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2020年
4月3日(金)
15:20

コラム集

●つむじ風 4月3日
 19年度、県内で中間前払金制度を導入している29市町村の全てで単年度での利用実績があった。加えて、町村における利用件数の増加、比較的小規模な工事への拡大などの好材料も見受けられた▼品確法に基づく「発注関係事務の運用に関する指針」の中には「中間前金払制度を導入している場合には、発注者側からその利用を促すこと及び手続の簡素化・迅速化を図ること等により、受注者にとって当該制度を利用しやすい環境の整備に努める」との一文がある。導入済みの自治体において、一層の利用促進が図られることが期待される▼県内で未導入の自治体は数えるほど。復興需要の一段落に伴い、公共事業費の右肩下がりも予測されるところであり、受注者の円滑な資金繰りに資する制度として、全市町村での制度導入が望まれる▼当初の前払金に加えて、工事途中で請負代金の2割が入ってくることで、世の中に出回るお金の流れも円滑になる。経済対策としての公共事業を考える際には、中間前払金制度をセットにすることで効果が高まるのではないか。
●つむじ風 4月2日
 東日本大震災からの復興が節目となる20年度。東北地方整備局三陸国道事務所が20年度内の開通へ整備を進める三陸沿岸道路・宮古盛岡横断道路も、ラストスパートに入った▼三陸沿岸道路では、久慈北道路(久慈市、延長7・4㌔)が3月1日に開通。同事務所の調査によると、国道45号の交通の7~8割が三陸沿岸道路に転換した。利用者からは「時間短縮による作業効率の向上や、ドライバーの負担軽減につながっている」などの声が上がっている▼宮古盛岡横断道路では下川井地区(宮古市、延長2㌔)が同30日に開通。同地区の国道106号では、16年台風10号の際に土砂流出が発生した。今回の開通により、ネットワークの多重性が確保され、安全な暮らしを支える道路が構築された▼先ごろ久慈北道路を走行した。南下して山の合間を通り抜けると、海・まちなどの景色が眼前に広がった。三陸のスポットを見つけることも楽しみに。復興のリーディングプロジェクトという段階から、地域特性を生かしたプロジェクトが広がりを見せる1年になるだろう。
●つむじ風 3月31日
 きょうで19年度も終了。震災で被害を受けた自治体では、来年度は国の復興創生期間が最終年度となるため、復旧・復興事業を進め、ハード整備の完遂を目指していくことになる▼今年度を振り返ると、追悼・鎮魂の場となる高田松原津波復興祈念公園で、昨年9月に道の駅や震災津波伝承館など主要施設が供用を開始。以来、伝承館では震災津波の記録と教訓を国内外に伝え続け、1月には来館者数が10万人に達した。20年度は、園内の運動施設なども含め公園全体が完成を迎える予定になっている▼復興事業で懸案となっていた住まいの確保については、昨年11月に大槌町が赤浜地区に整備していた災害公営住宅7戸が完成。これにより、県内沿岸部に計画していた災害公営住宅・全5550戸の整備が完了した。今後は、仮設住宅の解体作業が加速していく見通しだ▼区画整理や幹線道路、水門・防潮堤など他の大型事業も、各地で進展している。安全が担保された新たな景色の中で、震災から10年の節目を迎えるためにも、無事故で復興の総仕上げを図っていきたい。
●つむじ風 3月30日
 異動や進学、就職などで転居となる人が多い時期。他の業種と同様に運送業界の慢性的な人手不足が叫ばれて久しいが、業界からはピーク時を避けての引っ越しが呼び掛けられている▼転居先が判明するのは3月で、4月1日の時点で新天地にいる必要のある人にとって、ピーク時の引っ越しは避けられない。引っ越せない人であふれる事態を避けるため、異動の早めの内示、4月からの出社日や登校日に余裕を持たせるなどの配慮が、企業や学校側にあっても良いと感じる▼一気に押し寄せることで対応できなくなるのは、工事受注でも同様。例年、各四半期ごとの終盤に工事発注が集中することで、業者側も対応が十分にできず不調案件が増えることも多い。一方で年度初めなどは、閑散期になりやすい▼建設業界による発注平準化の要望で、債務負担行為を設定し、新年度工事の入札や契約を前年度中に行い、前年度中や新年度当初の着工を可能にする取り組みなどをする自治体も多くなってきている。工事の円滑な推進などへ平準化がさらに進むことが願われる。
