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2019年
12月14日(土)
08:05

コラム集

●つむじ風 12月13日
 東日本建設業保証㈱岩手支店によると、本県の建設業の財務状況は収益性、健全性、生産性が好調で、活動性と流動性が低調。野村茂支店長は、自然災害が頻発している状況を踏まえ「地場の建設企業は、地域の守り手として持続的な経営の確保が求められており、資金流動性の向上が必要」と指摘する▼企業の収益力を判断する上で最も重要な比率である「総資本経常利益率」は、10年度まで7年間マイナスを続けていたが、11年度にプラスに転じて以降は8年連続で増益を維持。18年度は5・90%と東日本平均、東北平均をともに上回っている▼収益性について、同支店が指摘するのは2点。一つは、東日本平均を上回っているもののその差が徐々に縮まる傾向にあること。もう一つは同社の前払金保証請負金額と、総資本経常利益率の動きが連動していること▼災害復旧による一時的な需要の急増などイレギュラーな事象はあれども、長期的に見て公共事業は右肩下がり。地域社会の危機管理の観点からも、建設企業の収益性維持に向けた取り組みが必要と思われる。
●つむじ風 12月12日
 「一方は海、三方は山に囲まれ、高速道路やフェリーもない。まさに『陸の孤島』だった」と、地元・宮古を語る共和水産㈱の鈴木良太専務。「イカ王子」と呼ばれている。都南川目道路の開通式典で、地域を代表して思いを語った▼「東京から海外に行った方が近い」との会話もめずらしくないという。魚は鮮度が命。世界有数の漁場を抱えながらも、「輸送時間がかかり、翌日の市場に間に合わない。鮮度が落ちて、価値が半減してしまう」と、もどかしさを語った▼都南川目道路の全線開通に続き、来年度内には宮古盛岡横断道路で整備中の全区間が開通する予定。「付加価値の向上や魚のブランド化に取り組みたい。今では宮古港にフェリー航路も開設され、大型客船も就航する」。道路開通を大きなチャンスと捉えている▼鈴木さんは現在、米国・マンハッタンにも商品を輸出。「地域の若い人たちに、水産業が魅力ある産業と伝えたい」からだという。「マンハッタンへの距離がまた近づいた」と鈴木さん。道路の開通は、地域の夢と希望を未来につなげる第一歩だ。
●つむじ風 12月11日
 厚生労働省は、11月の過重労働解消キャンペーンの一環で実施した過重労働解消相談ダイヤルの相談結果をまとめ公表した。無料の相談電話には、合計で269件の相談が寄せられた▼主な業種は、商業、保健衛生業、製造業で、いずれも1割ほど。相談内容は、長時間労働・過重労働が90件で3割強だった。賃金不払残業が約25%、休日・休暇が11%ほどと続く。相談者は、労働者が7割弱だが、労働者の家族が2割という▼相談事例も記載されている。その中に、建設業の作業員の事例が含まれていた。その作業員は、残業代の支払いを社長に求めたが、社長は「賃金に含まれている」と。作業員からは「賃金は基本給のみで、これまでに固定残業手当が含まれていると聞いたことがない」と話している▼他業種の家族からは、月の残業時間100時間超や1日20時間労働の連続、月の休日が1・2回程度│などを心配する声が…。建設産業界にとって、年内・年度内の工期が多く、これからが正念場を迎える。労働者やその家族の悲痛な叫びを見逃してはならない。
●つむじ風 12月10日
 全国で初めて、海底設置型・起伏式フラップゲートの水門が設置される、大船渡漁港海岸の細浦地区。整備を担当する県は9日、本体(函体)の据え付け作業を実施。残るゲート部分の設置に向け、準備を進めていく▼細浦地区の高潮対策事業に当たっては、県が地元の住民、関係団体と協議、調整を重ね計画。同地区では当初、海岸線に防潮堤を張り巡らせる予定もあったが、景観面や利便性、船の出入りのし易さなどを考慮し、フラップゲートの採用に至ったという▼当日の据え付け作業には、漁港周辺に地元住民も訪れ、国内最大の旋回式起重機船で吊り上げられた函体が、海に沈んでいく迫力をカメラに収めていた。ゲートの設置後は動作の確認が行われる予定となっており、作業を眺めていた住民からは、「ゲートが立ち上がる姿も見てみたい」といった声も聞かれた▼細浦地区では今回の水門1門と、陸閘4基を含め、湾の入口周辺に防潮堤が延長約480㍍整備される。背後地の暮らし、なりわいを守る津波防御の要として、着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 12月9日
