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2020年
11月28日(土)
01:24

コラム集

●つむじ風 11月27日
 釜石市は第六次総合計画の策定に当たり、市民からの提言を受けることを目的に「かまいし未来づくり委員会」を設置。昨年12月に初会合を開き、以降10回にわたって提言内容の議論を重ね、先ごろ開かれた11回目の委員会で市に対する提言書を提出した▼提言書の提出時に取材で顔を出しただけでも、熱量の高い集まりだったことが読み取れた。行政当局が全てお膳立てをした上で、アリバイ的に「市民からの意見も頂戴しておりますので…」のパターンとは異なり、委員同士、あるいは委員と市当局がしっかりと議論を重ねた成果が取りまとまったと思われる▼「市民一人ひとりが当事者意識を持ち行動する」「多様性を尊重し受け入れる環境づくり」「震災復興の10年の経験や精神を受け継ぎ次世代に生かす」などの思想も見て取れる。青木健一委員長は、総合計画を検証する機会を設けるなど、提言書の提出をゴールとせず、今後も主体的に関わっていくことを委員らに呼び掛けた。「後はお任せ」ではない、市民が当事者意識を持ったまちづくりが期待される。
●つむじ風 11月26日
 宮古市・岩泉町間の大きな地域課題の一つが解消される。県が東日本大震災後に整備を進めてきた一般国道340号押角峠工区(同市和井内~同町大川)は、12月13日午後3時に待望の開通を迎える。開通に先立ち、同日午前11時から押角トンネルの坑口前で式典が催される予定だ▼同工区の全体延長は3700㍍で、うち押角トンネルが3094㍍を占める。総事業費として約116億円が投じられた▼開通後の整備効果としては、トンネル化などが図られたことで所要時間を約14分短縮でき、幅員狭小区間などを解消。22カ所あるS字カーブや、雪崩等危険個所24カ所の全てを解消できる▼国道340号宮古岩泉間整備促進期成同盟会は今月初めに、未改良区間の早期事業化などを県側に要望した。副会長を務める中居健一岩泉町長は「道路整備は、少子高齢化が進む中、地域活性化の観点からも喫緊の課題。岩泉側も事業化のめどを付けてほしい」と強く訴えていたのが印象深い。今回の開通を一つの契機として、路線全体のさらなる整備促進につなげたい。
●つむじ風 11月25日
 厚生労働省は、高齢・障害・求職者雇用支援機構と共催で、高年齢者活躍企業コンテストを実施する。これまで、高齢者雇用開発コンテストだったが、来年の法改正に伴い70歳までの就業機会の確保が努力化されたことから名称変更となった▼昨年度のコンテストで、東北から仙台市内の左官工事業を営む会社が、優秀賞に選ばれた。従業員39人(18年4月現在)のうち、60歳以上は9人(約23%)。定年は70歳で、就業規則等により一定条件のもと75歳まで再雇用。当時の最高年齢者は73歳▼同社は、高齢従業員の意見を聞きながら、作業内容ごとに標準的な技能と作業工程で発生するリスクをまとめた「作業手順書」を作成。「見て覚えろ」「技を盗め」など旧態依然とした指導から、作業手順書を活用し、作業の質と安全性を保つために大いに役立っているという▼左官業に限らず、技術力の伝承は業界全体の課題。誰もがかつて新人であり、また必ず老いはやってくる。高齢者と若手が、ともに足りない部分を補い合いながら、働き続けられる職場づくりが求められている。
●つむじ風 11月24日
 県内各地で、除雪出動式が開催される時期となっている。各地で神事などで無事故での作業を祈念するとともに、除雪機械を出動させ間近となった冬期シーズンに向け、気を引き締めている様子だった▼取材した管内では、先週の段階で除雪作業の出動はまだないと聞いたが、降雪や路面の凍結などにいつ見舞われてもおかしくない時期となってきた。いつの出動にも対応できるよう、各地区のオペレーターらは備えていることと思う▼近年の除雪出動式では、功労者への表彰が催されるようにもなった。20年や30年以上にわたって除雪業務に従事する功労者も多いようで、「今後も、地域のために安全に作業を行っていく」との力強い決意には、頭が下がる思いがする▼出動式に際しては、地元の子どもたちが見送りに訪れたり、除雪機械に触れるような催しを開く地区も見受けられる。建設業者が未明から除雪業務に当たることで、安全、安心な道路の利用、地域の生活や経済活動を支える役割を担っていることが、子どもたちなど広く県民に浸透していけばと思う。
