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2026年
4月2日(木)
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原油価格高騰 県内業界に影響強まる 各業界が対応を模索
 イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰を受けて、石油製品価格が大幅に上昇。県内建設産業においても燃料費や資材価格の上昇など、その影響が広がっている。県アスファルト合材協会(伊藤智仁会長)では、全国組織と同様に適正な価格転嫁の促進などを関係機関に要請、県建設業協会(向井田岳会長)は「現場の実情に沿った対策が講じられるよう、適切な時期に速やかに対応したい」と、情勢を注視しながらも拙速にならない対応を模索している。
 県民生活センターによると、3月期の県内石油製品価格(12~17日調査)は、レギュラーガソリンが1㍑当たり184・0円で、前月比約21・05%の上昇となった。政府によるガソリン補助金復活の効果が一定の効果を発揮したことに加えて、石油備蓄の放出による価格高騰に対する抑制効果が期待されるが、情勢の不安定化が中東全域に広がる懸念もあり、今後も原油価格の乱高下が続く可能性がある。
 県では原油価格の高騰への対応として、単価適用年月の変更による契約変更を行い、最新の単価に見直している。以降も原油価格の高騰等による物価変動に対しては単品スライド、全体スライド、さらにはインフレスライドなどを適用し、単品スライドと全体スライド・インフレスライドを併用しながら対応していく考え。
 県土整備部建設技術振興課の吉田直矢技術企画指導課長は「国の動向なども見ながら運用をしていきたい」としている。
 原油価格高騰の影響が最も大きい業界の一つが、石油由来製品であるアスファルトを取り扱う県アスファルト合材協会。全国組織である日本アスファルト合材協会は3月下旬に「取適法等の趣旨に基づく適正取引」「適正な価格転嫁の促進」「スライド条項の活用」を需要者らに要請。県協会事務局でも「顧客に現状を説明し、価格転嫁や発注者との協議をお願いすることしかできない」とする。
 同協会事務局によると、3月の段階でストアスと重油の両方で入荷制限がかかり、4月からはストアス価格が1㌧当たり4万5000円上昇。県協会事務局は「現在は業界にとっての緊急事態。この状況が長期化すると価格の高騰にとどまらず、合材の製造自体ができなくなることが懸念される」と、製造責任と適正価格の間で強い危機感を持つ。
 県建設業協会によると、会員の中からは、燃料費や資材価格の上昇、移動費や輸送費などのコスト上昇に加えて、燃料の調達自体が困難になりつつあるとの声が上がっている。また、すでに資材価格の引き上げに関する通知が出ている地域もあるようだ。
 今後の問題としては、資材価格のさらなる上昇、それによる工期が長い工事の負担増など、施工上のコスト増への懸念がある。加えて、従業員の生活費の高騰、見積もり案件の先送りや取りやめなど、企業経営全般におけるリスクの高まりを危惧する声も出ている。
 国際情勢の変化や政府が打ち出す施策などによって、今後も大幅な価格変動が予想されることを踏まえ、向井田会長は拙速にならない対応が必要と指摘。「原油価格の高騰は、日頃私たちが使うガソリンや軽油だけではなく、資材価格や運搬費など影響は広範囲に及ぶ。内外の情勢を注視しながら、現場の実情に沿った対策が講じられるよう、適切な時期に速やかに対応したい」とする。
 その上で「人手不足や働き方改革の推進などに伴い、建設企業の経費負担が上昇している中での、今回の原油価格の高騰。厳しい状況が当面続く可能性が高いが、目の前の現象に一喜一憂することなく、どのタイミングで、どこに訴えるのが一番効果的かを見極めた上で、関係機関に対する要望・提言などを行っていく」と話している。
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