 先週の県内は、気温が低く降雪にも見舞われ、冬本番を実感させられる気候で推移した。内陸では、平地でも雪が本降りとなって積雪し、除雪対応に追われた地域もあったようだ▼雪で白くなった光景の中、盛んと工事が進む様子が見られるのが、ほ場整備の施工現場。農作物の収穫後に作業を開始するほ場整備の現場は、冬期間が施工の最盛期となり、雪上でのほ場整備は建設業にとって冬の風物詩とすら言える気がする▼特にも県南地域では、ほ場整備が多くの個所で実施されている。来年度に、ほ場整備の新規採択を目指す個所も多いと聞く。個所数が多いことで事業費があまり確保できず、進捗状況が芳しくない個所もあるようだが、早期の効果発現が期待される▼整備されたほ場で営農が展開されるに当たり、法人を設立する場合も多い。法人設立には、地元建設業者に協力を仰ぐケースもあるようだ。ほ場の施工には相応の実績や技術力が必要とされるが、新たな整備個所の掘り起こしや整備後の営農に、建設業が支援できる部分があるのかもしれない。
●つむじ風 12月6日
 県建設業協会と県内高等学校の土木・建築部門の担当教員による若年者入職促進懇談会。若年者の地元企業への入職促進と定着に向け、建設業界と教育機関が双方の事例や問題意識を共有している▼懇談会の席上、協会側からは入職促進の先を見据えた発言も聞かれる。「入職促進だけではなく、離職率を下げて長く働いてもらうことが大切」(向井田岳副会長)、「人材育成は経営者の育成という側面もある」(三浦貞一副会長)など、業界として人材育成に取り組む姿勢が強く打ち出されている▼また、盛岡支部による合同就職説明会や地元企業ガイドブックなど、先進事例の水平展開を呼び掛ける動きも出てきた。盛岡工業高校土木科では2年続けて県内就職が県外を上回っており、学校の指導と支部の取り組みが上手くかみあった事例と言えそうだ▼人材確保競争の時代、従来からの取り組みに終始していては、労働市場において地元企業が県外の大手企業に伍していくことはできない。他地区の先進事例を嫌うことなく、積極的に吸収する姿勢も必要だろう。
●つむじ風 12月5日
 宮古市の市道北部環状線第2工区(近内~山口地区、延長1280㍍)が開通した。市街地北側を通る同路線の整備により、県立宮古病院や景勝地・浄土ケ浜などへのアクセス性が向上。三陸沿岸道路の宮古北インターチェンジと国道45号を最短距離で結ぶ道路としての機能も備える。第1工区(県代行)は16年度に供用済み。今回で全線が供用されたことになる▼北部環状線道路整備事業の全体延長は3611㍍で、今回開通した第2工区の延長は1280㍍。市が西側の近内工区(720㍍)を施工し、三陸国道事務所が宮古北IC付近の蜂ケ沢工区(560㍍)を施工した▼第2工区は12年度に事業着手となった区間。主要構造物として、近内復興トンネル(527㍍)、希望のつなぎ橋(30㍍)が整備された。東日本大震災以降に事業が進められ、地域の思いが構造物名に込められている▼道路は高台を通り、東日本大震災の津波浸水区域を回避しながら、宮古病院や盛岡・久慈方面などにアクセス可能だ。地域の思いが、災害に強い道づくりにつながったと実感する。
●つむじ風 12月4日
