カレンダー

2020年
1月25日(土)
22:19

コラム集

●つむじ風 1月24日
 県建設業協会と県は07年度「家畜伝染病における緊急対策業務に関する協定」を締結。協定締結当時は、高病原性鳥インフルエンザを想定していたが、口蹄疫や豚コレラ(CSF)への対応を可能にするため、10年度に協定内容の見直しを行った▼本県でも養鶏、養豚が盛んな地域があり、家畜伝染病の発生は対岸の火事ではない。17年には隣県で発生した高病原性鳥インフルエンザに対応し、協会一関支部が車両の消毒ポイント設置補助などに当たった。この時は資材の荷卸しや看板設置などを担当したが、本県で事案が発生した場合、処分家畜の運搬や埋却までを担うことになる▼県盛岡広域振興局土木部と県建設業協会盛岡支部ではこのほど、CSFとアフリカ豚コレラ(ASF)の発生対応に係る訓練に参加した。豚舎から埋却地までの運搬や埋却作業などを想定し、現地調査の訓練を実施。埋却地までのルートや現地の地形も含めた事前の情報提供、適切な資機材の選択などの課題を再確認した。危機管理産業としての地域建設業の存在意義が、確実に高まっている。
●つむじ風 1月23日
 東北地方整備局三陸国道事務所が整備を進める三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路。今年、新たな一つの節目を迎える。三陸沿岸道路「宮古田老道路」の宮古中央インターチェンジ(IC)~田老真崎海岸IC間(延長17㌔)は、本年夏ごろまでに開通となる予定。宮古盛岡横断道路の宮古西道路(同4㌔)も夏ごろまでに開通する見込みで、宮古田老道路と合わせて開通することで、宮古市外郭がネットワーク化される▼宮古市内で整備が進む道路や橋梁、トンネルを眺めていた際、ある光景を思い出した。当時の小学校児童らが総合的な学習の時間を利用し、道路の工事現場を訪問。施工業者から出題されたクイズなどを通して、トンネルや橋梁の造り方を学んだ。学習のテーマは「命の道をつくる」▼あれから数年が経過し、まち並みや復興の課題も変化してきたように感じる。子どもたちの地元に対する思いも強くなっていることだろう▼三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路は、20年度末までに順次、開通を迎える。地域の未来の発展へ、命の道を生かす時が近づいている。
●つむじ風 1月22日
 赤羽一嘉国土交通相らが出席した第10回復興加速化会議。その中で、東北地方整備局は、東北復興「働き方・人づくり改革プロジェクト」のさらなる深化・拡大に向け三つの柱を挙げた。その一つが、担い手の育成・確保(地域の守り手確保)だ▼新たな取り組みとして、20年度から同局の優良工事表彰に「(仮称)地域の守り手枠(経常維持工事)」を創設する。地域の守り手と言われる地域建設企業にとって、維持工事が表彰対象となることは大きな意味を持つだろう▼巡回や除草、構造物補修、除雪など。突発的な事象に対応する迅速的確な状況判断能力や、昼夜問わず長時間の対応が求められる調整能力…。1年を通して多種多様な作業を実施するため、技術者への負担も大きく、「やりがい」を持てるかが特に重要だろう▼災害時に地域の守り手として評価されるばかりではなく、平時の維持管理があってこそ有事の際に力を発揮することができる。ノウハウや技術力を駆使して取り組んでいる地域の守り手が、対外的に評価されることにもつながってほしい。
●つむじ風 1月21日
 先週、取材で宮城県気仙沼市の大島を訪れた。陸前高田市役所から、開通した三陸沿岸道路を使うと、本土と大島をつなぐ気仙沼大島大橋まで、車で20分ほど。復興道路による走行性の向上は、県境をまたぐ感覚を薄れさせる▼大島に向かうルートでは、復興事業により高台へ道路が振り替えられていた。沿道には防集団地も見られ、新たなまちづくりが進んでいる様子。道路改良は大島側でも進捗が図られており、複数の大型重機が山を切り開いていた▼アーチ橋の気仙沼大島大橋(橋長356㍍)は、昨年4月に開通。アーチ支間長297㍍は、東日本最長を誇る。たもとには展望台が設置され、観光客が海に映える白いアーチ橋をカメラに収めていた▼展望台からは、三陸沿岸道路で建設中の(仮称)気仙沼湾横断橋(同1344㍍)も見える。湾にそびえる特徴的な橋脚の主塔からは、橋桁がやじろべえのように伸び、遠目からも存在感を発していた。開通予定の20年度末が、待ち遠しい限り。ぜひ、横断橋にも展望台を設け、来訪者の目を楽しませてほしいと思う。