●つむじ風 11月20日
 県電業協会は今年、創立50周年を迎えた。先ごろ開かれた記念式典には約100人の関係者が集い、半世紀の歩みを振り返りながら、一層の魅力ある業界づくりを誓った▼同協会は長きにわたり、技術者・技能者の処遇改善と地位向上に取り組んできた。前会長の工藤泰氏は全国に向けて、若手技能者育成の重要性や電工労務単価の引き上げなどを発信。16年度には日本電設工業協会の「三輪・富井賞」を受賞するなど、その功績は広く知られている▼08年度からは県電気工事業工業組合との共同事業として工業高校などに実習用資材を寄贈し、若年技術者・技能者の育成に成果を上げている。近年は働き方改革への取り組みも強化しており、今年の2月と6月には協会員を対象とした一斉休日を実施。休日確保に向けた取り組みが着実に進んでいる▼松橋武志会長は「県内建設業界全体が共通認識を持って、行動を共にしていく必要がある」と呼び掛ける。他産業との人材確保競争が激化する中、業界全体の問題として働き方改革と担い手確保を進めていく必要がある。
●つむじ風 11月19日
 遠野市と盛岡市を結ぶ延長約59㌔の国道396号。県沿岸南部地域と県都・盛岡市を結ぶ重要な路線となっている。昨年12月には宮古盛岡横断道路の都南川目道路(延長6㌔)が全線開通し、同路線と接続している▼一般県道大ケ生徳田線では、徳田橋の架け替え工事が進行中。新橋が完成すれば、国道396号から岩手医科大学附属病院のある矢幅駅東側の市街地への接続が容易になる。国道396号の交通量は、一日当たり盛岡市内で約1万8700台で、大型車の通行も多い。徳田橋完成後の自動車交通量は増えこそすれ、減ることはないだろう▼ただ同路線内には、手代森地区(盛岡市)や外川目落合地区(花巻市)など歩道の未設置区間がある。また内楽木峠(遠野市)のように、線形不良区間の早期解消が望まれている個所もある▼三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路など、県内では新たな大動脈の整備が着々と進められているが、その効果を県内全域に行き渡らせるためには、それにつながる道路の整備が重要になる。整備が必要な個所はまだまだ多い。
●つむじ風 11月18日
 本格的な降雪期を前に、県内各地で除雪作業の安全に向けた除雪安全祈願祭が開かれている。昨年12月から今年2月の降雪量が記録的に少なかったため、「昨シーズンより多いのでは」との声が聞こえてきた▼16日には、県南広域振興局土木部花巻土木センターと同北上土木センター、花巻市の3カ所で安全祈願祭が開かれた。除雪作業は住民生活や地域の産業・経済を支えるために必要不可欠であり、道路管理者からは「健康に留意し、安全第一で作業してほしい」と出席者に呼び掛けた▼今シーズンは、「新型コロナウイルス」がキーワードとして挙げられるだろう。日常生活ばかりでなく、除雪作業時にも感染症対策の基本となる▽手洗い▽マスクの着用を含む咳エチケット▽三密の回避│が徹底できるかがポイントとなっている▼コロナ禍の中、約4カ月にわたる除雪シーズンが始まった。現場では手探りでの感染症対策が予想されるが、まずは基本を徹底。室内の換気や湿度の調節などにも気を配り、無事故・無災害で今シーズンを乗り切り、春を迎えたい。
●つむじ風 11月17日