 国土交通省と都道府県は、毎年12月1日から7日を「雪崩防災週間」と設定。雪崩災害防止功労者の表彰や雪崩防止セミナーの開催などの取り組みを進めている▼雪崩は、すべり面の違いにより表層雪崩と全層雪崩に分けられる。表層雪崩は低気温で降雪が続く1~2月の厳冬期に発生し、速度は時速100~200㌔と新幹線並み。全層雪崩は気温が上昇する春先の融雪期に起こり、速度は自動車並みの時速40~80㌔という▼主な前兆現象として雪庇、巻きだれ、斜面が平らになっている、スノーボール、クラック、雪しわ│を挙げている。国内で集落を対象とした雪崩の危険個所(人家5戸以上等)は2万カ所以上。04年度公表の県別では、秋田県1630、青森県が1003、本県は177。本県では個所数が少ないものの、県境では注意が必要だろう▼「かつてない」「記録的な」│は雨だけと思い込んではならない。最近では、登山やスキーなどのレジャー客にも雪崩の被害が出ている。身近な存在だからこそ、普段から雪崩災害に対する防災意識を持つことが大切だ。
●つむじ風 12月3日
 震災などにより、市民体育館の再建事業を進めていた釜石市。1日には、待ちに待った一般供用が始まり、地元の子どもたちが真新しいアリーナでバスケットなどを楽しんでいた▼建設場所は、追悼公園「釜石祈りのパーク」などがある「うのすまい・トモス」(三陸鉄道鵜住居前)エリアの一角。周辺には世界遺産「橋野鉄鉱山」へつながるルートや、「釜石鵜住居復興スタジアム」、根浜地区の海岸、キャンプ場などもあり、体育館は各施設を結ぶ位置に整備されている▼オープニングセレモニーでのあいさつで、野田武則市長は「スポーツやツーリズムの拠点となるもの」とし、交流人口や観光面への貢献に期待を込めていた。来賓の佐々木憲一郎鵜住居地区復興まちづくり協議会会長は、震災の教訓を広く伝えていくためにも、体育館に多くの世代に集ってもらい、「この場所で感じ学んだことを、命を守る活動に生かしてほしい」と、語っていた▼体育館の供用が、他のさまざまな施設との相乗効果を生み、新たなにぎわいの醸成や、教訓の伝承につながればと思う。
●つむじ風 12月2日
 12月に入り冬もいよいよ本格化してくる。現場においては、雪や凍結など危険の芽が増えることに加え、寒さや防寒着の着用などで体の動きが鈍くなることで事故を発生するリスクが高くなる。冬期は亡くなる高齢者が多い傾向にあるとされるが、高齢化が進む業界でも他人事ではない▼企業側には事故を発生させない環境づくりが求められ、各企業とも、さまざまな策を講じて事故防止に努めているに違いない。企業としての取り組みは必須だが、最終的には各労働者の意識の持ちようが最も大事になってくる▼働き方改革に伴う週の労働時間40時間以内、年5日の年次有給休暇取得なども同様のことだろう。達成のため企業側の取り組みは最低限必要なことだが、各労働者も達成のためにしっかり意識を持つことが必要に感じる▼週の労働時間40時間以内には、1年単位の変形労働時間制を採用して達成する方法などもあるようだ。年5日の年次有給休暇取得の達成には、労働者、使用者それぞれの時季指定などが有効とされ、双方の共通認識を図って取り組みたい。
●つむじ風 11月29日
 県などが主催する講習会の席上、地場の中小建設企業が橋梁などの維持補修を受注するメリットが紹介された。測量や丁張りなど現場管理の労力が少なく、自社施工ができる企業が利益を上げることは十分に可能とのこと。逆にデメリットとしては「工事成績の点数が取りづらい」「現場が地味で華が無い」などが挙げられた▼県土整備部道路環境課はこのほど、盛岡工業高校土木科との協働による橋梁点検を実施した。高校生が実際の橋梁点検に携わり、点検結果は県の橋梁長寿命化修繕計画などにも反映される。同課では、インフラの維持の重要性と責任に加えて、維持の仕事の面白さを高校生に感じてもらうことを目指している▼「将来は維持の時代」と言われる一方、「維持は意地」の言葉もあり、その重要性と比較して制度インフラや企業のインセンティブが出遅れていたのは事実。国交省が維持修繕工事の評定点に加点するなど、受注意欲の促進につながる動きも出てきた。今後は維持の仕事における働き方改革の議論にも踏み込んでいく必要があるだろう。
●つむじ風 11月28日