●つむじ風 1月20日
 架け替え工事が進む奥州市水沢の国道397号の小谷木橋では、17日に新橋の上部工が閉合(連結)となった。最後の桁をクレーンで上げて設置し、作業を見守った地元住民らは、開通へ期待を膨らませている様子だった▼新たな橋は鋼橋で、桁を工場で製作。橋の閉合に際しては、PC橋など現場打ちで架設された橋梁で催しを行う場合はあるものの、工場製作の橋梁では一般の人たちで最後にできる主だった作業がないことなどもあり、イベントを行う事例は、あまり多くないとも聞く▼地元などから大きな注目を集めることなどを受け、県や施工業者で知恵を絞って今回の催しが企画された。地元住民には良い思い出となり、新橋への思いも強くしたに違いない。施工業者からは「これだけ注目を集め、開通を待ち焦がれている中で施工でき、ありがたく幸せ」との声も聞かれる▼節目となったが、上部工で床版や高欄など、さらには新橋前後区間の改良舗装などが今後も続く。難工事も伴うようだが、各施工業者には残る作業を順調に進めて開通の日を迎えてほしい。
●つむじ風 1月17日
 県建設産業団体連合会と県建設業協会はこのほど、県に対して建設産業振興対策に関する要望を行った。要望項目は53項目。「公共事業の安定的な予算確保」「発注や施工時期の平準化」「若年者の入職・育成」「低入札価格調査制度における失格基準価格の引き上げ」を重点項目として要望した▼県側の回答から受けた印象は、若年労働者の育成や女性の活躍促進に対する強い問題意識。保和衛副知事は「業界からの提案も受けて、より良い形で建設業の社会的な意義や仕事のやり甲斐などをPRしたい」と述べ、担い手の確保と育成に向けた官民連携を呼び掛けた▼同時に建設投資額の確保を「建設業振興中期プランにおける一丁目一番地」と表現。国が実施する防災・減災や国土強靱化への対応などの機会を捉え、事業費確保に努める考えも示した▼公共投資の継続的な確保と担い手の育成は、決して分離した課題ではない。これからの本県における社会資本のあり方と、社会から求められる技術者の姿など、それぞれの課題を相互に連関させて考えていく必要がある。
●つむじ風 1月16日
 いわて盛岡シティマラソンの2回目の開催が決まった。10月25日に開催予定で、3月中旬にもエントリーを開始するという▼東北の県庁所在地の中心街を通過する初のフルマラソンとのことで、前回は県内外から9000人を超えるランナーが集まった。スマホで知人の現在地を検索できるとあって、沿道の応援も途切れることがなかった▼今更ながら、スポーツの持つ力に驚いている。昨年のラグビーW杯は日本代表の活躍もあり、大きな盛り上がりを見せた。出場国からも多くのサポーターが会場に詰め掛けた。東京五輪でも海外から多くの観光客が訪れることだろう。こういった国際的な大会だけでなく、今回のマラソンでも1万人規模の人の流れを生み出すことができる▼盛岡南公園内に、県と盛岡市の共同事業で新たな野球場が整備される。PFI方式による整備で、優先交渉権者も決定した。順調に作業が進めば、23年4月にも供用される。同公園内には、芝の球技場もある。本県の球技の中心施設として、県内外との新たな交流を生み出してほしいものだ。
●つむじ風 1月15日