●つむじ風 3月27日
 東北地方整備局と県建設業協会などが官民協働で実施する「週休二日制普及促進DAY」。その20年度の実施内容が正式に公表された。4月から9月の第2土曜日、県内の公共工事を一斉に休む取り組みを行う▼このキャンペーンは、業界側の発案により国交省と農水省が省庁の枠を超えた試みとなっている点がポイントとのこと。取り組んだ企業からも総じて好評なようで、実施日も19年度の3回から倍増となる。実効性を伴う週休二日につながることを期待したい▼キャンペーン結果のアンケートを見ると、週休二日を実施できなかった理由の中で最も多かったのは「工程上やむを得なかった」というもの。週休二日を増やしていくための効果的な取り組みとしては「人材(交代要員等)の確保」や「施工能率の向上」が多く挙がっている▼20年度も引き続き、アンケートを行うことになると思う。実施日を増やしたこと以上に、前回アンケートの結果と比較して、課題点がどのように解消されたか、あるいは新たな課題が生じているかなどを注視していく必要がある。
●つむじ風 3月26日
 「事業着手した頃は、『本当に全線が開通するのか』との思いだったが、今回の開通により先が見えてきた。大きなステップだ」。21日の国道4号水沢東バイパスの部分供用開始に先立ち、地元・奥州市の小沢昌記市長が思いを語った▼新型コロナの感染拡大対策で、残念ながら予定されていた開通式典は中止となったが、供用前の報道機関向けへの現地説明が行われている辺りから雨もやみ、地元の人々も沿道に出てきた。喜びもひとしおだろう▼これまで北上方面に向かう場合、市中心部の国道4号を通る車が多いために通勤・通学時には渋滞が発生。今後は同バイパスにより市街地を迂回できることから、通勤時間の短縮や交通安全度の向上につながる。当然、救急搬送時の時間も短縮される▼残る2・7㌔の開通は2025年度の予定。全線が開通すれば、被災地の陸前高田市とを結ぶ国道343号から東北自動車道奥州スマートICまで、市中心部を通らずに最短で到達することができる。やはり「道路はつながってこそ」。一日も早い全線開通を期待したい。
●つむじ風 3月25日
 国土地理院は、昨年7月から関東地域の一部で公開していた「ウェブ地図地理院地図Vector(仮称)」の全国データをこのほど公開した。白地図や空中写真などの地図を自分でデザインできることなどが特徴だ▼これまで提供していた地図は、画像データのため、地図デザインの変更ができなかった。しかし、新たな地図は、ベクトルデータで提供されているため、利用者が目的に応じて地図をデザインすることができるようになった▼例えば、白地図や空中写真に地名のみを重ねた地図を簡単に作成できる。特に、学校の授業や防災分野での活用が期待される。さらに、利用者からの要望を踏まえ、新たに印刷などの機能を追加。任意の方向を上にした状態での印刷も可能という▼実は、「大きい文字」という機能がありがたかったりする。今後、10年や50年前の地図を重ねて見る機能の追加も期待したい。写真や白地図などを見ると、建設産業は地図に残る仕事と感じる。その魅力が、ウェブ地図を通し、一人でも多くの人に伝わるきっかけにつながってほしい。
●つむじ風 3月24日