 震災の仮設店舗として役割を終えた、福幸きらり商店街跡地の利活用について検討を進める大槌町。先週は同跡地利活用事業検討委員会の初会合を開催し、基本構想の策定に向けた協議に着手した▼商店街跡地は、三陸沿岸道路の大槌インターチェンジから中心市街地にアクセスする主要道に面し、大槌学園(小中一貫校)や大槌高校、大型商業施設にも近接。周辺には震災後、新たな住宅地も整備されており、今後のまちの活性化に大きな役割を果たすと考えられている▼初会合では、委員から「三陸沿岸道路から大槌へ人を降ろすために何をするか、ということを重視すべき」、「町民が週末を町内で過ごし、お金を落とすという習慣が既に無くなってきている状態を、打破していく視点も必要」など、幅広い意見が出ていた▼町では、跡地の利活用案について町民からもアイデアを、12月10日から来年1月29日までの期間で募集する予定にしている。町内のさまざまな意見を参考に、大槌全体へ新たなにぎわいを波及させるような構想をまとめてほしいと思う。
●つむじ風 11月16日
 娘の通う保育園の遠足で、盛岡市動物公園を訪れた。寒い中だったが、園児たちは大はしゃぎで楽しんだ様子。一方で、別の動物園へ移動を予定している動物や、すでに移動し空っぽになった飼育舎もあり、移動する動物への感謝の言葉で埋め尽くされた寄せ書きも目立つ。園児たちは心なしか寂しげに見えた▼園内の至る所には、12月から22年春までの長期休園を知らせる掲示も。同園では、動物や風景を楽しみながら滞在できる動物公園の実現に向けて、園路整備や樹木伐採など土木関係の工事、加えて老朽化が著しい上水道の更新工事が進められる計画だ▼動物園を訪れた当日は、親子連れだけでなく、大人同士の来園者も多く見られた。来シーズンのリニューアル工事による閉園となる前にとの思いで、訪れる来園者も多かったと思われる▼1989年にオープンして以来、30年余にわたって、多くの県民らに愛されてきた盛岡市動物公園。再生事業で、さらに魅力あふれる施設にリニューアルして、より多くの家族連れなどが足を運ぶ施設となることが期待される。
●つむじ風 11月13日
 県土整備部では、建設現場における週休2日の拡大に向けて、発注者指定型の導入を検討している。これまでは災害復旧事業などを除く原則全ての工事を対象に受注者希望型で実施してきたが、今後は発注者側から取り組みを促していく場面も出てくるようだ▼週休2日への取り組みが進まない主な理由として、工期設定の短さを挙げる声が多い。「発注者や元請けの理解が必要」という声がある一方で、「協力会社のスケジュール上、やむを得ず土曜日に現場を動かすこともある」といった意見もある▼どこか1カ所に手を付ければ、週休2日が実現するという特効薬は無い。ありきたりの極みだが、受注者と発注者、元請けと下請けがそれぞれ十分に連携して取り組んでいくしかないのだろう▼工事成績への加点などのインセンティブ付与、間接経費の補正、将来の担い手確保への意識付けなどが行われているが、企業にとっては「週休2日に取り組んだ現場は生産性が高い」が一番のメリット。発注者指定型への取り組みが、岩手モデルづくりにつながることを期待する。
●つむじ風 11月12日
 県建設資材連合会の研修会で、県土整備部の中平善伸部長が講演した。演題は「コロナ禍と令和2年7月豪雨災害から岩手の県土強靱化を考える」。豪雨・洪水への備えや国土強靱化の必要性などを実感させられる内容だった▼7月豪雨では、熊本県の球磨川で甚大な洪水被害が発生した。7月豪雨では昭和40年代、50年代の洪水を上回る雨量となり、大規模な浸水被害が発生。球磨川の洪水により、特別養護老人ホームの千寿園では人的被害が発生した▼本県でも16年台風10号により、高齢者施設で人的被害が発生した。中平部長は「4年前の小本川の水害を教訓に、県と岩泉町がハード・ソフト対策を実施していることが報道されない。水害の教訓や建設業界の取り組みを情報発信しなければならない」と決意を示した▼国では近年の水害を踏まえ、あらゆる関係者が流域全体で治水対策に取り組むという「流域治水」への転換を掲げる。小本川での流域治水は、県内の先行事例だ。災害の教訓の発信や情報共有の在り方は、強靱化や流域治水の重要なテーマとなる。
●つむじ風 11月11日
