1月のコラム集
つむじ風1月18日

 観光庁は、2017年の訪日外国人の旅行消費額(速報値)を公表した。前年比17・8%増の4兆4161億円となり、5年連続で過去最高額を更新。4兆円突破も初めてとか。前年度をわずかに下回ったものの、1人当たりの旅行支出は15万円を超える▼国籍・地域別では、中国・台湾・韓国・香港の東アジアが7割を超える。確かに年末年始の東京都内で中国系の外国人を多く見掛けたが、ヨーロッパ、東南アジア等々、さまざまな地域の人々も増えている感じがした。スクランブル交差点で有名な渋谷などは、外国人の方が多いような印象を受けた▼京都、フジヤマ、東京…。リピーターが増える中、代表的な観光地以外にも多くの外国人が訪れるようになっている。ただ本県に限れば、訪日外国人を見掛けることが多くなっているものの、急激に増えた印象はない▼東北新幹線や東北自動車道に加え、復興道路、復興支援道路の整備が完成すれば、県内外の時間距離は一気に短縮される。釜石でのラグビーW杯を起爆剤に、本県の良さを国内外に広く浸透させたい。

つむじ風1月17日

 県が発表しているインフルエンザの流行状況。今年第1週の本県の1定点医療機関当たりのインフルエンザ疾患の患者発生状況(定点報告)が14・15となり、注意報基準を超えた。今後、本格的な流行状態に入るものと見られる▼インフルエンザ流行とともに、空気が乾燥するこの時期に注意したいのが火災。総務省消防庁が公表する17年1〜6月における火災の概要(概数)を見ると、総出火件数は2万2780件。おおよそ1日当たり126件、11分ごとに1件の火災が発生したことになる▼出火原因別に見ると、たばこ2314件(10・2%)、たき火2063件(9・1%)、こんろ1538件(6・8%)など。見過ごせないのは「放火」と「放火の疑い」を合わせると3213件(14・1%)という数値。東京や神奈川など大都市を抱える都府県で高い割合を示しているが、件数の多さに驚くばかりだ▼これから、さらに空気が乾燥する時期を迎える。現場や現場事務所も例外ではない。出火防止や危険物品等の管理、延焼拡大防止など、今一度確認したい。

つむじ風1月16日

 震災からの復興を支えるため、沿岸部で進む道路ネットワークの整備。発災から6年10カ月が経過し、被災地で計画されていた幹線道路や生活道路も、徐々に形が見え始めている▼陸前高田市では、高田地区の土地区画整理事業で、今月下旬から道路の切り替えや供用開始を迎える区間が、さらに増えていく。29日には、海側と山側を結ぶシンボルロードや、高台造成地をつなぐ北幹線が、それぞれ一部供用を開始する予定。市街地や高台部の供用区域も拡大しており、エリアをつなぐルートの整備は急務となっている▼津波対策などで整備を計画する県の道路改築も、事業の進捗が図られている。高台ルートを構築する、大船渡市内の大船渡綾里三陸線「赤崎工区」や、大船渡広田陸前高田線「船河原工区」では、用地が固まってきたことから、来年度で工事の発注が本格化する模様だ▼住まいの再建や、なりわいの再生が進む中、暮らしの利便性を高め、災害にも強いルートの確保は、重要性を増している。地域の復興を促すためにも、道路の早期整備が求められるだろう。

つむじ風1月15日

 一関労働基準監督署がまとめた17年の労働災害の発生状況に関して、死亡災害が0件の結果となった。同署管内で死亡災害がなかったのは97年以来で、実に20年ぶり。県全体での死亡災害0件、災害自体の減少も望まれる▼同署の17年の労災発生状況を詳しく見ると、建設業に関しては増加している。死亡災害0件の継続、労災の発生件数を減少させていくには、やはりいかに建設業での災害数を減らしていくかが鍵となる。業界としては、今後も気を引き締めて災害防止活動に取り組む必要がある▼今年度業界団体などのパトロールを取材していて、参加している同署職員は、墜落・転落、建設機械、倒壊・崩壊の三大災害に加え、過重労働になっていないかに関しても注視して巡回している印象を受ける。これから年度末に向かっていくが、工期が迫っていることなどから遅くまで働く職員が多くなることが懸念される▼一年を通して最も寒い時期に入ってきており、冬季特有災害にも気を付ける必要がある。しっかり安全管理に取り組み、日々作業していきたい。