 「私が作った地図を見て!」。全国児童生徒地図作品展連絡協議会(事務局・国土地理院)は、第23回全国児童生徒地図優秀作品展に推薦された作品の中から、国土交通大臣賞や文部科学大臣賞などを選定した▼作品展は、各地の地図を使った教育や児童・生徒の地図の取り組みを広く紹介するとともに、より一層の地図の普及啓発を促進することが目的。1997年度から毎年開催され、今回は全国で629校、4691点の作品応募があった▼国土交通大臣賞には、神戸市内の小学6年生の「知っとう?神戸の土砂災害 わかりやすい立体ハザードマップ」が選ばれた。きっかけは、思った以上に多かった市内のハザードマップの危険予想区域だったという。六甲山中を屏風のように立て、危険個所が直に伝わるのが特徴となっている▼2011年3月11日の東日本大震災を境にあらゆることが変わった。地図もその一つ。かつて地図に記されていた道路、橋、建物が位置や姿を変え、生まれ変わろうとしている。その重要な役割を担っている建設産業についても伝えたい。
●つむじ風 1月14日
 パンフレットなどによる職業紹介、出前授業、職場の体験や見学会、本人に加えて保護者も含めた説明会等々。各業界とも担い手確保のために、知恵を絞ってさまざまな取り組みを展開している▼総務省の人口推計では、20年1月1日時点で20歳の新成人は122万人。19年に比べて3万人少なく、減少は4年ぶりとなっている。第2次ベビーブーム(1971年~74年)世代が成人に達した90年代に200万人台となり、94年に最多の207万人となった後、95年以降は減少傾向となっている▼この週末、成人式を実施した市町村も多いことだろう。現代は、新成人の時点で社会人として働いているより、大学や短大、専門学校などで学業に励んでいる人数の方が多いとされる。貴重な就業前の新成人を、各業界で取り合うこととなる▼県外志向、学校五日制などによる週休二日の常態など、地元建設業にとって担い手確保のため、クリアしていかなければならない課題は多い。それでも、一人でも多くの若手を建設業へ就かせるための取り組みは、喫緊なものとなっている。
●つむじ風 1月10日
 穏やかな新年の幕開け。「このまま災害のない年に」との思いはあるものの、近年多発する自然災害。「地域の守り手」として重要な役割を果たしている建設業にとって、守り手の確保・育成は、喫緊の課題となっている▼国土交通と厚生労働の両省は連携し、守り手の確保・育成に取り組んでおり、20年度予算案に関係予算が盛り込まれている。厚労省は若年者の建設業への理解と定着促進に向け「つなぐ化」を20年度も継続して実施する▼厚労省は、建設業の新規高校卒就職者の就職後3年目までの離職率の高さに着目。離職の背景に、就職先の決定過程で知りたい情報を十分に受けられていないことを指摘。出前授業や現場見学会、意見交換会、インターンシップを通して、若年者と建設業界の「つなぐ化」を図っている▼高校生が重要・知りたいと思った情報は「仕事の内容」「給与・賞与」「休日・有給休暇」で、「企業の施工力や歴史・実績」にはあまり興味がないようだ。特効薬はないだけに、地道な活動を通し建設業に対する理解や定着促進につなげたい。
●つむじ風 1月9日
 19年台風19号で被災した国道45号や復興道路。東北地方整備局三陸国道事務所をはじめ、県内外の建設企業などが一体となり、応急復旧に力を尽くした▼国道45号のうち、宮古市の宮古第3トンネルでは、背後地からの土石流がスノーシェッドを突き破りトンネル内に流入。一時、全面通行止めとなった。久慈市内に架かる町中1の橋では、A1橋台が流出。橋長は10・5㍍と短いが、付近に迂回路がないことから地域への影響が大きかったもようだ。スノーシェッドの撤去、同橋の応急復旧は、道路維持を担当する地域の建設会社がそれぞれ対応した▼このほか同事務所は、復興道路などの受注企業のうち災害対応が可能な建設業者に対し、大型土のうの設置や土砂運搬などの支援を依頼。約40社が協力し、災害対応に当たった▼二次災害の防止へ本復旧を急ぐ個所もある。同事務所では梅雨前や台風シーズン前までの着工を目指しており、早期に現場を稼働させることが重要としている。県土の安全確保に向けて、建設行政・業界に寄せる地域の期待は一層大きくなる。
●つむじ風 1月8日