 宮古盛岡横断道路の都南川目道路(延長6・0㌔)がいよいよ全線開通する。残る田の沢IC-手代森IC間の開通式典が12月8日午前10時から現地で行われた後、同日午後3時から一般供用される予定だ▼田の沢IC-手代森IC間は3・4㌔。延長約2・6㌔の手代森トンネルが大半を占める。現在、国道396号との連絡部分の工事も盛んに行われており、完成間近の雰囲気を漂わせている▼都南川目道路が全線開通すれば、簗川道路と合わせて盛岡市内の約13㌔が高規格道路でつながることになる。さらに都南大橋付近で上米内湯沢線に直結することで、大道動脈の国道4号、東北縦貫自動車道へのアクセスが大幅に向上する▼国は、国道4号「盛岡南地区」の新規事業化に向けた計画段階評価を実施中。バイパス案と現道拡幅案の対応方針2案の絞り込みに向け、一般からのアンケートを受け付けている。都南川目道路の全線開通や岩手医大附属病院の矢巾町への移転などにより、国道4号のさらなる混雑が見込まれる中、道路利用者の声を計画に反映させたい。
●つむじ風 11月27日
 県電気工事業工業組合(平野喜嗣理事長)はこのほど、高校生ものづくりコンテスト県大会の電気工事部門に出場した生徒らと意見交換・交流会を開いた。会では、電気工事の魅力や重要性を伝えたほか、若い電気工事士の必要性を強く訴えた▼会の冒頭、同部門の実行委員長を務める県立福岡工高の池田明宏校長があいさつ。「県内高校生の1種・2種電気工事士の合格率が全国平均より10%ずつ高い」と話し、同組合と県電業協会が共同で進めている電線や器具の寄贈に改めて感謝した▼県大会出場の実力を有する生徒ら。意見交換・交流会を通して、「電気工事士になりたいという意識が強くなった」「他校の生徒や実際に働いている人の話を聞くことができて良かった」など。技術ばかりでなく意識の高さも伺わせ、会にさらなる刺激を受けた様子だった▼参加した組合員が、生徒らの小さな疑問や質問に対しても真剣に答えようとしている姿が印象的だった。小さな取り組みの実践の積み重ねが、「地元企業で働きたい」との思いにつながることを期待したい。
●つむじ風 11月26日
 本県でも、台風19号で被害を受けた公共土木施設の災害査定が、19日から始まった。県では査定について、年度内の早い時期に終えたいとしており、本格復旧に向け準備が進んでいくことになる▼県内では台風19号の暴風雨により、24時間雨量が宮古市、岩泉町小本、普代村で400㍉を超えるなど、観測史上最大を記録。沿岸部を中心に甚大な被害が発生した。公共土木施設の被害は、県管理と市町村管理を合わせ9市9町4村で1011カ所(8日現在)、被害額は261億2900万円に上る▼災害査定は、先ず21日までに大船渡・千厩管内で6カ所を実施。今後については、被災個所の多さや職員の数が限られていることから、市町村側の調査に時間がかかることも想定されるため、県では12月中旬ころから県管理施設を中心に査定を進めていく考えだ▼複数の被災個所をまとめて申請するケースなどもあるため、個所を精査し、査定は出来る所から順次着手していく模様。工法や費用を決め早期復旧を図るためにも、作業の着実な進捗が求められるだろう。
●つむじ風 11月25日
 毎年、稲の作付前と収穫後に行われている、一関市厳美町の骨寺村荘園遺跡内の土水路の泥上げ。今年も展開され、県建設業協会一関支部や一関市水道工事業協同組合が、地元農家や一関市職員らと協力して作業した▼先日の作業では、大量の土砂などで覆われた側溝をきれいにするため、予定時間をオーバーして作業した個所も。長年の活動で、地元農家と業界が気心の知れた関係になって、こうしたことも出てくると思われる▼冬期間に施工が本格化する農村整備事業だが、幾度と発注を試みたものの不調が続く案件もあると聞く。施工条件などから参加業者がいないケースとともに、参加したいものの施工実績などで参加できないケースもあるようだ▼ほ場整備は、当該の格付を有する業者全てが対応できるわけではなく、実績の積み重ねが必要だが、地元業者が入札に参加しやすい仕組みづくりは必要に感じる。「地元農家のためなら多少施工条件が悪くても…」という場合もあるだろうし、農家にとっても面識のある人などのいる業者が施工する方が安心に違いない。
●つむじ風 11月22日