つむじ風1月12日

 本県における建設業振興策の基軸となる「いわて建設業振興中期プラン」。最終年度に当たる18年度には、次期計画の策定に向けた見直し作業が行われる予定▼現行計画では、復興後の県内建設投資額を「大震災津波発生までの水準程度まで減少」と想定。現行計画を策定した後に発生した台風10号という変数を加えても、国の復興創生期間の終了と同時期に、復旧・復興需要が一気に剥落することは間違いなさそうだ▼これまで明確な議論に至らなかった「震災前と同水準の公共事業費」が、本当に目の前に来ている。次期計画においてはこの部分を大前提に据える必要があるだろう。同時に、労務単価などのコストが震災前を大きく上回っていることから、震災前並みの予算規模では、当時の事業量を1〜2割程度下回る可能性もある▼次期計画の中では、これまで以上に若年労働者の雇用確保と人材育成、就労環境の改善が求められることになるだろう。せめてどの程度の予算規模と事業量が確保されるのか、大づかみでも数字が提示されれば議論の手がかりとなるのだが。

つむじ風1月11日

 県沿岸広域振興局土木部宮古土木センターは、一般国道340号和井内工区(宮古市)の改良を進めている。同工区の事業には1997年度に着手し、あい路の解消に向けて整備を推進してきた。長年にわたって力を注いだ事業が節目を迎える▼事業区間のうち、永田地区(延長1・24`)と和井内地区(1・22`)では、2017年9月に部分供用を開始。現在は未供用区間を施工中で、17年度末までの全線供用を目指している▼地域住民への事業の見える化の取り組みも。区間内構造物となる和井内大橋(橋長54b)の上部工工事に当たっては、国内最大級のクレーンによる橋桁架設の現場見学会を開催し、道路整備に対する理解を深めてもらった▼国道340号は、三陸沿岸道路などの復興道路を補完する県の復興支援道路。路線全体で見ると、交通の難所と呼ばれる個所が今もあるように感じられる。道路の課題解消やネットワークの強化には、地域との連携が不可欠。これからも地域の声に耳を傾けながら、事業の掘り起こしや工事を進めていくことが望まれる。

つむじ風1月10日

 厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、「18年度高年齢者雇用開発コンテスト」を開催する。コンテストは、高年齢者がいきいきと働くことのできる職場づくりの事例を募集・収集し、優秀事例を表彰するもので、4月20日まで応募を受け付けている▼17年度は、全国から124編の応募があった。厚生労働大臣表彰の優秀賞を受賞した七欧通信興業(東京都、電気通信工事業)では、定年後は希望者全員を66歳まで再雇用。運用面で健康や技術力などの一定条件のもと、さらに再雇用している▼同社では、生涯現役を目指し、高齢社員の戦力化への取り組みを推進。技術指導員として人事発令し、存在を明確化。賃金面では、定年前後で四つの観点から職業変更の比較を行い、継続雇用者の賃金を決定し、本人の納得性向上につなげた▼会社の戦力とともに、次世代への伝承も。本人には高いハードルだが、それも経験と技術があってこそ。過去の受賞企業の事例を見ると、「モチベーション」と「コミュニケーション」がカギを握っているようだ。

つむじ風1月9日

 新年を迎えて第二週だが、きょう9日が仕事始めという企業もあるだろうか。建設業における働き方改革の動きが活発となってきている中、職員の休日確保などの待遇改善に取り組む企業も多いことだろう▼工業など実業系高校に通う生徒の進路に関して聞くと、学んだこととは異業種、もしくは関連業種にしても県外へ就職する生徒が多いようだ。学生にとって職業選択する上での重要な要素の一つとなるのが、休日をどの程度取得できるのかとされる▼成人の日を挟んだこの時期、新成人に関して話題に上がるが、総務省で発表した1月1日現在の人口推計による1997年生まれの新成人は、123万人で前年と同数だった。今後は減少を続ける見通しで、2025年には110万人を下回る見込みとなっている▼分母が少なくなる上に、異業種や県外へ就職する学生が多いとなれば、地元建設企業へ入職する若手は減る一方。働き方改革の一環となる現場での完全週休2日制に関して、行政と業界が議論を深めて不具合なく実行できる制度となることが望まれる。