 穏やかな新年の幕開け。「このまま災害のない年に」との思いはあるものの、近年多発する自然災害。「地域の守り手」として重要な役割を果たしている建設業にとって、守り手の確保・育成は、喫緊の課題となっている▼国土交通と厚生労働の両省は連携し、守り手の確保・育成に取り組んでおり、20年度予算案に関係予算が盛り込まれている。厚労省は若年者の建設業への理解と定着促進に向け「つなぐ化」を20年度も継続して実施する▼厚労省は、建設業の新規高校卒就職者の就職後3年目までの離職率の高さに着目。離職の背景に、就職先の決定過程で知りたい情報を十分に受けられていないことを指摘。出前授業や現場見学会、意見交換会、インターンシップを通して、若年者と建設業界の「つなぐ化」を図っている▼高校生が重要・知りたいと思った情報は「仕事の内容」「給与・賞与」「休日・有給休暇」で、「企業の施工力や歴史・実績」にはあまり興味がないようだ。特効薬はないだけに、地道な活動を通し建設業に対する理解や定着促進につなげたい。
●つむじ風 1月7日
 震災復興のリーディングプロジェクトとして整備が進む、復興道路・復興支援道路、総延長550㌔。20年度までの全線開通に向け、今年はラストスパートの年となる。被災地の期待に応えるためにも、安全かつ着実な進捗が求められる▼昨年末は本紙で、東北地方整備局南三陸国道事務所の取り組みを振り返った。管内縦横軸約54㌔を、7年余りで全て開通させたスピードは、特筆すべきことだろう。「事業促進PPP」の導入はもちろんだが、「命の道」の確保を切望する地域の後押しも大きかったはず。震災での尊い犠牲により、官民と地元が一丸となった結果であることを忘れてはならない▼「復興五輪」に位置づけられるオリンピックイヤーを迎え、国内外から被災地を訪れる人が増えることも予想される。昨年は高田松原津波復興祈念公園で、三陸のゲートウェイとなる震災津波伝承館や道の駅「高田松原」など、主要施設が完成した。来訪者が、施設を岩手の玄関口に開通した道路で被災地をたどりつつ、震災の教訓を学び、世界に伝えていけばと思う。
●つむじ風 12月27日
 19年も残りわずか。今年も読者の皆さまから多くのご指導や激励を頂戴し、心より感謝申し上げます。新しい年も読者の皆さまにとって有意義で、興味を持っていただける記事を提供し、微力ながらも建設産業の健全な発展に尽力して参りたいと思います▼今年の建設業界においては、若年労働者の確保に対する問題意識と危機感が強まった印象を受けた。在学中に資格を取得した工業高校の生徒を、大手企業が好待遇で迎え入れている事例も聞いた。人材確保競争社会の中、いかにして県内中小企業が大手企業に対抗していくか。業界と行政、どちらか一方の努力だけで解決できる問題ではない▼当欄で何度も指摘していることだが、地方の中小建設企業における人材確保の問題は、地域の危機管理に関わる問題でもある。自然災害の多発や既存ストックの老朽化など、建設業の生業を通して解決される課題は多い。前例主義や実績主義にとらわれず、若い担い手の確保と育成に向けて、官民が連携しての新しいチャレンジが行われる一年が来ることを期待する。
●つむじ風 12月26日
 小さな観覧車やバッテリーカー、ミニ電車、ピンボールなどのゲーム類…。中心市街地のデパートの屋上にあった遊園地は、知る人によると、もはや絶滅状態という。全国で両手があれば足りる個所数だとか▼肴町に川徳デパートがあった頃、休日の楽しみは食堂のお子様ランチと屋上の遊園地だった。一般家庭に、車がそれほど普及していなかった時代。一般家庭に車が普及し始めると同時に、人の流れは大規模な駐車場を備えた大型ショッピングセンターに移った▼象徴的な建物だった盛岡バスセンターの跡地に、にぎわい施設を兼ね備えた新施設の建設計画が進められている。日本全体が超高齢社会に足を踏み入れた中で、中心市街地の活性化と公共交通機関の拡充は必須。交流人口の拡大にとっても重要だ▼盛岡市民にとって、やはり盛岡城跡のある河南地区は、今も昔も盛岡の中心である。新盛岡バスセンターは、事業者の選定作業に着手するなど、実現に向けて一歩踏み出した。旧ななっく跡地の再開発とともに、肴町が再び人であふれるまちになってほしい。
●つむじ風 12月25日