 県内業界3団体と県との意見交換会が今年度も実施されている。第1弾として県建設業協会が15日、週休2日制や災害対応などの諸課題について県当局と意見交換した▼業界側からの発言内容を聞くと、週休2日に対するポジティブな反応が多くなってきたような気がする。「数カ月スパンで週休2日相当を確保できる仕組みの検討」「支部と行政機関の連携による月1回のプラス1日休暇」など、具体的なアイデアも出されるようになった▼県の中平善伸技監は「週休2日で全てが解決するわけではない」とした上で「一番困難な課題だからこそ、議論の過程で出てきた課題を解決していくことができるのでは」と問題提起する。目的としての週休2日にとどまらず、業界課題を解決するための強力なツールにしようという呼び掛けかと思う▼自然災害が頻発する中、建協の向井田岳副会長の言葉を借りれば、「非常時が日常」となっている県内建設業界。課題解決が遅々として進まずに歯痒さを感じる場面も多いとは思うが、粘り強い議論は決して無駄にならないだろう。
●つむじ風 11月21日
 東北地方整備局三陸国道事務所の髙松昭浩所長による講演を取材する機会を得た。復興道路・復興支援道路の事業進捗状況や、台風19号災害への対応など、幅広い内容がテーマだった▼復興道路や復興支援道路、国道45号の話題の中で印象に残ったフレーズは、「ダブルネットワーク」だ。髙松所長は、宮古市内の国道45号宮古第3トンネルが台風19号に伴う土石流で通行止めとなった事例を踏まえ、「三陸沿岸道路『宮古田老道路』の一部区間は供用していたが、宮古~田老間は開通していなかった。今回の台風では、結果的にダブルネットワークになっていない所で、広域的な迂回を強いられた」と語った▼台風19号災害では、三陸地域の集落において孤立化が発生してしまった。生活を支える道路や各種インフラの代替機能が強く求められ、道路などの重要性が再確認されたことだろう▼ダブルネットワークは、県土の強靱化に結び付く考え方の一つ。地域ごとに災害に強いダブルネットワークを考え、人々のつながりを支える道を構築することが大切ではないか。
●つむじ風 11月20日
 国土交通省は、18年度のホイール・ボルト折損等による大型車(車両総重量8㌧以上のトラックまたは乗車定員30人以上のバス)の車輪脱落事故発生件数が81件と3年連続増を発表。ピーク時に迫る厳しい状況という▼事故が発生した車両の傾向として、左後輪に脱輪が集中。さらに、ホイール・ボルトやホイールのサビの除去が不十分のままタイヤ交換されているおそれがあることを確認。ホイール脱着時の不適切な取り扱いによる事故発生を指摘している▼大型車の車輪脱落を防ぐ四つのルールとして「おちない!」を挙げている。具体的には、「お」きまりのトルクできちんと締め付け。「ち」ゃんと増し締め交換後。「な」っと(ナット)見てボルト触ってさぁ出発!。「い」や待てよ?ボルトとナットは適正か?▼大型車の車輪脱落事故は積雪地域での発生が多く、東北の件数が最多。車輪脱着作業後1カ月以内の発生が6割強とも。11月に入り自家用車、社用車とも冬タイヤに交換した人が多いのではないだろうか。大型車に限らず「おちない!」を徹底したい。
●つむじ風 11月19日
 新たな中心市街地に市立博物館の整備を計画している陸前高田市。震災で全壊した「市立博物館」と「海と貝のミュージアム」を、災害復旧事業により、一つの建物で整備するもので、新築工事の入札は12月2日に行われる▼新博物館の規模は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上2階建てで、延べ床面積は2718・59平方㍍。館内には、常設展示室(床面積997平方㍍)や、企画展示室(同129平方㍍)をはじめ、収蔵庫、資料整理室、作業室、研修室などが設置される▼市内では、博物館など四つの文化施設で約56万点の資料を所蔵していたが、震災の津波により壊滅的な被害を受けた。以来、長期保管ができる状態にする「安定化処理」など、文化財レスキュー活動を展開。貴重な文化遺産を次代に残そうと、地道な取り組みが進められてきた▼新たな施設は、被災資料を通じ地域の自然、歴史、文化を国内外に広く発信する拠点となる。郷土の理解を促し、陸前高田のアイデンティティを継承していくためにも、着実な事業の推進が求められるだろう。