つむじ風1月5日

 「生産性の向上」と「働き方改革の推進」。この大きな流れは、今年も変わることはないだろう。むしろ、社会的な要請として一層強まることが容易に想像できる。若年労働者が少なく労働時間が長い産業というイメージが定着した建設業は、他産業に増してこのテーマと向き合う必要がありそうだ▼生産性向上と働き方改革は企業経営者にとって、必ずしも一致しないテーマかもしれない。特にも労働集約型産業と言われる建設業においては、「働き方改革」と「週休2日制」を等号で結ぶことはできても、「生産性向上」イコール「週休2日制」とならないのが難しいところ▼東日本建設業保証鰍ェ毎年まとめている財務統計指標を見ると、東日本大震災前、県内建設業の生産性は東日本管内ワーストが定位置にあった。これは当時、経営環境が厳しい中にあっても人を大切にする姿勢の現れと言われていた▼「人を大切にする」という岩手方式の働き方改革を通じて、生産性向上を実現してほしい。2018年が、そのスタートを切る1年になることを期待する。

つむじ風1月4日

 読者の皆様、本年も本紙をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます▼震災から間もなく7年目を迎える。沿岸被災地で復旧・復興事業が懸命に進められている中、国が復興支援道路として整備を進めている三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石花巻線、宮古盛岡横断道路の整備が順調に進行中だ▼昨年11月には、震災後事業化区間で初めて三陸沿岸道路「山田宮古道路」が開通。区界峠の難所を解消する宮古盛岡横断道路「区界道路」の新区界トンネルが貫通し、11日には貫通式が行われる。ラグビーW杯開催に先立ち、18年度には東北横断道が全線開通する予定。三陸沿岸道路でも、吉浜−釜石間など4カ所で開通が予定されおり、交流の活発化が期待される▼ただ13年8月の豪雨や16年の台風10号では、県内各地で河川の氾濫や基幹道路の寸断が相次いだ。橋梁やトンネルなど道路構造物、上下水道や農業用施設の急速な老朽化、さらには公共建築物の耐震化や人口減少に伴う集約化など、課題は山積している。安全・安心な県土づくりは、まだ道半ばだ。

つむじ風12月28日

 2017年も数日を残すのみ。今年一年のご愛顧に心から感謝申し上げます。建設業界や建設行政のパートナーとして、これからも必要とされる情報の発信に努めて参ります▼この1年を振り返ると、建設事業が着実に前進した年だったように感じられる。16年台風10号災害への対応では、復旧・復興工事が本格的にスタート。東日本大震災関連では、三陸沿岸道路「山田宮古道路」などが開通した。復興まちづくりの面整備が節目を迎えた所も▼自治体では復興後を見据え、地域の底力を生かした産業発展などに力を注ぐ。人を呼び込むための工夫が求められる時だ。建設業界は、地域の振興を支える道路などを担っている▼広い県土を有する岩手。災害時における孤立化の懸念など、今も課題を抱えている地域は多いのではないか。今後、地域課題の抽出や事業の掘り起こしという視点も大切になる。災害に強いまちづくりや生活に密着したインフラ整備の推進へ。地域の担い手として日々奮闘している建設業界の姿を報じながら、新たな年を歩んでいきたい。