 先週は、陸前高田市の中心市街地の一角に、㈱共立メンテナンスによるホテルの新設計画があり、同社と市が建設に関する覚書を締結した。今後は、22年春のオープンに向け準備が進められていく模様だ▼建設場所は、市民文化会館に近接するかさ上げ地で、南側には眼下に、高田松原津波復興祈念公園や広田湾を望む。施設規模は、基本プランとして鉄筋コンクリート造6階建ての、延べ床面積4804・3平方㍍を想定。居室は138室を計画している▼同社は市民文化会館の指定管理者も担うことから、ホテル業との相乗効果を狙うとともに、来訪者に合わせたさまざまな形での活用を提案し、周辺に流れていた宿泊客などを市内に留めていきたいとしている。市内の交流人口の拡大を支える施設の役割に期待が寄せられる▼市では前月末にも、今回とは別企業と工場立地に関する協定を締結。21年4月の操業開始が予定されている。復興事業が次のステージに移る中、企業の誘致を生かしつつ、陸前高田の強みを発揮したまちづくりを進めていく必要があるだろう。
●つむじ風 3月23日
 県建設業協会(木下紘会長)が毎年、3月11日前後に実施している「岩手県建設業協会防災の日」情報伝達訓練。本部と支部の役職員らが衛星携帯電話やスカイプなどを活用し、広域災害発生時における情報伝達の手順などを確認している▼初の訓練が行われたのは13年3月11日。当時の宇部貞宏会長が一関支部から衛星携帯電話を使い、本部で待機している役職員に対して災害対策本部の設置や各地域の情報収集、関係機関との連絡などを指示した▼訓練開始当時の目的の一つは、訓練を通じた課題点の洗い出しを行うこと。回数を重ねるに従い、参加者から出された改善案を反映し、近年ではスムーズな情報のやり取りができるようになってきた▼今年度は新型コロナウイルスの影響から、会議などの中止が相次いでいることや、企業のテレワーク導入が推進されている状況を踏まえ、移動制限の想定やWEB会議の本格導入なども視野に入れた訓練となった。自然災害の発生だけが緊急時ではない。企業や団体が保有するリソースを柔軟に活用する思考力が必要だ。
●つむじ風 3月19日
 11日付の本紙で、共和水産㈱代表取締役専務の鈴木良太さんのインタビュー記事を掲載した。同社は宮古市で水産加工業を手がけており、東日本大震災において原材料・製品の流出被害を受けた。鈴木さんは地域の一員として、復興への思いを明かした▼鈴木さんはイカ王子を名乗り、水産業の魅力をブログなどで発信。三陸王国イカ王子というブランドで商品を販売している。「三陸を王国に見立てて、王子が一番偉いという、非常に馬鹿馬鹿しいブランドなんですよ」と明るく笑いながら、「みんなで声を出すことが大事」と語っていた▼水産業、建設業、製造業の枠組みにとらわれず、「全体でまちのことを考えて生きていかなければならない」とも。建設業に対しては、水産業や観光業など、地域の基幹産業との関わりを深めることに期待を寄せていた▼インタビュー後の昼休みに、イカ王子おすすめの真ダラフライ定食をいただいた。ふっくらとした白身が印象的だ。建設業がこなす仕事は人々の生活、三陸の食につながっている。他業種との交流で知ることは多い。
●つむじ風 3月18日
 気象庁が発表する「高温注意情報」、環境省が発表する「暑さ指数(WBGT)」。赤羽一嘉国交相は先日、両省庁の強みを生かしながら、より強力な熱中症予防のため「(仮称)熱中症警戒アラート」を発信していくとの考えを示した▼東京オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせ、関東甲信地方で先行実施。2021年度からは全国で本格運用していく方向。環境省と気象庁が連携し、有識者で構成された検討会を4月に開き、熱中症予防対策の効率的な情報発信を目指す▼高温ばかりでなく、室内で安静にしていても、温度や湿度が高い場合でも熱中症の発症に注意しなければ…。近年、熱中症への対策についての意識は高まっていると思われる。しかし、18年夏。熱中症による死亡者が1500人を超え、もはや災害級と言えるのではないだろうか▼気象庁は毎年2月、暖候期(6~8月)予報を発表。その中で、暖候期は全国的に暖かい空気に覆われやすく、気温は平年並みか高いなどとしている。一日も早い全国での熱中症警戒アラートの発信を期待したい。
●つむじ風 3月17日