 国土交通省は、大型車のホイール・ボルト折損などによる車輪脱落事故が増加している状況を踏まえ、今月1日から「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施中。期間は来年2月28日までとなっている▼昨年度の大型車の車輪脱落事故の発生状況を見ると、▽発生件数は前年比31件増の112件▽冬期(10~2月)に多く発生▽特に東北地方で多く発生▽車輪脱着後1カ月以内に多く発生▽タイヤ交換作業が集中する11月に交換した車両の事故が多い▽車輪脱落個所は左後輪に集中―などの特徴が見られるという▼キャンペーン期間中は、ホイール・ナットの緩みの総点検やタイヤ交換時の作業管理表を使用した正しいタイヤ交換作業などの実施を求めている。さらに、ホイールやホイールボルト、ナットのさびにも注意したい▼天気予報に雪マークが出てきた。社用車や自家用車のタイヤ交換の時期でもある。大型車に限らず、タイヤを締め付け後は初期なじみによりホイールナットの締め付け力が低下するという。50~100㌔走行後を目安に増し締めしたい。
●つむじ風 11月10日
 陸前高田市では、高田地区土地区画整理事業の高台エリアを結ぶ高田北幹線が、残区間の整備を終え、先月末に全線供用を開始した▼今回の開通で、現在整備が進む市道高田米崎間道路の西端から、三陸沿岸道路・陸前高田インターチェンジ前の交差点までが一本化。沿線には震災以降、県立高田病院や保健福祉総合センター、高田小学校、高田保育所、住宅地が完成。さらに市消防防災センターなどが整備された津波復興拠点エリアや、仮市役所もあるため、利便性の高い重要路線として活用されることになる▼車で走ってみると高台エリアをスムーズに行き来でき、高田保育所周辺では、海側からの避難ルートとなる「シンボルロード」とも交差。交差部分からは、眼下に建設が進む新市庁舎も見える。庁舎完成後はアクセスルートとしても機能するだろう▼高田米崎間道路が完成すれば、震災の津波浸水エリアを通らずに、アップルロードまで山側を移動することが可能となる。市の復興と、安全安心な暮らしを支えるためにも、高田米崎間の着実な整備が求められる。
●つむじ風 11月7日
 例年10月に開かれていた一関市の住宅祭が、今年は住宅フェスタとして、オンラインで開催された。特設サイトに同市内の関連企業や団体が出展し、さまざまな住宅技術、新型コロナウイルス感染症や近年多発する自然災害に対応した住まいづくりなどを提唱。オンラインで住宅に関する各種相談を受け付け、住宅の基本講座も配信した▼一関市の住宅祭は昨年、台風19号による悪天候が予想されたことから、開催直前に中止することとなった。今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催できるか不透明な状況下、「2年連続での中止は避けたい」との強い思いから、早い段階でオンラインでの開催を決定したと聞く▼初めての試みで、運営する側は手探り状態のような部分もあったと推察されるが、今回の取り組みにより来年度は、従来の会場開催の形に戻すことや、会場とオンラインの二つ手段で開催するなど、さまざまなパターンでの事業展開に向け可能性が広がる。寄せられたアンケートなども参考にして、より良い住宅イベントになっていってほしい。
●つむじ風 11月6日
 10月下旬に仙台市で開かれた東北建設業協会ブロック会議で、被災地特例の継続が議題に上がった。業界側からは復興完遂に向けて「復興歩掛り」「復興係数」「労務単価の引き上げ」「見積活用方式」などの継続実施、前払金を5割とする被災地特例制度の継続運用を要請した▼国土交通省の担当者は復興歩掛りと復興係数に関して、東日本大震災や台風19号災害の復旧・復興の進捗を踏まえた上で、総合的に判断する考えを提示。前払金の特例について「要望内容や実態を踏まえ、今後検討していく」と回答した▼20年度で第1期復興・創生期間が終了し、本県でも多くの復興事業が完了する。業界内から「復興係数のおかげで助かっている」との声が聞かれるように、各種特例制度も終了するとなれば、量と質の両面から苦境に立たされる企業が出てくることも懸念される▼ある程度の激変緩和措置も望まれるところだが、円滑な施工確保に必要な制度であれば「特例」にこだわることなく、実態に即した一般の制度として継続してもよいのではないだろうか。