 気象庁は、2019年の天候と台風のまとめを発表した。日本では年平均気温が1898年の統計開始以降で最も高く、世界では1891年の統計開始以降で2番目に高くなる見込みという▼日本の天候に関しては、台風第15号、同第19号の接近・通過に伴い、千葉で秒速57・5㍍の最大瞬間風速を、箱根で日降水量が歴代の全国1位となる922・5㍉をそれぞれ観測。北・東日本で記録的な防風、大雨となった▼台風については、19年春まで続いたエルニーニョ現象の影響で3~6月中旬は台風の発生がなかった一方、11月の発生数は過去最多と並び、年間の発生数は平年より多くなった。日本への年間の接近数は平年よりも多く、年間上陸数は昨年と同じ5個だった報じている▼「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5次評価報告書によると「わが国を含む中緯度の陸域のほとんどでは、今世紀末までに極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高い」と予測している。気象状況の「局地化」「集中化」「激甚化」を肝に銘じたい。
●つむじ風 12月24日
 県県土整備部が、事業の完了時期の延伸を示した「閉伊川水門災害復旧事業」。今後は、26年度の完成を目指し、工事の進捗が図られていくことになる▼事業が進められている宮古市の閉伊川河口部は、震災の発生時、市役所前の防潮堤を黒い津波が越える場面で知られる場所だ。水門は津波対策施設として新設されるもので、13年度に着工。規模は、延長154・4㍍で、4門を設置。船の航行に配慮し、航路部も設ける計画となっている▼今回の延伸は、「復興・創生期間」後の支援継続を示した政府の閣議決定を受けたもの。県は、延伸理由として、16年台風第10号で現場が被災し手戻り工事が発生したこと。水門基礎工や地盤改良で巨礫が確認され、対策の検討や施工に時間を要していることなどを説明。航路の確保や漁期への配慮など、必要な調整を図りながら工事を進めていくとしている▼当初の計画時点で想定できなかった工程変更とはいえ、閉伊川水門は背後の市街地を守る重要な防災施設。一日も早い完成に向け、円滑な事業の推進が求められるだろう。
●つむじ風 12月23日
 県が復興支援道路として整備を進める一関市大東町の国道343号渋民工区では、区間内に設ける主要構造物となるトンネル掘削が本格化する段階となった。先日は、安全祈願祭が開かれたが、順調に施工が進み目標としている20年度内の開通が望まれる▼渋民工区をはじめ、県で取り組む復興支援道路も整備がだいぶ進んできた。県で作成する社会資本の復旧・復興ロードマップに掲載されている区間については、残る個所も20年度までに供用を迎える見通しとなっている▼復興支援道路をはじめ、来年度で一定の事業が一段落となる向きもあるが、まだ必要な事業は多くある。復興支援道路に位置付けた路線では、国道340号押角峠地区の南側となる和井内~押角地区で来年度からの事業化を目指している▼ほかにも、一関市大東町と陸前高田市の国道343号笹ノ田峠、葛巻町と久慈市山形町の国道281号平庭峠など、交通の難所となっている個所は県内に多く存在する。復興事業は一段落を迎えつつあるものの、切れ目ない必要個所での事業が求められる。
●つむじ風 12月20日
 県工事における週休二日制の拡大に向け、県土整備部では週休二日モデル工事に発注者指定型の導入を検討。早ければ20年度からの試行開始も視野に入っているようだ。同部では受注者に対する多様な選択肢を提供し、週休二日の拡大を図りたい考え▼今年度は、東北地方整備局県内事務所と県建設業協会などが「週休二日制普及促進DAY」を実施するなど、官民協働での週休二日への取り組みが始まった。また、業界団体と県との意見交換の場などを通じて、業界ごとの特性も明らかになってきた。専門工事業の中にも、業界統一での土曜休みの実施を模索する動きが出ている▼日本建設業連合会がまとめた「週休二日実現行動計画19年度上半期フォローアップ報告書」を見ると、4週8閉所の達成率は土木で36・7%、民間工事のウエートが高い建築工事では23・9%にとどまっている。大手ゼネコンでさえ週休二日の完全実施は道半ば。建設現場で働く人たちの労働環境向上という軸をぶらすことなく、官民協働で「岩手型週休二日」の実現を目指してほしい。