 東日本大震災の発生から10年目に入った沿岸被災地。記憶の風化が懸念される中、避難活動を支える津波防災施設の整備は、重要度を増している▼釜石市の鵜住居地区で発災当時、現在の釜石鵜住居復興スタジアムの場所にあった鵜住居小学校と釜石東中学校の児童生徒が、迅速に避難し津波から逃れたエピソード。一方で、対照的に語られることも多い同地区防災センターでの悲劇は、改めて率先して避難すること、安全な避難施設・避難場所を指定・周知することの大切さを、今に伝える▼避難路については、発災時、近くに高台までのルートが無く、津波を避けるため「道路の法面を必死でよじ登った」との話も聞く。高台への避難経路は、地域にとって生命線となるだけに、実際に襲来する津波を想定した設置が必要だろう▼沿岸各自治体の来年度予算案には、今年度に引き続き避難場所や避難路・階段の事業費が計上されている。二度と犠牲者を出さないためにもさまざまな教訓を整備に盛り込み、災害時の安心・安全の確保を図っていかなくてはならない。
●つむじ風 3月16日
 国道4号水沢東バイパスの奥州市水沢姉体町~同東中通り二丁目間の2・3㌔は、いよいよ今週末に開通を迎える。延長9・6㌔で、このうち国道397号までの4・6㌔が開通済み、今回、国道397号から国道343号と交差し、マイアネタウン内に至る部分までが開通することとなる。残る2・7㌔は、2025年度の開通が予定され、順調な進捗が願われる▼隣接する国道4号の金ケ崎町内、北上市内では拡幅事業が実施されている。北上拡幅は改良工事が進み、金ケ崎拡幅に関しては用地調査、調査設計などが展開されている▼金ケ崎拡幅については、施工といった目に見えるものがまだ実施されていないこともあるのか、地元などから「本当に拡幅になるのか」「事業が進んでいるように見えない」といった声もあるという。地元の大きな期待を集める事業でもあり、地元への進捗状況に関する丁寧な説明も必要なのかもしれない▼国道4号には、バイパス化や4車線化が要望される個所が、ほかにも多くある。さらなる整備促進に向けた動きも注目される。
●つむじ風 3月13日
 社会資本について普段「インフラ」と呼んでいるが、正式には「インフラストラクチャー」。直訳すると「下部構造」になるらしい。地域の福祉や社会、経済を下支えするという意味なのだろう。某有名フリー百科事典サイトには「国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設」とある▼東日本大震災から9年に当たり、本紙では11日付の特集号で「いわて県民計画」における4本の柱、「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」「未来のための伝承・発信」の各分野において最前線で活動する人たちの声を紹介した。復興の社会資本整備を担う地域建設業の存在自体が、復興を下支えするインフラであることを感じていただけたのではないだろうか▼ちなみに社会資本を直訳すれば「ソーシャルキャピタル」。米国の政治学者パットナムによると「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」だとか。これらのキーワードについても、地域建設業が深く関わっていそうだ。
●つむじ風 3月12日
 東日本大震災から9年を迎えた。今年は新型コロナの影響により、各地で追悼式の縮小を余儀なくされたりしたが、早期の復興完遂とともに、震災の教訓の伝承を誓う気持ちに変わりはない▼復興・創生期間内の全線開通に向けて、復興道路・復興支援道路の整備が精力的に進められている。三陸沿岸道路では、1日に久慈北IC-侍浜IC間が開通。宮古盛岡横断道路では、都南川目道路が昨年12月に全線開通した。宮古盛岡横断道路宮古-箱石間の下川井が年度内の開通を予定している▼今夏ごろには、三陸沿岸道路の宮古中央-田老など2区間、年内には宮古盛岡横断道路区界-簗川など3区間が開通。三陸沿岸道路の普代-久慈間など6区間が年度内に完成して全線開通となる予定▼全線開通により、物資輸送の効率化や迅速な救急搬送などが期待できるが、仙台などの大都市とピンポイントでの行き来が増えるだけでは大きな効果は期待できない。周遊観光の拡大などで、いかに県内全域に効果を波及できるか。まずは、広い県土に住む県民同士で交流を深めたい。