●つむじ風 11月5日
 昨年は記録的な暖冬のため、道路に雪のない冬を過ごしたが、気象庁の長期予報によると今冬は気温・降雪量ともに平年並みらしい。山間部では雪がちらほらと舞い始め、厳しい冬がすぐそこまで迫っている▼宮古-盛岡間で最大の難所・区界峠を解消する宮古盛岡横断道路区界道路が、12日5日に開通する。延長8・0㌔のうち、大部分がトンネル区間。同区間が完成すれば、現道の急カーブ21カ所、急勾配7カ所全てが解消される▼現在、宮古市から岩手医大附属病院(矢巾町)までの走行時間は113分となっているが、同道路が完成すれば8分短縮する予定。何より、冬期間の交通の安全度が向上されることが大きい。物流面や観光面など、さまざまな効果が期待される▼さらに整備中の区間が開通すれば、走行時間はいよいよ90分を切りそうだ。宮古と盛岡の都市拠点だけでなく、縦軸の高速道路2本を結ぶ宮古盛岡横断道路。ただ閉伊川沿いの山間部を通るだけに、災害にはぜい弱な部分もある。事業区間の早期完成とともに、直轄管理区間への編入が望まれる。
●つむじ風 11月4日
 先週、花巻市内で開催された「いわての地域づくり・道づくりを考える大会」(県道路整備促進期成同盟会の主催)では、県内の産業・観光業の担い手を代表し、3人が意見を発表。地域振興を支える道路の重要性について思いを語った▼このうち、「イカ王子」こと共和水産㈱(宮古市)の鈴木良太代表取締役専務は、「道路で距離は縮まった」とする一方で、「沿岸と内陸には認知ギャップがある」と指摘。「内陸の方々は、沿岸部にとても遠いイメージを持っているように感じる」と語り、地元の発展につなげるためにも整備された道路を活用し、「積極的に内陸にアピールしていかなくてはならない」と説いた▼このほか、道の駅「はなまき西南」の安藤功一駅長は、近隣に整備予定のスマートインターチェンジに対し、「交通網が整うことで道路利用者に道の駅へ訪れてもらい、さらに施設を活性化させていきたい」と期待を述べていた。地域間の結び付きや地元経済を盛り上げ、地方創生を支えるためにも、道路ネットワークの構築を推し進めていく必要があるだろう。
●つむじ風 11月2日
 先月は、高校生のインターンシップや工事現場の見学会、業界関係者による高校での出前授業など、高校生が建設業について学ぶ取材に多く出向いた。多くの生徒が真剣に耳を傾けて話を聞き、興味深げに現場を見学している様子だった▼高校生に説明する建設業者の技術者や経営者らが、建設業の魅力を懸命に伝えようとしていたのも印象的だった。インターンシップや現場見学などを通して、建設業を進路の選択肢として考え、実際に建設業に就く生徒が一人でも多くなっていくことが何よりも願われる▼現代の生徒は、休日をどの程度確保できるか重視する傾向があるとされる。とある講演の場で、「休みって、やっぱり重要?」と生徒に問いかける場面があった。首を縦に振る生徒が多く、講演した業界関係者は、改めて生徒が休日を重要視しているのを実感した様子だった▼完全週休2日制に取り組む建設企業も増えてきている。取り入れたものの課題は多く、手探り状態とも聞く。担い手確保などに向け必要な事項で、良い事例が出てくることが期待される。
●つむじ風 10月30日
 全国建設業協会の奥村太加典会長は、不調・不落の原因が建設業における施工余力不足とされる点を否定。予定価格と実勢価格との乖離が主な要因であると指摘した。財政制度等審議会財政制度分科会歳出改革部会が示した今後の社会資本整備の基本的方向性の中で、公共投資予算の量的拡大の抑制根拠の一つに「建設労働需給のひっ迫」を上げたことに異論を唱えた▼労働需給が「ひっ迫」しているか否かは別として、技術者・技能者の確保は建設業における最重要課題の一つ。人手に余裕がなければ、条件が見合わない工事はますます敬遠される。当然のように、何度も入札不調を繰り返す工事も出てくる▼06~07年の入札制度改革の華やかなりし頃、本県は改革のトップランナーだった。ある人が条件付一般競争入札の拡大に関して「誰がやっても同じ」という趣旨の話をしていた。自分の発言が「誰も手を挙げなくても文句は言いません」と同義であることに気付いていなかったのだろう。税金を使った社会資本整備の場合、そう言われても困ってしまうのだが。