●つむじ風 12月19日
 県や建設業界が意見を交わす場となる建設業地域懇談会。懇談会では、入札制度や建設業振興策のほか、台風19号の初動対応なども話題になった▼宮古地区では「重茂地区の現場に集中的に重機を配置していた。災害は人ごとではなく、必死に働いた」と思いが語られた。今後の災害復旧の本格化については、「重機のオペレーターが不足するかは一概に言えず、発注形態によるのではないか」と受け止めていた▼岩泉地区では「16年台風10号の経験もあり、台風19号の対応は速やかだったと思う。機械があり、体力的にもまだ余裕があった。ただ、仕事量が減ると、これからどうなるのか」という声も▼災害対応がテーマになると、地域に根差す建設業者の存在や、行政・業界の連携が不可欠だと改めて実感する。県側は懇談会の場で、「災害が起きた際の対応を一緒に考えなければならない。持続的に建設業を担っていただけるような土台づくりを考えたい」と話していた。災害に強い強靱な地域づくりへ。今年を振り返り始める時期を迎え、行政・業界の役割を再確認したい。
●つむじ風 12月18日
 「川は自分の流れたいように流れていた」。岩手県立大学教授を経て、現在は東北大学の名誉教授の首藤伸夫氏が、1958年に伊豆半島や関東地方に大きな被害をもたらした狩野川台風直後に上空から眺めた後の第一声という▼先日、仙台市内で開かれた2019年台風第19号災害に関する東北学術合同調査団の速報会で、団長の田中仁東北大学教授が今回の台風災害で学ぶべきことを発表する際の冒頭に紹介した。狩野川台風は、今年10月11日に気象庁が台風19号を例えた台風で、その例えがどう受け取られたかは議論の余地があるのだが…▼これまで、大型の台風が発生すると、暴風雨により通行人の傘がめくり上がり、樹木が大きく揺れ、岸壁に波が大きく打ち寄せる様子などが報道される。その猛威は正直、離れた場所でのことと思っていた▼近年、集中豪雨や台風などによる被害が相次いで発生し、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化。「新たなステージ」という表現をよく見聞する。まずは、雨に対する意識も新たなステージに対応しなければならない。
●つむじ風 12月17日
 空き校舎となっていた旧甫嶺小学校を、復興交流推進センターとして活用していく大船渡市。センターに改修することで、地域住民の交流拠点とするほか、宿泊機能も持たせ滞在型観光産業の振興を目指す考えだ▼旧甫嶺小の規模は、校舎が鉄筋コンクリート造2階建ての延べ床面積1708・63平方㍍。屋内運動場は、鉄骨造平屋建ての床面積618・52平方㍍。1階部分を地区活動・交流ゾーン、2階部分は宿泊・交流ゾーンとして整備する計画。市は来年1、2月にも工事を入札し、同年9月の完成を見込んでいる▼現地を訪れると、校庭で市内の自転車BMX事業者が、BMXレースコースの建設を進めていた。市では、BMXやスキューバダイビングの民間事業者と連携し、スポーツ・アクティビティを核とした施設利用者の拡大を図る方針▼地域の特性を生かした体験プログラムの展開により、三陸エリアへの来訪者・滞在者が増えていけば、盛り上がりは他の観光産業などにも波及していくはず。交流人口の創出が、地域の活性化につながればと思う。
●つむじ風 12月16日
 建設業のみならず、担い手確保が課題の業界は多い。次代を担う学生らに興味を持ってもらうため、さまざまなPR活動が展開されている▼県南広域振興局土木部では、17年度から「いわて県南建設業イメージアップカレンダー」を作成。ふと見る機会の多いカレンダーを通して、建設業を知ってもらい進路を考えるきっかけになればとの思いを込めており、20年版も先日完成した▼カレンダーには、管内の県建設業協会6支部会員企業の若手職員を掲載。作業の様子を収めた写真や職種の説明などで建設業を分かりやすく紹介するほか、各職員のやりがいや目標などのコメントで魅力を周知している。管内の学校などに配布される▼配布先からのアンケートで、学生らからは好印象の回答が多く寄せられたようだ。ただ、アンケートでは「建設業について分かりにくい」「ほかの方法でPRした方が良いのでは」「配布する部数を減らしてほしい」などの声もあるようで、同部では、カレンダーも含め建設業PRの事業を今後も検討する構えだが、熟慮は必要だろう。