●つむじ風 3月11日
 東日本大震災の発生から9年が経過した。「9年」と記すとわずか2文字だが、3289日であり、7万8936時間。その間、台風被害を受けながらも、復旧・復興を成し遂げるため全力で取り組んできた▼東日本大震災後、本県で震災対応分として当初予算に初めて区分されたのは12年度。その金額は4652億円だった。13年度の5161億円をピークに、その後、20年度当初予算案まで9回計上されている。単純計算で3兆3316億円にのぼる▼これまで、東日本大震災の復旧・復興に関する話を聞いてきた。被災状況を目の当たりにし、無力さを吐露する技術者。がれき処理での現地の臭い。日々の復旧作業で気持ちが落ち込んでいたが、被災地の住民から逆に元気をもらった話など▼震災から10年目に入った。近年、多発化・頻発化する自然災害に対し、建設産業界の存在価値が高まっている。特に、地域の守り手として、地元建設企業や建設関連企業の役割が増している。ただ、震災当時の思いを忘れてはならないし、教訓を伝えていかなければならない。
●つむじ風 3月10日
 昨年9日に東北横断自動車道釜石秋田線が全線開通し、三陸沿岸道路とつながって、1年が経った。仕事などで利用するが、今や内陸-沿岸間を行き来するルートとして欠かせない道路になっている▼釜石ジャンクションなどを走っていると、開通前の復興最盛期、通勤ラッシュで釜石市内が大渋滞になっていたことを思い出す。当時は、今の釜石仙人峠インターチェンジから、甲子中学校近辺にたどり着くまで、40分近くかかったことも。その頃に比べ、開通後の道路環境は格段に変わった▼交通アクセスの向上は、地域経済の振興にも寄与している。釜石港は、横断道の全通や湾口防波堤の復旧完了、ガントリークレーンの供用で、コンテナ物流が大きく成長したことなどから、日本港湾協会の「ポート・オブ・ザ・イヤー2019」に選ばれた。今後も、同港を核とした物流の活性化が期待されるところ▼交流人口の拡大なども求められる中、高速ネットワークの役割りは重要度を増している。人、物の流れを生む大動脈として、地域の発展を支えてほしいと思う。
●つむじ風 3月9日
 新型コロナウイルスを起因に、さまざまな商品の品薄状態が続く。一部の商品に関しては誤った情報にもかかわらず品薄となっているが、ストックがないと不安になり、万が一に備えてとの考えが要因の一つとされる▼通常と違う状態になった際には、誰しも少なからず不安や動揺の気持ちが生じるもの。パニック状態に陥ってしまう可能性をはらむが、いかに頭では冷静に考えて行動をとることができるかが大事になるだろう▼災害時にパトロールや応急復旧などの活動を担う建設業界は、特にも非常時の冷静な判断や適切な行動が求められる業界と言える。非常事態の中にあっても適切な行動をとれるようにするためには、日頃から非常時の行動の仕方を考えておくこと、訓練を重ねることなどが必要に感じる▼震災から9年となる今年の3月11日は、新型コロナウイルスを起因とした各種行事の自粛など、例年とは違う状況の中で迎えることとなる。追悼式についても規模の縮小や中止の決定も相次いでいるが、あの日のことは決して忘れずに過ごす一日としたい。
●つむじ風 3月6日
 県土整備部が17年度から試行しているICT活用工事。そのスタートに当たり、同部では「産業としての魅力向上」と「担い手確保」に主眼を置いた取り組みをしたいとの意向を示していた▼背景には、本県の建設産業における高年齢化の進行が挙げられる。建設業構造実態調査によると、15年度調査の時点で建設企業で働く人の半分以上が50代以上。18年度調査ではその割合がさらに上昇し、中でも60代以上のシェアが高まっている▼50歳以上の社員の割合を地域別で見ると、岩泉、千厩、二戸で60%を上回り、遠野、久慈、岩手で50%台後半。加えて30歳未満の割合は、二戸が5・6%、岩泉が6・2%など、総じて県北部での高齢化が目立つ▼建設技術振興課は20年度より、「北いわて建設技術向上促進事業」に着手する。ICT活用工事を切り口に県北部での人材育成を図り、高年齢化や人手不足などの課題解決と生産性向上につなげたい考え。高年齢化と人手不足は県内全域の課題。「北いわて」の成果を水平展開し、魅力向上と担い手確保を実現してほしい。