●つむじ風 10月29日
 県が21年度の事業化を目指している二級河川久慈川水系小屋畑川(久慈市)の広域河川改修事業。19年台風19号の洪水被害を踏まえ、流下能力が不足している区間の改修や、河道の付け替えなどを計画している▼台風19号の洪水被害を受けた同市長内地区は、これまでも度々、浸水被害を受けている。台風19号災害では、床上浸水123戸・床下浸水110戸の甚大な被害が発生。小屋畑川沿いの長内保育園なども浸水被害を受けた。16年台風10号の浸水個所と重なっているエリアもあり、地域からは早期の河川改修の要望が寄せられている▼小屋畑川は道路や住宅に挟まれ、拡幅が難しい。県は対策を比較検討し、上流側からの河道付け替え案を選定した。事業の計画延長は2250㍍。事業内容としては、河道付け替え950㍍や河道掘削5万立方㍍、橋梁工4橋、樋門1基を想定している。26年度までの6カ年で治水対策を講じる計画だ▼近年、地域ごとの治水対策が重要性を増していることを肌で感じる。中小河川の強靱化へ、着実な整備が期待されている。
●つむじ風 10月28日
 岩手労働局と岩手労働災害防止団体連絡協議会は、「あなたの安全家族の願い 年末年始も無災害」をスローガンに、12月から「いわて年末年始無災害運動」を展開する。11月をその準備期間と位置付けている▼県内建設業の休業4日以上の死傷者数は、1991~95年まで500人台で推移し、その後2010年まで長期的に減少傾向を示す。2010年の196人を底に、東日本大震災後は13年に300人を超え、以後は200人台。17年以降は減少傾向となっている▼昨年の本県全産業における労働災害で、年齢別を見ると50~59歳は24・4%、60~69歳は24・5%、70歳以上は6・2%。50歳以上が半数を占めている。事故の型では転倒災害の占める割合が高く、昨年の建設業では256人の死傷者のうち墜落・転落に次いで、転倒が32人で12・5%▼県内全産業では、転倒災害の約6割が12月から1月にかけて発生しているという。準備期間から意識付けし、現場や職場の敷地内で転倒しそうな場所を確認。労使一体となって転倒災害の防止に取り組みたい。
●つむじ風 10月27日
 陸前高田市が中心市街地に再建整備している市立博物館は、建設が進み、だいぶ外観が見えてきた。施設は年度内の完成に向け、工事の進捗が図られていく▼博物館の規模は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造2階建てで、延べ床面積は約2800平方㍍。館内には常設展示室や企画展示室、収蔵庫、作業室などが設置されるほか、屋上の展望デッキからは、高田松原の景色を望むこともできる。市内の自然・歴史・文化を発信する役割りに期待が寄せられる▼同じく中心市街地北側、旧高田小学校跡地のかさ上げ地に再建を進めている市役所庁舎も、庁舎棟(規模は、鉄筋コンクリート造地上7階建てで、延べ床面積は約5919平方㍍)の形が分かるようになってきた。工期は21年3月まで。利便性の高い市の行政拠点として、本設整備に拍車が掛かる▼同市が手掛ける公共施設で、復興整備の総仕上げとも言える両施設。供用開始後は、市中心部に新たな人の流れを生み出すものになるはず。今後のまちの発展を支える要として、着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 10月26日