つむじ風12月27日

 雷と聞き違えるような風の音。本格的な冬将軍が到来する中、気象庁は21日、「世界各地で異常高温が発生」「世界の年平均気温が歴代3位となる見込み」との速報を発表した▼同庁は同じ日に、17年の日本の天候(速報)も発表。▽梅雨の時期は九州北部豪雨など記録的な大雨▽8月に北・東日本太平洋側で不順な天候▽10月は北〜西日本で顕著な多雨・寡照▽沖縄・奄美は夏から秋にかけて顕著な高温が持続│と振り返っている▼1890年以降、世界の年平均気温偏差を見ると、上昇・下降を繰り返し、長期変化傾向は右肩上がりとなっている。17年の世界の年平均気温が高くなった要因として、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響と、自然変動の影響が考えられると分析している▼同庁仙台管区気象台は、東北地方の向こう3カ月の天候の見通しを公表。気温は平年並みか高い、東北太平洋側の降水量は平年並みか多い見込みと予報する。穏やかな年末年始を迎えたいが、近年は爆弾低気圧という存在も…。万一に備えた対応を確認したい。

つむじ風12月26日

 復興に向け中心市街地で進めてきた、土地区画整理事業の工事が完了した大槌町。面整備が終わったことで、今後は民間住宅の建築や、にぎわいづくりに向けた取り組みが本格化していく▼今回完工した町中心部・町方地区の区画整理事業や防災集団移転促進事業、上下水道整備事業などは、CM方式により町から受託した独立行政法人都市再生機構が進めてきたもの。区画整理は13年8月に着工後、事業範囲の約30fを平均2・2b盛土し、11月までに工事を終了した▼20日に行われた工事の引渡式後、平野公三町長は「震災から7年近く経ったが、なんとかここまで完成した」と感想を述べるとともに、「多くの方々にまちに戻ってきてもらうため、PRも必要だと思う。空き地バンクなどの取り組みも進めているが、状況を踏まえながら新たな施策を打っていきたい」と、にぎわい再生への意気込みを語っていた▼面整備は完成したが、市街地周辺では、防潮堤や水門などの施工が継続中だ。新たなまちの安全、安心を支えるためにも、一日も早い整備が求められるだろう。

つむじ風12月25日

 県南広域振興局土木部では、このほど建設業をPRする一環で、管内の建設業に従事する若手職員を掲載するカレンダーを作成した。管内の県建設業協会6支部が作成に協力し、職員のコメントなども掲載し建設業の魅力を紹介。ふと目にする機会の多いカレンダーが、建設業の周知へ大きな効果を発揮することが期待される▼担い手確保では、県建設業協会青年部連絡協議会で長年実施している、建設業ふれあい事業も建設業をPRするイベント。このほか今年は、業界や行政主催の現場見学会など、建設業を知ってもらうことを目的とした催しを多く取材する機会に恵まれた▼現場での活用が急速に進むICT技術、完全週休2日制を推進する工事の試行、女性の入職促進へ向けた各種取り組みなども、担い手確保を目的の一つとするもの。環境改善とともに、担い手確保へ着実に実を結ぶことが願われる▼建設業への入職希望者を増やしていくには、仕事量をしっかり確保していくことも重要な要素だろう。一定の仕事量を安定的に確保する取り組みにも期待したい。

つむじ風12月22日

 「復興後には公共事業費が大幅減」と言われて久しい。公共事業費は依然として高水準であるが、大型工事の発注が一段落した今、この言葉を現実の問題として受け止める企業も多いだろう▼県建設業協会は、今後の社会環境に県内建設産業が対応していくため、「建設業振興対策特別委員会」を設置。入札契約制度、構造改善、担い手育成の3テーマでワーキンググループを設置し、議論を進めている。来年4月をめどに議論の内容を取りまとめ、県当局に提言する見通しだ▼県建設業協会では70年代後半、当時の橋本忠之助会長の下で建設業合理化対策に取り組んでいる。ここでは企業合同による業界再編計画や、低成長期における地場建設業のあり方などが議論されたようだ▼現在の特別委員会でも、公共事業費が縮小する中での地場建設業のあり方などの議論を深めていくと思われ、業界再編に踏み込む場合があるかもしれない。業界が身を切る覚悟を示してこそ、提言は説得力を持つ。一方、弱者切り捨てにつながらないよう、共生の道も模索していく必要がある。