●つむじ風 3月5日
 東北地方整備局三陸国道事務所が整備を進めてきた三陸沿岸道路の久慈北インターチェンジ(IC)~侍浜IC間(久慈市、延長7・4㌔)は1日、開通した。供用済みの久慈道路とつながる区間で、県内の復興道路が北へと延伸したことになる▼当日は開通式典が開かれる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、中止となった。同事務所は情報を広く発信しようと、ホームページに開通区間を紹介するリンクを開設。期待のメッセージの動画や、ドローン視点の飛行映像などが掲載されている。メッセージ動画には、テレビで見かける有名人の姿もあった▼今回の開通区間の整備効果としては、急勾配・幅員狭小区間の回避をはじめ、県立久慈病院の30分カバー圏域の拡大などが挙げられる。今後、道路がつながっていけば、さらなる整備効果が発揮されることだろう▼20年度には復興道路の開通区間が北側、南側へと延伸していく。公開された映像などを眺めながら、各地域の復興道路を思い描くことも、将来の活用に向けて参考になるのではないか。
●つむじ風 3月4日
 国土地理院の広報第620号に、『まんがタイムきららキャラット(発行・㈱芳文社)』に連載中で高校の地学部が舞台の「恋する小惑星(著者・Quro)」を紹介。今年1月からTVアニメ化(制作・㈱動画工房)され、放送が始まったという▼幼い頃、キャンプ場で出会った男の子と「小惑星を発見する」という約束をした主人公。高校では、天文部に入部しようとしたが、その年から天文部と地質研究会が合併して「地学部」になっていた。地学系女子(ジオジョ)が、天文や地質など地球惑星科学などに関するいろいろなキラキラを探す物語▼広報では、TVアニメで、ウェブ地図・地理院地図を使用した「飛び地」を探検するシーンを紹介。さらに、茨城県つくば市にある地図と測量の科学館や、地質標本館、JAXA筑波宇宙センターなどの施設が登場したことも記されている▼リケジョ、ドボジョ…。諸先輩方に続く、新たな小町の存在。地図や測量から、建設産業に関心を持つきっかけになることを願うとともに、その魅力が正しく伝わってほしい。
●つむじ風 3月3日
 陸前高田市が中心市街地に、芸術文化振興活動の拠点として建設を進めている市民文化会館。施設は、4月11日に開館記念式典を控えており、整備が大詰めを迎えている▼市民文化会館の愛称も、応募総数865作品の中から「奇跡の一本松ホール」に決まった。施設は、震災で全壊した「市民会館」と「中央公民館」の機能を併せ持つもの。規模は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、木造3階建ての、延べ床面積3591平方㍍。市民会館分のメーンとなるホールには、一般席625席+車椅子スペース8区画+親子席7席を確保。公民館分では、和室や練習室、実習室などを設ける▼記念式典は午後2時30分から開かれ、テープカットなどで完成を祝う予定。同日午後3時30分からは新ホールで、名古屋フィルハーモニー交響楽団による記念コンサートも開催される計画だ▼開館後は、市民交流とにぎわいをもたらす、新たなまちの顔となる。ホールの利活用を進めるとともに、道の駅などとの連携も図りながら、市中心部を活気付ける施設になればと思う。
●つむじ風 3月2日