 平泉町伽羅楽地内に建設が進む平泉の文化遺産ガイダンス施設(仮称)の施工現場を訪れる機会に恵まれた。取材を通して建築と設備それぞれの施工について話を聞き、重要な文化財を展示、収蔵・保存する施設だけあって、防火面や空調などさまざま配慮されている施設と実感した▼施工面でも、さまざまな配慮を講じている。通常の安全や品質面などに加え、多くの作業員の出入りがあるため新型コロナウイルス感染症対策も入念に実施。各作業員の健康面のチェックを日々細かく行い記録している▼町内のさまざまな構造物は景観に配慮したものとなっているが、ガイダンス施設の現場においては、長期間建物を構えるため、仮設の現場事務所も景観に配慮したものとなっている。苦労もありながら、工夫を凝らして作業に当たっていると思われる▼来年6月、平泉の文化遺産が世界遺産に登録され10年の節目を迎える。ガイダンス施設に関しては、来秋以降の開館を現段階で予定している。10年の節目に花を添えるべく、順調に施工が進捗していくことが願われる。
●つむじ風 10月23日
 こちらが思っている以上に、教育現場では卒業後の生徒の状況を気に掛けているようだ。先ごろ開かれた「若年者入職促進懇談会」で、県建設業協会役員と県内工業高校の担当教員らが意見交換。例年以上に学校側からの要望が多かったように感じられ、就職後の人材育成に対する学校側の関心が高さがうかがえた▼学校側からは「学校の設備では建設ICTに対応できない。業界からの支援を受けながら、教員自身も勉強したい」「入社から3年間は、新入社員教育をしてほしい」などの声が上がったほか、「就職説明に来た卒業生の様子を見ると、社員教育をしっかり受けていることが分かり、会社の姿勢が伝わる」などの感想も聞かれた▼教員の一人は、「離職させないための進路指導に悩んでいる」と率直な思いを吐露した上で「業界側からのアドバイスをいただきながら模索していきたい」と呼び掛けていた。地域に根差し、日頃から社会に目を配っている地元企業であれば、学校との連携を強化しながら人材の確保と育成につなげることができるのではないか。
●つむじ風 10月22日
 北緯39度に並ぶ盛岡市、宮古市、秋田市。緯度1分は約1・85㌔だから、秋田と盛岡はほぼ同緯度に位置する▼人口(2015年)は秋田市が約31万5800人で最も多く、盛岡市が約29万7600人、宮古市が約5万6700人。30年後の2045年には秋田市が約22万5900人、盛岡市が約24万3700人、宮古市が約3万3700人と推計される▼今後、急激に人口が減少していく中、県の枠を超えて交流人口の拡大を図っていく他ない。宮古と盛岡を結ぶ宮古盛岡横断道路は、区界道路や平津戸松草道路などが年度内にも開通。また宮古箱石道路の田鎖蟇目道路が新規事業化された。内陸と沿岸部の交流の活発化につながるものと期待は大きい▼一方、秋田と盛岡の両県都を結ぶ国道46号・13号。秋田と本県を直結する東北横断道はあるが、国道46号と13号の沿線には田沢湖や角館など北東北を代表する観光拠点が点在する。両路線の整備を促進することは、交流人口の拡大のみならず、物流の効率化や災害時の安全・緊急輸送など大きな効果を生み出すはずだ。
●つむじ風 10月21日
 東日本大震災の発災から10年を迎えようとしている。復興庁は16日、「東日本大震災発災10年ポータルサイト~あれから10年。東北の今と、未来~」を開設した▼サイトは、東北の今、東北の魅力、教訓を学ぶ、メッセージ│で構成。被災地の復興状況や東北の魅力、震災の記憶と教訓などを写真や映像を活用して、分かりやすく情報発信していく方向。今後、11月上旬にフォトコンテスト募集を開始し、来年3月上旬にはオンラインシンポジウムの公開を予定▼教訓を学ぶでは、3・11伝承ロードのほか、本県の東日本大震災津波伝承館「いわてTSUNAMIメモリアル」、宮城県名取市の震災の記録と教訓、福島の原子力災害の事実と教訓が学べるように外部サイトとそれぞれリンク。分かりやすく伝えるように努めている▼「ポータル」とは、門や入り口を表し、特に大きな建物の門に使われた言葉という。今後、「数字で見る復興」「写真で見る復興」などの各種コンテンツも順次公開予定。さらにコンテンツを充実させながら、玄関口としての役割を果たしてほしい。
●つむじ風 10月20日