つむじ風12月21日

 この時期、よく話題になるのが区界峠の道路状況。同峠でヒヤッとした経験がある人も多いことだろう▼本県で最長となる宮古盛岡横断道路「区界道路」の新区界トンネルが、いよいよ貫通する。新区界トンネル工事は14年2月に着工し、19年3月の完成を目指してU期工事が進められている。隣接する簗川トンネルも順調に推進中だ。長大トンネル貫通の知らせを聞くと、宮古盛岡間の「最大の難所」解消が目前に迫っていることを実感する▼ただ国道106号では、今でも昨年の台風10号災害の復旧作業が懸命に行われている。特に閉伊川沿いの区間は、片側が急斜面。ひとたび急激な雨が降れば、河川の氾濫や土砂崩壊など、災害が発生する可能性が高まる▼東日本大震災後に新規事業化された区間では、精力的に工事が進められているが、約100`の宮古盛岡間には、ぜい弱な区間が残されている。道路は、つながってこそ効果を発揮するもの。新規事業化区間の早期完成とともに、全線の「災害に強い道路」実現が、道路を利用する人々の切なる願いだ。

つむじ風12月20日

 先日、仙台市内で開かれた復興加速化会議。被災3県の声を受け止め、復興係数の継続が決まった。さらに、新規の一つとして、震災を風化させいないプロジェクトにも取り組む▼具体的には▽震災復興のための総合的な情報発信▽記録、記憶のネットワーク化▽次世代に向けた記録、記憶の伝承│を掲げ、大震災の記録と記憶の「見える化」を図る。統一コンセプトによるピクト・サインや震災ツアーモデルコースの提案・商品化などを企画▼会議中、石井啓一国土交通相は、2019年に釜石市で開かれるラグビーワールドカップを挙げ、「国の総力を上げて、力強く復興に向かいつつある姿を世界に向け発信。被災されている人はもとより、東北を訪れる多くの人に復興を実感してもらえるように取り組んでいきたい」との考えを示した▼インターネットを通して発信される被災地の情報は百聞の如く、世界中に発信されている。百聞は一見にしかず。釜石市で開かれるラグビーワールドカップは一見の好機。一丸となって取り組めるような仕組みを構築して進めたい。

つむじ風12月19日

 釜石市の市民ホールの開館や、南三陸国道事務所管内の全トンネルが完成するなど、復興事業が進展する沿岸被災地。幹線道路や区画整理、災害公営住宅の整備など、新たなまちづくりに向けた事業は、各地で最終段階を迎えつつある▼年度内には、釜石港湾口防波堤の再建整備や、大船渡市の津波防災拠点施設、先日定礎式を行った県立高田病院なども完成する予定。地域防災や、医療の要となる施設が整備される一方で、宅地造成が終盤を迎えたことにより、今後は民間住宅の建築工事にも拍車が掛かっていく見通しだ▼復興工事が大詰めを迎える中、先日開かれた、釜石・大槌・遠野復興工事関係者連絡会議では、岩手労働局から、「工期が終盤に入ると、忙しさから安全管理の取り組みが進まなくなりがち」と、労働災害の発生に警鐘を鳴らす声が上がっていた▼現場における事故防止、過重労働対策など、基本項目の再確認も呼び掛けられている。復興工事が最終局面に入る今こそ、全工期の無事故無災害に向け、気を引き締めていきたい。

つむじ風12月18日

 すっかり冬景色となった県内。先日は、いつ雪が降るか分からず2時間おきぐらいに起きて、外を確認してまた就寝するのを繰り返し、朝方に出動したとの話を除雪担当者から聞いた。「眠くて仕方ないよ」と苦笑い気味に話し、除雪担当者らには大変な日々が続くが、県民の足確保へ活躍が期待される▼除雪は建設業者が担う冬期の重要な業務だが、近年は住民協働による除雪も実施されるようになってきている。一般住民にも使用できるような除雪機を貸し出し、歩道部をメーンに除雪するもので一部地域で実施されている▼除雪作業でよく言われることの一つが、除雪された道路の雪が家のすぐ横に積み重なり、住民から苦情が寄せられることがあるというもの。こうした住民協働による除雪が行われれば、雪道で不便を感じることがより少なくなることも考えられる▼業者と住民協働による除雪を上手く組み合わせられれば、業者の負担が少しでも減る可能性も秘めているのかもしれない。うまく融合させて、適切な公共施設の維持につながることを期待したい。