●つむじ風 11月18日
 各地で除雪出動式が開かれるなど、県内も降雪のシーズンに入ってきた。除雪業務の従事者には、天気予報を注視しながら、いつでも出動できるよう備えておく日々となるが、交通の確保や住民の生活、地域の経済活動を支えるため頑張ってほしく思う▼県の除雪業務については、公募により担当業者が選定されているが、今年度においても苦慮している地域が多くあるようだ。人員不足などにより作業を担当する距離を減らしたり、担うこと自体を辞退した業者も見られる。その分は、新たな他業者が担当するケースのほか、隣接する工区を担当する業者に振り分けるなどして対応するようだ▼人員不足に加えて、保有する除雪機器の老朽化も深刻なものとなってきている。地域住民らから寄せられる苦情も多いと聞くことからも、想像以上に担当業者にかかる負担は大きいものだろう▼担当業者の負担は相当なものだろうが、本県において除雪業務の持つ重要性は大きい。少しでも業者やオペレーターの負担を減らしていけるように、業界と行政との協議が望まれる。
●つむじ風 11月15日
 年末が近くなると、行政機関に対する業界団体の要望活動が盛んになる。次年度の予算や政策などに対して、建設業界の声を反映してもらうことが主な目的と思われる。団体の役員らが県や市町村などを訪問し、業界課題への適切な対応を呼び掛けている▼迎える顔ぶれは、首長などのトップからナンバーツー、部長、技監、課長級などさまざま。行政機関がどこまで意識しているか本音の部分は分からないが、対応者の顔ぶれは、それ自体が業界に対するメッセージとなる。私たち外野からすれば、実務担当者の方がより具体的に課題を把握できそうに思えるが、専門性の高さが逆に災いしてか、かみ合わない議論になることもあるようだ▼昨今のように災害が多発する状況においては、業界課題への対応は一つの部門だけで完結できるものではない。緊急時における現場の実務に一貫性を持たせるためにも、よりトップに近い立場から業界の声を聞くことが重要になるだろう。大局的な判断ができる人物の同席は、危機管理の観点からも無駄にはならないと思う。
●つむじ風 11月14日
 日本技術士会東北本部県支部(小野寺徳雄支部長)の秋季講演会で、日本地名研究所理事の太宰幸子さんが「地名から知る先人からの伝言」と題し講演した▼太宰さんによると、県内で多くの地名に使用されているのは、和語とアイヌ語。なので漢字だけで見ても本来の意味は分からない。例えば、釜石市の両石などは、アイヌ語の「リヤ(越年する)」と「ウシ(ある所)」であり、アイヌの人々が冬に越年するために訪れていたことが分かるのだという▼「地名は、庶民の暮らしの歴史を伝えている大きな財産」と太宰さん。文字は後世に付けられたため、音(おん)で本来の意味を紐解くと、地形や地質のほか、災害の危険個所も分かると説く▼「逆に安全であることを記す地名はあるか」との問いに、太宰さんは「ない」とキッパリ。急峻な地形に梅雨、秋の台風…。人々に恵みをもたらす河川だが、ひとたび牙をむいた時の猛威はすさまじい。いにしえから続く、人と川との関わり。災害の激甚化も見られる中で、国土強靱化に対する取り組みはまだ始まったばかりだ。
●つむじ風 11月13日
 全産業の中で、休業4日以上の死傷災害の2割以上を占める転倒災害。死傷災害を減少させるためには、転倒災害を防止するための取り組みが欠かせない▼花巻労働基準監督署は先日、管内労働災害防止連絡会議を開催。昨年度から会議の中で、出席者の投票により冬季転倒防止対策のキャッチフレーズを定めている。今年度は「転倒を 未然に防ぐ 注意力」が選ばれた。今後、キャッチフレーズを周知しながら、転倒災害防止の意識付けを図っていく▼同監督署は、転倒災害を未然に防ぐためには転倒に強い体づくりも必要との考えから、転倒予防体操として片足立ちと足踏み運動を奨励。県建設業協会花巻支部などとの安全パトロールの際に現場で実演し、朝礼時や午後の作業開始前の実践を呼び掛けた▼今週末から最低気温が氷点下となり、市街地でも降雪の可能性があると予想されている。冬本番を前に、現場や各企業で働く人の目線で転倒のおそれがある個所を再確認。危険マップの作成・周知による「見える化」も図りながら、転倒災害の防止に努めたい。