 高田松原津波復興祈念公園では高田松原運動公園の完成記念事業として18日、第一野球場でスポーツイベントが開かれ、多くの市民でにぎわった。元プロ野球選手による野球教室や、陸前高田市選抜チームとの親善試合が企画され、球場からは声援や笑い声が聞こえていた▼震災津波伝承館や、道の駅「高田松原」にも、県内外から家族連れなどが大勢訪れていた。駐車場にはバイカーの集団も見られ、ツーリングのコースになっている様子。来訪者は周辺を散策しながら、秋晴れの高田松原を過ごしていた▼祈念公園内にある五つの震災遺構のうち、タピック45と気仙中学校については、内部公開を前提に保存整備を推進中。現在、建物はシートで囲まれ、必要な改修工事が進められている▼改修工事では見学ルートの整備(立入防止柵、説明サイン、がれき撤去)や、コンクリートの劣化防止処理などが施される計画で、来年度の供用開始を目指す。震災の教訓の伝承はもちろん、市民の憩いの場として、さまざまなことを感じ、体験できる祈念公園になればと思う。
●つむじ風 10月19日
 県内各地のほ場を見渡すと、だいぶ稲刈りが進んだ様子。稲刈りが済むと、区画整理を計画するほ場にブルドーザーやバックホウなどの重機が入り、整地工に利用する土でいっぱいになる光景が多く見られるようになる▼稲刈り後に現場へ入り、冬期間が作業のメーンとなるほ場整備。建設業にとって、雪交じりの土に覆われたほ場をブルドーザーが走る姿は風物詩のようなもの。ただ、昨シーズンは雪が極端に少なく、例年取材しているとあるパトロールでも「このパトロールで、雪がない状態のほ場整備を見たのは初めて」と参加者が話していたのが、強く印象に残っている▼今シーズンの冬工事は、どんな気候の中で作業をすることになるか。作業のしやすい気象で推移することが望まれるものの、平年をあまりに逸脱した気象は、さまざまな弊害も生む▼業界団体において、冬季特有災害も念頭に置いたパトロールが行われ始めている。今シーズンは、コロナ対策も現場管理において重要視しなければならず、来るべきシーズンに向け備えを怠らずにしておきたい。
●つむじ風 10月16日
 県盛岡広域振興局土木部は9月18~22日の5日間、一般県道本宮長田町線の旭橋をライトアップする社会実験を行った。通行人ら100人を対象としたアンケートの結果、約7割が「満足した」「やや満足した」と回答した▼満足の理由として挙がった主な答えは「きれいだった」「明るい雰囲気になった」というもの。「やや満足しなかった」「満足しなかった」の回答では、明るさなどの改善を求める声が多かったようだ▼この社会実験は土木施設をアピールするとともに、コロナ禍において街を照らして明るい雰囲気を演出することで、県民に楽しんでもらうことを目指して実施したもの。ライトアップがおおむね好評だったことから、土木部では今後、実施時期や手法なども含めて検討していく考え▼第1期復興・創生期間が間もなく終了し、沿岸部における大規模インフラの多くが完成する。これら社会資本を身近に感じてもらうことが、今後さらに重要になると思われる。イベントへの活用やインフラツーリズムなど、土木施設を地域の活力につなげてほしい。
●つむじ風 10月15日
 県北広域振興局農政部二戸農林振興センター農村整備室が進める農業農村整備事業。畑地かんがい施設の整備など、事業が中盤から終盤を迎えている地区もある▼二戸管内では、りんごなどの果樹やレタス・キャベツといった野菜の栽培が盛んだ。09年度に事業着手した男神・米沢・湯田地区(二戸市)の畑地帯総合整備事業は、最終盤の仕上げを推進。16年度着手の穴牛・村松・谷地地区(同市)では、スプリンクラーの設置や管水路工事などを継続し、21年度の完了を目指す▼農地の区画整理を実施する農地整備事業(経営体育成型)の川又地区(同市)、鳥海地区(一戸町)では今後、暗渠排水工事などを推進していく。約40㌶のほ場整備を行う福田地区(同市)などでは、測量設計を進め、21年度の一部着工を目指す▼同室は「地域農業にとって、どの事業が適しているかを検討している。地域のまとまりも大切」とも。事業の推進には合意形成が欠かせない。整備事例・制度を広く発信することは、今後の事業の可能性を掘り起こす上での重要な要素となる。
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