つむじ風12月15日

 ここ数日で一気に冬らしくなった。考えてみれば12月も中旬だから当たり前か。総じて今年は季節の変化が急激な気がする。夏も早くから暑くなったものの、梅雨明け後からは曇天が続いた。今冬も終わってみれば暖冬なのだろうか▼冬期間は転倒災害が増加する季節。10月末現在、県内全産業における労働災害の約4分の1が転倒によるもの。幸いにも建設業では5%弱と、前年の半分以下まで減少しているが、冬期間における転倒災害の多寡は年間の労災発生件数にも影響するため、各現場では十分留意していただきたい▼転倒災害と合わせて注意が必要なのは、やはり墜落・転落災害。本県建設業の労災は、約3分の1が墜落・転落によるもの。全国的にも墜落・転落による死亡労働災害が増加していることから、厚生労働省は12月と1月の2カ月間、「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」を実施している▼現場環境が悪化する時期であるが、労災増加の言い訳にはならない。「いわて年末年始無災害運動」も含め十分な安全管理が望まれる。

つむじ風12月14日

 二戸市を訪れると、同市中心部を走る都市計画道路荒瀬上田面線の岩谷橋(橋長100b)で、新橋の橋脚工事がスタートしていた。県北広域振興局土木部二戸土木センターは、既存橋梁の老朽化などを解消するため、橋梁の架け替え事業を推進している▼実際に同橋を通ると、傷みが目立つほか、幅員が狭いように感じる。同橋の南側では、色分けされた歩行空間があるものの、車の近くを子どもたちや地域住民が通行している現状だ。このほか、同橋には右折レーンがないため、通勤・帰宅時間に渋滞が発生するなどの課題を抱えていた▼同センターは10年度、同橋の架け替え事業に着手。事業期間は21年度までを予定しており、総事業費は現時点で約23億円を見込む。計画では、仮橋の設置や橋台などの工事を17年度中に発注する予定だ▼仮橋の設置や既存橋梁の撤去などの際には、地域への配慮などが重要となる。中心部のアクセス性を向上させるとともに、まちなみの一部を形成するシンボル橋として、地域からの期待も大きいのではないだろうか。

つむじ風12月13日

 国土交通省は、今年度に創設したi-Construction大賞の初受賞者を決定し、11日に発表した。東北地方整備局管内では、本県の鰹ャ山建設(一関市)が施工した「北上川上流曲田地区築堤盛土工事」が選ばれた▼同社では、築堤盛土工1万1200立方bのうち9600立方b(85%)、法面整形工では盛土工3500平方bのうち3350平方b(95%)でICT施工を実施。施工中に生じた問題をシステムメーカーに対し改良を提案。現在のシステムでは、反映されているという▼大臣賞に選ばれた轄サ子組(北海道)の現場は、全国第1号のICT土工活用工事。多くの見学会や取材に対応し、その数は30回・約700人に及ぶ。本社内に専門部署を設置し、準備やデータチェックなどを一元化。現場配属職員の負担を軽減した▼本県発注工事でもICT活用工事が増えている。施工実績がない中、日々試行錯誤の連続だろう。ICT技術は多くの技術から成り立っている。現場の声を真摯に受け止め、さらなる全体最適に向けた取り組みが求められる。