●つむじ風 12月13日
 東日本建設業保証㈱岩手支店によると、本県の建設業の財務状況は収益性、健全性、生産性が好調で、活動性と流動性が低調。野村茂支店長は、自然災害が頻発している状況を踏まえ「地場の建設企業は、地域の守り手として持続的な経営の確保が求められており、資金流動性の向上が必要」と指摘する▼企業の収益力を判断する上で最も重要な比率である「総資本経常利益率」は、10年度まで7年間マイナスを続けていたが、11年度にプラスに転じて以降は8年連続で増益を維持。18年度は5・90%と東日本平均、東北平均をともに上回っている▼収益性について、同支店が指摘するのは2点。一つは、東日本平均を上回っているもののその差が徐々に縮まる傾向にあること。もう一つは同社の前払金保証請負金額と、総資本経常利益率の動きが連動していること▼災害復旧による一時的な需要の急増などイレギュラーな事象はあれども、長期的に見て公共事業は右肩下がり。地域社会の危機管理の観点からも、建設企業の収益性維持に向けた取り組みが必要と思われる。
●つむじ風 12月12日
 「一方は海、三方は山に囲まれ、高速道路やフェリーもない。まさに『陸の孤島』だった」と、地元・宮古を語る共和水産㈱の鈴木良太専務。「イカ王子」と呼ばれている。都南川目道路の開通式典で、地域を代表して思いを語った▼「東京から海外に行った方が近い」との会話もめずらしくないという。魚は鮮度が命。世界有数の漁場を抱えながらも、「輸送時間がかかり、翌日の市場に間に合わない。鮮度が落ちて、価値が半減してしまう」と、もどかしさを語った▼都南川目道路の全線開通に続き、来年度内には宮古盛岡横断道路で整備中の全区間が開通する予定。「付加価値の向上や魚のブランド化に取り組みたい。今では宮古港にフェリー航路も開設され、大型客船も就航する」。道路開通を大きなチャンスと捉えている▼鈴木さんは現在、米国・マンハッタンにも商品を輸出。「地域の若い人たちに、水産業が魅力ある産業と伝えたい」からだという。「マンハッタンへの距離がまた近づいた」と鈴木さん。道路の開通は、地域の夢と希望を未来につなげる第一歩だ。
●つむじ風 12月11日
 厚生労働省は、11月の過重労働解消キャンペーンの一環で実施した過重労働解消相談ダイヤルの相談結果をまとめ公表した。無料の相談電話には、合計で269件の相談が寄せられた▼主な業種は、商業、保健衛生業、製造業で、いずれも1割ほど。相談内容は、長時間労働・過重労働が90件で3割強だった。賃金不払残業が約25%、休日・休暇が11%ほどと続く。相談者は、労働者が7割弱だが、労働者の家族が2割という▼相談事例も記載されている。その中に、建設業の作業員の事例が含まれていた。その作業員は、残業代の支払いを社長に求めたが、社長は「賃金に含まれている」と。作業員からは「賃金は基本給のみで、これまでに固定残業手当が含まれていると聞いたことがない」と話している▼他業種の家族からは、月の残業時間100時間超や1日20時間労働の連続、月の休日が1・2回程度│などを心配する声が…。建設産業界にとって、年内・年度内の工期が多く、これからが正念場を迎える。労働者やその家族の悲痛な叫びを見逃してはならない。
●つむじ風 12月10日