 学生らが建設業の一端に触れるようなイベントの場では、建設業界への入職を強く訴える場面が近年、多く見られる。先日取材したイベントでも、工業高校生に建設業への就職を呼び掛けていたのが印象に残っている▼4月には、宮古工高が宮古商高と統合し宮古商工となるほか、学科数が減る工業高校も見られる。今後、福岡工高、宮古商工、水沢工高、一関工高、千厩高の工業系学科などの統合時期が示されているほか、久慈工高も統合が検討されている▼以前、工業高校の校長先生と話した際、「生徒数の減少に伴い学科数も減っている現状だが、中学生の選択の幅を減らすもの」と指摘し、さまざまな場面で訴えていきたいと語っていた。実業系高校の魅力などの周知とともに、実業系高校卒業後の進路が生徒、保護者にも魅力あるものにしていくことが、生徒確保の鍵となる気がする▼1日には、県内の高校の多くが卒業式を迎えた。次代を担う卒業生の一人でも多くが、建設業への就職、あるいは建設業を就職の選択肢に考えた進路としていることが願われる。
●つむじ風 2月28日
 東北地方整備局岩手河川国道事務所と県建設業協会が主催する「いわての建設業働き方改革シンポジウム」が開かれ、週休2日制の推進をはじめとする建設業における働き方改革に向けた課題を探った▼シンポジウムの中ではパネルディスカッションが行われ、行政側と業界側のパネリストが意見交換。業界側からは県建設業協会副会長の向井田岳氏、県空調衛生工事業協会会長の菅原浩幸氏の2人が登壇した▼向井田氏は、適正な工期設定など行政側の取り組みに対する感謝の意を示すとともに「受注後に早期に工事着手し、仕上げることができる環境づくりも必要」と問題提起。菅原氏は現行制度が土木に立脚した設計思想となっている点を指摘し「総合建設業の意識改革が進むことを期待したい」と呼び掛けた▼業界を代表する論客二人がシンポジウムに参加したことで、抽象論や一般論に終わらず、一定程度踏み込んだ議論ができたのでは。これを「業界の有識者から忌憚のない意見をいただいた」で終わらせず、具体的な施策に反映されることを期待したい。
●つむじ風 2月27日
 「今年度から点検は2巡目サイクルに入っている。点検実施とともに、長寿命化修繕計画に基づき、計画的な修繕を行うことが重要」と、県道路メンテナンス会議で佐近裕之岩手河川国道事務所長▼1巡目の点検で判定区分Ⅲ(早期措置段階)と同Ⅳ(緊急措置段階)となったのは、県全体で橋梁1352橋、トンネル99カ所。橋梁に限れば、判定区分Ⅲ・Ⅳの割合は、県内全橋梁の約10%。雪国も南国もなく、全国でも1割程度がⅢ・Ⅳに判定されている▼点検結果を受けての県内の修繕実施状況を見ると、修繕完了率は橋梁で13%、トンネルで18%。橋梁では、国土交通省で対象橋梁の33%で工事を終えているものの、そのほかの道路管理者については10%程度の完了率だ▼1巡目の点検で「構造物の機能に支障はないが、予防保全の観点から措置を講じることが望ましい」とする判定区分Ⅱ(予防保全段階)は、橋梁で県全体の半数以上となる7104橋。判定区分まき(健全)は、わずか10%に過ぎない。判定区分Ⅱの橋梁が、いつⅢ・Ⅳと判定されても不思議ではない。
●つむじ風 2月26日
 1993年4月に全国で103カ所が登録され、2013年には1000カ所を超えた道の駅。20年から第3ステージに入る。国土交通省は、その具体化に向け委員会を設置し、初会合がこのほど開かれた▼会合の中で、25年に目指す三つの姿として▽「道の駅」を世界ブランドへ▽新「防災道の駅」が全国の安心拠点に▽あらゆる世代が活躍する舞台となる地域センターに│が示された。世界ブランドに向け、多言語対応が500駅以上、キャッシュレス導入は1000駅以上と数値目標を掲げている▼今回示されたのは、あくまで大きな方向性。「道の駅」の設置者や運営者との丁寧な議論を進め、内容の深化に努めることが重要と明示。各「道の駅」だけに努力を委ねるだけでは、目指すべき姿を実現することは困難であり、国からの支援なども合わせて充実すべきとも▼県内には初回に登録された3駅に始まり、17年の「むろね」まで33駅が設置。一つの市がリニューアルと新築に取り組む事例もある。創設から四半世紀。新たなチャレンジが始まろうとしている。
●つむじ風 2月25日