つむじ風12月12日

 8日に釜石市の中心市街地で開館した、市民ホール。市中心部への人の流れを創出し、にぎわいと文化芸術を支える拠点としての役割に、期待が寄せられる▼公募で選ばれた施設の愛称「TETTO(テット)」には、釜石と鉄の深いつながりを表した「鉄都」と、施設と隣の釜石情報交流センター(15年12月開所)をつなぐ広場上部のガラス屋根が特徴でもあることから、イタリア語で屋根を意味する「tetto」の二つの意味が込められている▼施設内には、客席数838席を有する木の大ホールをはじめ、広場に面したガラス張りにもなる白いホールなどを配置。大ホール1階部分は平土間形式へ転用できるため、二つのホールをつなぐと、広場から大ホールのステージまで最長77bのオールフラットの空間を作り出すことも可能になる▼16日には指揮者佐渡裕さんによるオーケストラ演奏会も開催されるなど、今後の活用も期待されるところ。市民の心を豊かにし、まちに彩りを与える新たなランドマークとして、釜石の復興を後押しする存在になればと思う。

つむじ風12月11日

 県や市町村などの行政と災害協定を締結する業界団体が多くなり、協定に基づく訓練も毎年行われている。訓練後にはさまざまな指摘が出され、訓練を重ねるごとに着実に体制の強化が図られている▼訓練の際によく話題に上がることの一つが、出動基準に関すること。雨量や震度に関しては数値で明確な基準が示されているものの、風速や積雪量、河川の水位に関しては、災害協定で明確な数値が提示されていない場合もあり、どのように判断したらいいか質問が出されている。最終的には、自己判断で出動してほしいとの趣旨の回答がなされることが多い▼さまざまな団体、地域での訓練を取材し、同じ団体でも地域によって行政への報告方法や内容に違いがあるのを感じる。ファクスのほか、電子メールや携帯電話、ASPなどを活用する地域もある▼培ってきたノウハウ、資金、体制など課題は多いだろうが、ある程度は統一した報告方法にすることで、よりスムーズに進むように感じる。迅速かつ正確な情報伝達は、着実に被害を減らすことにつながっていく。

つむじ風12月8日

 東日本建設業保証は毎年、決算書の提出を受けた企業の決算を分析した「財務統計指標」を公表している。岩手支店ではこのほど、東日本大震災前後7年間における主要な指標の推移をまとめた。同支店の野村茂支店長のインタビューを5日付本紙に掲載しているので、改めてご一読いただきたい▼多くの比率が改善している中、特にも目を引くのは「総資本経常利益率」をはじめとする収益性の改善。10年度まで7年間連続のマイナスだったものが11年度にプラスに転じ、ピークの14年度には7・64%に達している。震災前の最も悪い時期まで遡れば、09年度が底でマイナス3・48%。当時と比較すると、11ポイントも改善している▼足元に目を移すと、収益性を表す比率が2年連続の低下。野村支店長は、収益性低下の主な要因として受注競争の激化を上げ「利益率の低下が続けば他の比率にも悪影響を及ぼすため、適正価格での受注が望まれる」と指摘する。公共事業が再び長期的な縮小基調にある中、地域建設企業の維持に向けた施策を早々に講じていく必要がある。

つむじ風12月7日

 海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」が実施した冬の人気旅行先ランキングによると、1位は京都。2位以降は、東京、北海道、兵庫、神奈川…と続く▼いずれも観光地や特産品の名前がパッと浮かぶ。ぜひ一度は訪れてみたい都道府県ばかりではある。ただ本県も世界遺産・平泉や雄大な自然、温泉地、新鮮な海・山の幸など魅力的な観光資源がたくさんある▼県内では、震災復興のリーディングプロジェクトとして、三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路、東北横断道の整備が着々と進められている。三陸沿岸道路では、山田宮古道路が震災後事業化区間で初めて開通。縦軸・横軸が全線開通すれば、内陸部はもとより、大都市圏からのアクセスも一気に向上する▼19年のラグビーW杯では釜石で2試合が行われ、9月25日にはフィジーが登場する。海外からの観光客は近年、インターネットなどで十分に調べてから訪れる人々も多い。W杯効果を県内全域に波及させるためにも、大会本番までに本県を国内外にどのようにPRしていくか。2年間はあっという間だ。