●つむじ風 11月12日
 大槌町中心部の津波防災に向け、県が大槌川と小鎚川の河口部で整備を進めていた水門は、2施設ともおおむね完成した。今後は、両水門の間に整備する防潮堤などの進捗を図り、来年3月には防護機能が発現する見込みとなっている▼震災前、大槌川では河川堤防を、小鎚川では水門を設置していたが、震災の津波で被災。河川施設は防潮堤が破堤し、施設全体が沈下するなど壊滅的な被害を受けた。このため、県では両河川の災害復旧事業として水門や防潮堤の整備を計画。2水門とも、13年度で仮排水路工事に着手し、14年度から本体工事を進めてきた▼大槌町では、大槌川水門の新設や小鎚川水門の再築、河川施設の復旧を前提とした、背後のまちづくりを進め、町中心部・町方地区の区画整理は17年度で完工。現在、市街地の活性化に向けた取り組みを展開している▼大槌湾からの津波に備える、水門・防潮堤などの構造物は、町中心部の復興と安全安心な暮らしを支える生命線となるだけに、防護機能の早期発現に向けた着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 11月11日
 ラグビーW杯、バレーボールW杯、WBSC世界野球プレミア12、卓球W杯団体戦など、この2、3カ月だけ見ても多くの世界規模のスポーツの大会が開催。日本チームの活躍とともに盛り上がり、プレーに魅せられて興味を持ち、やってみたいと感じている子どもたちも多いことだろう▼子どもの頃に、格好良さを感じ楽しさなどを経験することは、将来就きたいと思う職業に大きな影響を与え得る。格好良さや楽しさは、建設業にも多くある▼台風15、19号の被災地では、被災直後から復旧作業が進む。復旧作業の最前線で活躍している地元の建設業者だが、活躍する建設業者の姿は「あまり報じられることがない」との声も多く聞かれる▼災害時に最前線で復旧に当たる建設業の姿に、自衛隊や消防、警察などと同様に格好良さを感じる子どもたちが、どの程度いるかは未知数。大変さや危なさの方を、強く感じる子が多いのかもしれない。ただ、建設業の仕事の中身や魅力などを着実に伝えていくことが、「就きたい」と思ってもらえる一歩につながると思いたい。
●つむじ風 11月8日
 大規模な自然災害などが発生した際、応急復旧や道路啓開など最前線で対応するのは地域の建設企業。ただし、その貢献に対する世間の認知度は決して高いとは言えない。東日本大震災から1年後に日経コンストラクションが行ったアンケートの結果を覚えている関係者も多いだろう▼県土整備部では、台風19号災害に対する「災害対策本部員会議」に、県建設業協会による災害対応の状況を報告している。知事や副知事をはじめとする県政トップが参加する会議において地域建設業の最前線での取り組みが情報共有され、会議資料として記録されていることは意義深いと思う▼これを一般の認知につなげていくために何をすべきか。黙ったままでは誰も気付かないが、わざとらしいPRは鼻に付く。第三者による情報発信が理想ではあるものの、仕掛けや手法の側面から議論していくことは果たして正解と言えるのか▼第三者の内発的な情報発信を促せるよう、建設業界に対する共感を高めることが必要。一人ひとりの日常からの振る舞いに勝るものは無いかもしれない。
●つむじ風 11月7日