 幼稚園や保育園、認定こども園などへ入所する際には、自宅や職場からの距離を第一に優先するだろうが、同時にどんな教育方針で、施設・設備の特徴を重視する保護者も多いだろう。応募者が殺到する魅力を有する園もあると聞く▼以前、取材した施設を改築する園では、廊下1本を建物の前面全体に円形のような形で設け、廊下の後ろにすべての部屋を配置することで、すべての部屋に目が行き届き、異年齢児同士の交流も活発に行えるよう配慮。天井を廊下から各部屋の奥に向かって高さが低くなる設計という特徴的な建物を有していた。「建物で過ごした園児の記憶にずっと残る特徴的な建物にしたい」との考えでの配慮のようだ▼学校施設でも近年、さまざま特色を持つ。そのような施設で過ごした子どもたちが、すくすく育つことが期待される▼同時に、どのような配慮で建築されたかを子どもたちが学ぶ機会をつくること、建築中の建物を見学したり、施工に携わった人からの話しを聞く時間も設けられれば、建設業を知り興味を持つきっかけになり得る。
●つむじ風 2月21日
 県は20年度から、県営建設工事における総合評価落札方式の技術提案評価項目Aの内容を見直す考え。新たに週休2日の取り組み実績に最高0・5点、若手技術者・女性技術者の配置には最高0・2点を加点するなど、新たな評価項目を設ける。またICT活用工事に限定した措置となるが、配置予定技術者のICT活用工事の実績も評価する▼これまで週休2日制やICT活用工事に対するインセンティブは、工事成績への加点や経費の上積みなど出口側にとどまっていた。現時点では週休2日制などに対応可能な県内企業が多くないため、入口側にインセンティブを付与することは、県当局が求める「競争性」や「公平性」と相反するのだろうと勝手に理解していた。どうやら違ったようだ▼今回の見直しに伴い、企業の施工実績、配置予定技術者の施工経験、資格と経験年数などのウエートは下がることになる。つまり週休2日制やICT活用工事はここ数年の流行では終わらず、県内建設業界が本腰を入れて取り組むことを求められる案件になったということだろう。
●つむじ風 2月20日
 市町村の新年度当初予算案が続々と発表されている。久慈市は18日に発表。災害対策や県北振興への取り組みなどを推進する▼同市の一般会計では19年台風19号対応として、過年発生補助災害復旧事業費2億900万円を計上。遠藤譲一久慈市長は記者会見で「内水氾濫への対応として、下水道事業会計で雨水排水ポンプ場3カ所分の整備に係る用地費などを計上した。ポンプ場の整備を急ぎたい」と語った▼新規では、恐竜によるまちづくり推進事業を計上。恐竜の化石発掘を促進するため、発掘調査団への支援を実施する。遠藤市長は「福井県勝山市にある県立恐竜博物館では、年間94~95万人ほどの来場者がある。福井県はこれから大リニューアルし、年間140万人を呼ぼうと動いている」と紹介。県北地域で恐竜本体の化石が発掘されることへの期待をにじませながら、「実現すれば県北振興の目玉になる」とも▼そのほか、市制施行15周年記念事業も計上。記念講演会などを企画しており、市の発展に向けたアイデア・可能性を掘り起こす年度としてほしい。
●つむじ風 2月19日
 陸前高田市は、中心市街地に程近い高台の本丸公園を、避難場所として再整備する計画。現在、設計業務をSTEPに委託し、作成を進めている▼整備場所は同市高田町字本丸地内で、敷地面積は約1万2700平方㍍。本丸公園は、古くは高田城としての歴史を持ち、同市高田町の中心的な場所として市民に親しまれ、震災時は避難場所としても機能した。今回の公園整備では、避難路をはじめ、展望広場や駐車場の設置、さらにあずまや、トイレの改築などが想定されている▼今月上旬には、整備に向け地元住民を対象に現地見学会も開かれた。市ではスロープや階段への手すりの設置など、出された意見を参考に設計を詰めていく見通し。中心市街地の「アバッセたかた」や、遠くは広田湾も望めるため、観光施設としての機能も重要となりそうだ▼公園整備の工事費としては、約1億2000万円を想定。事業は20年度内の着工、完成が見込まれている。市中心部の防災強化と、さらなるにぎわい醸成の役割が期待されるだけに、着実な事業の進捗が求められるだろう。
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