする機会が多くある。ここ数年で規模の大きな太陽光発電施設が県内各地にも増え、太陽光を導入する一般住宅も増えた▼太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの普及は、国の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度などを起因に進んだ。ただ、買い取り制度が見直されることとなったほか、メガソーラーを巡る諸問題も出てきている▼岡山県では、全国でも珍しい県単位で、太陽光発電施設の設置を禁止する区域を定める条例が成立。土砂災害の恐れがある傾斜地などが区域で、安全性が確保できる場合には、例外的に知事が設置を許可できるものとなっている▼岡山での条例制定は、昨年の西日本豪雨で、太陽光パネルが損壊し、周囲へ被害が及んだことを踏まえてのもの。景観や災害などの問題、普及に向けたしっかりとした制度設計確立などの課題を抱えはするものの、自然環境面や新たな産業創出などへ果たす役割は大きい。議論を深めた上での普及が望まれる。
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