 東北地方整備局三陸国道事務所が整備を進めている三陸沿岸道路。久慈市内の野田久慈道路においては、市街地での工事の本格化に伴い国道45号の通行切り替えが行われるなど、現場は最盛期といった様子だ。地域の住民らも整備の進捗状況に注目していることだろう▼先ごろの台風19号の被害などを踏まえ、道路の強靱化や代替機能の重要性を再認識した。宮古市内の国道45号のトンネルや普代村内の一部区間では、土砂流入により一時的に寸断された例もある。宮古―岩泉間では大幅な迂回が必要とされたことから、当たり前に存在する道の大切さを感じた人も多いのではないか。国道45号には、台風による被害の爪痕が各所に残っている。登坂車線の一部などが崩落している所もあり、現在は応急的な処置が施されている▼20年度内の開通見通しが公表されている三陸沿岸道路。道路利用者の一人として、県土を縦に結ぶ三陸沿岸道路、国道45号の役割の大きさを実感する。地域の振興・発展に資するとともに、広域的な防災の連携軸としての活躍へ、期待も大きい。
●つむじ風 11月6日
 自家用車、社用車、重機など県内の建設産業にとって車両は欠かせない。通勤、勤務時に、企業名が入った車両とすれ違うことが多い。その運転は千差万別だ▼国土交通省や環境省などで構成するエコドライブ普及連絡会は、11月をエコドライブ推進月間と位置付けている。「エコドライブ10のすすめ」として▽ふんわりアクセル「eスタート」▽車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転▽減速時は早めにアクセルを離そう│などを挙げている▼同連絡会が後援し「エコドライブ活動コンクール」も実施。運輸業からの応募が多く、受賞企業の取り組み事例を見るとエコドライブ活動の取り組み・成果を全社員で共有しているほか、社内エコドライブコンテストを実施。通勤時のエコドライブ教育を毎月実践している企業も▼猛スピードでの追い越し、急な車線変更、車間距離を詰めての走行など。建設産業に関わらず企業名が入った車両でも見られる。「エコドライブ10のすすめ」を実践すれば、それらの行為が防げるのではないか。通勤時の運転でも実践したい。
●つむじ風 11月5日
 10月から11月初めにかけては、中学校や高校、大学の学園祭シーズン。各校とも特色ある内容となっているようで、催し自体を楽しむとともに学校や生徒の雰囲気などを感じられる機会になる▼先日、工業高校の学園祭に出かける機会を持った。授業で取り組んだ図面や製作物、校内に備えている設備や機器などを興味深く見て回った。学業で培った技術力を生かして製作され販売された物品には完売の物も多く、技術力を生かしたゲームなどのイベントを、老若男女問わず来校者は楽しんでいる様子だった▼学園祭には、小中学生ら子どもたちも多く訪れ、学校を広く周知する場にもなってくるものだろう。工業高校や工学部がある大学など実業系学校の学園祭は、特にも学校のカラーが表れやすいようにも感じる▼学園祭を訪れた子どもたちには、ものづくりへ魅力や機械を操作する生徒に格好良さなどを感じた子も多いことだろう。工業系の高校や大学への進学は、建設業の担い手確保の一歩になり得る。各校には魅力を広くPRして生徒確保につなげてほしく思う。
●つむじ風 11月1日
 12月1日から来年1月31日の2カ月間、「いわて年末年始無災害運動」が実施される。今年のスローガンは「あなたの安全家族の願い、年末年始も無災害」。期間中は、各労働基準監督署と地域の労災防止団体が連携して安全パトロールなどを行い、冬季特有災害防止の徹底を呼び掛ける▼各事業場においては、転倒災害、交通労働災害、墜落・転落災害、一酸化炭素中毒など冬季特有災害の防止、リスクアセスメントや危険の見える化の実施などに取り組むことが求められている。特にも本県のような積雪寒冷地では転倒災害が年間の労災発生件数全体に影響することから、重点的な対策が必要だ▼県内の今年1~9月の労働災害を事故の型別で分類すると、転倒災害が最多で、全体の3割弱を占める。今年は暖冬・少雪であったことから1~3月の転倒災害は少なかったはずであり、年間を通して転倒災害が多発していることが分かる▼11月は無災害運動の準備期間。転倒災害をはじめとする冬季特有災害のリスクを先取りして、万全の対策を講じる期間としたい。
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