つむじ風12月6日

 花巻労働基準監督署は、管内の建築工事現場での労働災害が増加していることから先月、「木造家屋建築工事業災害防止強調週間」を実施。5日間で28現場を監督指導し、21現場で何らかの労働安全衛生法の違反が認められた。違反率は75%だった▼改めて違反の内訳を見ると、事業者の講ずべき措置等が20現場(違反率71・4%)。その中で、最も多いのが墜落防止措置で10現場(同35・7%)。高さ2b以上の作業床の端や、足場に手すり等を設けていなかったという▼特に目を引くのは、法違反を認めた現場のうち危険個所への立ち入り禁止や作業の停止、機械設備等の使用停止を命じたのは3現場だったこと(すでに解除済み)。わずか5日間の監督指導で3現場というのは、やはり多いと言わざるを得ない▼厚生労働省では今月1日から、No more!墜落・転落災害@建設現場として「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」を展開している。足場のみならず、はしご・脚立、屋根の上などからの墜落・転落災害の防止対策も確認したい。

つむじ風12月5日

 震災からの災害復旧に向け、先月29日に最後のケーソンの据え付けが行われた釜石港湾口防波堤。事業は年度内の全体完成を目指し、大詰めを迎えている▼災害復旧事業は12年2月に着手。震災前と同じ南堤延長670b、開口部同300b、北堤同990bで復旧される。震災の津波で、南堤は同約370bにわたり崩落。北堤はほとんどがマウンド上に留まったものの倒壊した。事業では、復旧に向け新たに南北堤で37函を設置。今回、最終函が据え付けられたことで、現地では上部工の整備に拍車が掛かっていく▼釜石港では、9月にガントリークレーンが供用を開始。先月17日には、上海、釜山、寧波などと釜石を直接結ぶ、外貿コンテナ定期航路も開設された。同港の物流情勢が高まる中、荷役稼働率の向上を図るためにも、港内静穏度を確保する防波堤の役割は、一層重要性を増している▼コンテナ物流のさらなる飛躍とともに、被災した市の復興を支える基盤、暮らしの安全安心を高める砦として、施設の一日も早い復旧が求められているだろう。

つむじ風12月4日

 先月は、さまざまな団体の安全パトロール、業者の安全大会、各種安全講習に関して取材する機会が多くあり、厳冬期が本格化する直前の活動で、注意喚起がなされた▼道路状況が悪くなければ自転車で通勤しているが、日々寒さが増しているのを肌身に感じ、体の動きが鈍くなっているのも実感する。冬時期は寒さに加え、防寒着などで厚着になることも動きに俊敏さがなくなる要因となる▼凍結や積雪を起因としたもの、暖房機器使用などを起因とする一酸化炭素中毒など、冬期間は危険の芽が多くなる。各団体のパトロール結果を各現場に水平展開するなどして事故防止で年末年始を迎えたい▼今年もあと1カ月をきった。年末の時期になるに当たり、各現場とも慌ただしい状況になっているとも想像する。慌ただしさや天候などから思うように作業が捗らず、少しでも進捗率を上げようと無理な作業をすることも、災害を発生させるリスクを高める要因となる。もう少しと長時間労働を重ねたことによる弊害も心配され、その点のケアも大事な時期を迎えている。

つむじ風12月1日

 工業高校で土木を学ぶ生徒たちは、思っている以上に地元での就職を望んでいるかもしれない。県盛岡広域振興局土木部が盛岡工業高校土木科の生徒を対象に行った現場見学会終了後のアンケートを見ると、約8割が建設業、半分以上が県内への就職を希望している▼現場見学会は授業の一環であることを踏まえれば、やや模範解答寄りだろうが、少なくとも生徒たちは地元の建設業に一定の共感を抱いているものと考えられる。ところが3年生の就職先となれば、10月末現在で進路が固まっている生徒のうち半分近くは行き先が県外だという▼工業高校の就職担当教員によれば、県外企業が人材確保に相当力を入れているとのこと。地元の中小企業では専門の採用担当を配置することは困難だろうが、業界団体を通じての教育機関との連携など、対応策はあると思われる▼地元企業では、一定程度の定期的な採用があり、卒業生が定着している企業が好まれる傾向にあるようだ。地元企業が連携して業界の魅力を高めながら、担い手の育成・確保を健全に競い合ってほしい。