 全国で初めて、海底設置型・起伏式フラップゲートの水門が設置される、大船渡漁港海岸の細浦地区。整備を担当する県は9日、本体(函体)の据え付け作業を実施。残るゲート部分の設置に向け、準備を進めていく▼細浦地区の高潮対策事業に当たっては、県が地元の住民、関係団体と協議、調整を重ね計画。同地区では当初、海岸線に防潮堤を張り巡らせる予定もあったが、景観面や利便性、船の出入りのし易さなどを考慮し、フラップゲートの採用に至ったという▼当日の据え付け作業には、漁港周辺に地元住民も訪れ、国内最大の旋回式起重機船で吊り上げられた函体が、海に沈んでいく迫力をカメラに収めていた。ゲートの設置後は動作の確認が行われる予定となっており、作業を眺めていた住民からは、「ゲートが立ち上がる姿も見てみたい」といった声も聞かれた▼細浦地区では今回の水門1門と、陸閘4基を含め、湾の入口周辺に防潮堤が延長約480㍍整備される。背後地の暮らし、なりわいを守る津波防御の要として、着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 12月9日
 先週の県内は、気温が低く降雪にも見舞われ、冬本番を実感させられる気候で推移した。内陸では、平地でも雪が本降りとなって積雪し、除雪対応に追われた地域もあったようだ▼雪で白くなった光景の中、盛んと工事が進む様子が見られるのが、ほ場整備の施工現場。農作物の収穫後に作業を開始するほ場整備の現場は、冬期間が施工の最盛期となり、雪上でのほ場整備は建設業にとって冬の風物詩とすら言える気がする▼特にも県南地域では、ほ場整備が多くの個所で実施されている。来年度に、ほ場整備の新規採択を目指す個所も多いと聞く。個所数が多いことで事業費があまり確保できず、進捗状況が芳しくない個所もあるようだが、早期の効果発現が期待される▼整備されたほ場で営農が展開されるに当たり、法人を設立する場合も多い。法人設立には、地元建設業者に協力を仰ぐケースもあるようだ。ほ場の施工には相応の実績や技術力が必要とされるが、新たな整備個所の掘り起こしや整備後の営農に、建設業が支援できる部分があるのかもしれない。
●つむじ風 12月6日
 県建設業協会と県内高等学校の土木・建築部門の担当教員による若年者入職促進懇談会。若年者の地元企業への入職促進と定着に向け、建設業界と教育機関が双方の事例や問題意識を共有している▼懇談会の席上、協会側からは入職促進の先を見据えた発言も聞かれる。「入職促進だけではなく、離職率を下げて長く働いてもらうことが大切」(向井田岳副会長)、「人材育成は経営者の育成という側面もある」(三浦貞一副会長)など、業界として人材育成に取り組む姿勢が強く打ち出されている▼また、盛岡支部による合同就職説明会や地元企業ガイドブックなど、先進事例の水平展開を呼び掛ける動きも出てきた。盛岡工業高校土木科では2年続けて県内就職が県外を上回っており、学校の指導と支部の取り組みが上手くかみあった事例と言えそうだ▼人材確保競争の時代、従来からの取り組みに終始していては、労働市場において地元企業が県外の大手企業に伍していくことはできない。他地区の先進事例を嫌うことなく、積極的に吸収する姿勢も必要だろう。
●つむじ風 12月5日
 宮古市の市道北部環状線第2工区(近内~山口地区、延長1280㍍)が開通した。市街地北側を通る同路線の整備により、県立宮古病院や景勝地・浄土ケ浜などへのアクセス性が向上。三陸沿岸道路の宮古北インターチェンジと国道45号を最短距離で結ぶ道路としての機能も備える。第1工区(県代行)は16年度に供用済み。今回で全線が供用されたことになる▼北部環状線道路整備事業の全体延長は3611㍍で、今回開通した第2工区の延長は1280㍍。市が西側の近内工区(720㍍)を施工し、三陸国道事務所が宮古北IC付近の蜂ケ沢工区(560㍍)を施工した▼第2工区は12年度に事業着手となった区間。主要構造物として、近内復興トンネル(527㍍)、希望のつなぎ橋(30㍍)が整備された。東日本大震災以降に事業が進められ、地域の思いが構造物名に込められている▼道路は高台を通り、東日本大震災の津波浸水区域を回避しながら、宮古病院や盛岡・久慈方面などにアクセス可能だ。地域の思いが、災害に強い道づくりにつながったと実感する。
バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー