2月のコラム集
つむじ風2月20日

 例年、2月に入った時期から、役所などに行くと駐車場が混み合っていることも多い。確定申告の時期を控え、納税の相談や各種証明書の発行などに訪れた人が多いと見られ、高齢運転者標識を付けた車両も多く目にする。中には突然の停止、前進や後進にドキッとさせられることもある▼高齢運転者による交通事故が、相次いで発生している。アクセルとブレーキを踏み間違えるなどの操作ミス、判断ミスなどで歩行者や店舗への衝突、逆走などで死亡者が発生するといった重大事故も多い状況となっている▼各産業において、従事者の高齢化は喫緊の課題となっているが、重機をはじめ各種工具を扱う建設業において操作や判断ミスは、重大災害につながってしまう。高年齢労働者に関しては、特にも日ごろから注意を払って作業することが必要だろう▼高年齢労働者の場合、加齢に伴う心身機能の低下なども事故を起こしやすい要因となる。作業方法の改善、健康の保持増進、快適な職場環境の形成、安全衛生教育の実施などの対策に取り組み事故防止に努めたい。

つむじ風2月17日

 岩手労働局では先ごろ、県内建設業一斉監督の実施結果を公表した。今回の一斉監督では、従来の労災防止対策に加えて、建設現場の労働時間管理に関する点検も行った▼123現場中、違法な時間外労働は2現場、1カ月当たりの時間外・休日労働が80時間を超過しているのが2現場、100時間を超過しているのも2現場。これが多いか少ないかは分からないが、過重労働に対する目が厳しくなっている昨今、何らかの対応が求められるだろう▼同局は長時間労働への対応を、17年度における働き方改革の重点課題の一つに掲げており、労働災害の防止には健康管理も含めた総合的な対策が必要と指摘。復旧・復興工事を対象としたパトロールの場などでも、健康障害につながりかねない過重労働解消への呼び掛けを強めている▼労働時間の短縮や休暇の確保は、受注者の努力だけでは不可能であり、発注者の理解と協力が不可欠。台風10号の本格復旧も近くスタートする。過重労働を回避しながらの早期復旧の実現へ、官民の双方で最適解を探っていく必要がある。

つむじ風2月16日

 自分たちの住んでいる地域には、小・中学校はもとより、公民館や児童センター、老人福祉センターなど多くの公共施設がある。子供会や夏祭りなど、さまざまなイベントが開催される▼橋梁やトンネルなどの土木施設と同様に、公共建築物も修繕の時期を迎えている。盛岡市などの都市部では施設数も多く、計画的に手を入れていかなければ施設の傷みが激しくなるばかりだ▼しかも各施設が建設された当時と比べ、人口構成も求められる社会的なニーズも大きく異なっている。建物自体の修繕とともに、現在のニーズに合わせた施設内部の改修、さらには施設の再編も必要になってくる▼盛岡市の17年度予算案が公表された。一般会計の総額は3・2%減の1076億6000万円。8年連続で1000億円台を確保したものの、普通建設事業費は14・2%減の123億1264万8000円となっている▼建設関連事業を見ると、公共建築物の長寿命化に向けて、新規で多くの施設の複合化・大規模改修事業が盛り込まれている。本格的な維持管理時代の到来を感じる。

つむじ風2月15日

 電話、メール、読書、カメラ、目覚まし、地図、財布、計算、スケジュールや書類の作成・確認…。音楽・映画鑑賞に加え、暇つぶしの単純なゲームから本格的なゲームまで。手の平サイズのスマートフォンにどれだけの機能があるのだろうか▼世界初のコンピューターと言われるENIAC(エニアック)が完成し公表されたのは、今から約70年前の1946年のきょう。重量は約28d、大きさは幅24b×高さ2・5b×奥行き0・9b。内部には、真空管が1万7800個余も使われていたという▼現在のスマホのサイズを見ると、縦が12a、横が6a、厚さが1a、重量は100cほど。重量を比較すれば、普通車30台分が、大きめのボトル1本ほどに。処理能力を見ると、数値だけを比べるとスマホの方が30万倍も早く動作する▼これまでは性能や大きさが注目されたが、本体であれば数千円のコンピューターが売られるようになった現在。これからは、身近な存在となったコンピューターと何を組み合わせるかを考えることが求められているのではないだろうか。

つむじ風2月14日

 陸前高田市の高田松原周辺に設置される津波復興祈念公園では、(仮称)国営追悼・祈念施設(国営施設)で、基盤整備の入札が終了。国営施設は2020年度の供用開始を計画しており、今後、工事が本格化していく▼「奇跡の一本松」の北東部に、10fほどを確保し設置される国営施設は、園内の中核となるもの。施設内には、津波の方向を象徴する軸線上に、両側になだらかな築山を配した切通し空間や、芝生の追悼広場、防潮堤第2線堤上には「海を望む場」を設ける計画となっている▼高田松原周辺では、昨年12月に防潮堤が概成。第1線堤と第2線堤の間には、震災の津波で流出した松原も再生する予定で、現在、試験植栽や植生の基盤整備が進められている。今春からは本格的な植栽ができる運びとなっており、5月には記念植樹会も開かれる予定だ▼地元を代表する「名勝高田松原」の再生とともに、次のステージに入っていく公園事業。地域住民と一体となった整備を進めていくことで、松原の美しさにマッチした公園になっていけばと思う。

つむじ風2月13日

 近ごろ、さまざまな建設関連業者の若手技術者と話す機会に恵まれているが、どの技術者からも建設業に魅力を感じ、やりがいを持って仕事をしているのが伝わってくる。有望な技術者が今後、活躍していくことが期待される▼先ごろ合格発表された2級土木・建築施工管理技術検定試験の学科試験は、工業など実業系の高校生が受ける試験の中でも難関資格とされる。今年度は、2級土木の学科試験が全国平均で48・3%、2級建築の学科試験は51・9%の合格率だった▼全国平均が半分程度の合格率の中、県内の工業高校には高い合格率となっている高校もある。聞けば、生徒や教諭らが一丸となって高い意識を持って取り組んだことが多くの合格者を出した要因のようだ▼優秀な技術者の卵が多いのは今後に期待だが、業界関係の職種に就く生徒は半分程度とも聞いた。元々関連のない仕事に就くことを希望する学生も多いという。建設業の魅力を浸透させていくことが求められるし、一定程度の収入を安定して得られるような環境も整えていかなくてはならない。

つむじ風2月10日

 台風10号の災害査定が終わり、早ければ年度内にも本格復旧がスタートする。約1900件という被災個所数を勘案すれば、随意契約に付される案件も少なくないだろう▼県工事の随意契約にはロアーリミットが設定されておらず、時折だが極端に低い請負率での受注も見られる。13年度豪雨災害からの復旧に当たって、一部地域で業界側からの問題提起があったが、この時は制度の見直しには至らなかった▼先ごろ開かれた県営建設工事入札契約適正化委員会の席上、請負率が33%という随意契約の案件が話題となり、現下の状況に対する県当局の見解を質す声が委員の中からも上がった。県の契約が企業の利益や労働者の賃金を確保する方向に動いているところであり、入札制度全体を再考する契機となることが望まれる▼災害復旧を急ぎたい行政当局と、期待に応えたい建設業界。復旧・復興における消耗品として地元建設企業を使い切ってしまうのか、担い手を永続的に確保できる産業として地域に残していくか、随契の活用方法一つにも当局の姿勢が問われる。

つむじ風2月9日

 東北地方整備局三陸国道事務所は、東日本大震災からの復興のリーディングプロジェクトとして、三陸沿岸道路などの整備を進めている。整備区間のうち、山田宮古道路(山田町山田〜宮古市金浜、延長約14`)では最後のトンネル貫通を迎えた。このほど貫通したのは(仮称)津軽石トンネル(延長491b)。トンネル内を進み坑口付近に立つと、橋梁や改良部を望むことができる。自分のイメージする復興道路がより鮮明になった▼同事務所は山田宮古道路の17年度開通を目指し、工事を展開している。主要構造物となるトンネルや橋梁などは、おおむね形となった。残る七田川橋の上部工架設に今後取り掛かるほか、改良・舗装工事を推進するなど、事業は最終的な局面に入っている▼同道路が完成すれば、災害に強い道路として津波浸水エリアの回避が可能。地域間の移動時間・距離の短縮といった効果も期待される。防災まちづくりや産業振興などの骨格をなす道路。開通後は、地元が道路を活用しながら、地域の未来に向かって掘り進んでいくステージとなる。

つむじ風2月8日

 高校生がつくる「橋梁模型」作品の発表会が15日、仙台市内で開かれる。応募32作品の中から、一次審査を通過した10作品について、高校生によるプレゼンテーションと模型作品を公開。来場者による審査投票を加えて最終審査を行い、最優秀賞を決定する▼発表会は、模型づくりを通して橋の種類や構造に関する知識を深めてもらうとともに、ものづくりの楽しさを体験してもらうことを目的に開かれている。当初は宮城県内の土木系学科のある高校のみが対象だったが、第2回から東北6県に対象を拡大した▼一次審査を通過した10作品や過去の作品を画像で見ることができる。画像では伝わらないが、作品の大きさは1・5b以下、高さ1・0b以下。EE東北で実物を見たことがあるが、そのスケール感に驚かされた▼本県からは、過去に最優秀賞作品は出ていない。本県に最優秀賞を…との思いもあるが、今回は残念なことに本県から応募がなかった。模型づくりを通した「ものづくりの楽しさ」を体験するためにも本県で土木を学ぶ生徒の挑戦を期待したい。

つむじ風2月7日

 県内で進む災害公営住宅事業は、大船渡市で昨年内に全ての整備が終了するなど、今年度で約8割が完成の予定。住宅への入居者も増えていく中で、住民同士のコミュニティづくりも進められている▼新たな住宅の入居者を中心に、周囲にある学校や幼稚園、仮設住宅の住人も交え、先月は餅つき大会などのイベントが各地で開かれた様子。にぎやかな雰囲気が伝えられる一方で、現場からは住民交流や人間関係を形作っていくことの難しさも聞こえてくる▼各地で完成した災害公営住宅では、集会所や井戸端的なスペースの設置をはじめ、住戸の配置では、1LDKを2LDKで挟み込み、さりげなく互いに見守り合える空間を醸成しているところも。住宅での孤立化防止に向け、こうしたハード面の整備を生かしていくことも大切だろう▼独り暮らしの高齢入居者も少なくない中、新たな人間関係の構築を億劫に感じる人も出てくるはず。住宅の自治会を中心に、さまざまなイベントで住民同士の顔の見える交流を図り、コミュニティを支えていく必要があると思う。

つむじ風2月6日

 県南広域振興局土木部で進める奥州市水沢区の国道397号小谷木橋の新橋建設では、下部工が進む。下部工は17年度も継続されるが、現段階で18年度からは上部工に入る予定となっている▼11年には地震の影響で現橋が通行止めとなり、個人的にも橋を通行できない不便さを実感した。新橋の建設に当たっては、景観検討委員会や詳細デザイン検討委員会なども催され取材したが、地元にとってどれだけ存在の大きい橋なのかを感じた▼同部では、上部工を進めるに当たり、橋桁の色や付属物の詳細デザインを検討するため、詳細デザイン検討委員会を立ち上げた。昨年12月に1回目の会合が開かれ、今年6〜7月頃までに計4回程度会合を行い、委員会での検討結果も踏まえて上部工の詳細を固めることとしている▼橋桁の色に関しては、これまでの検討経過を踏まえ、背景となる豊かな自然にとけこむよう調和する色として、やや明度の低い黄緑色〜緑色を方向性としている。末永く地元などから愛される橋となっていくべく、議論を深めていくことが期待される。

つむじ風2月3日

 「復旧・復興事業が一段落した後の県内建設業は、維持管理が中心」と言われる。行政、業界ともに同じ問題意識を持っているが、業界の軸足をインフラの維持管理へとシフトさせる道筋について、今のところ明確な解答は示されていない▼岐阜大など6県の大学や高等専門学校で構成する「社会資本の整備及び維持管理等に係る人材育成コンソーシアム」が実施する社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成事業では産官学が連携し、地域ニーズに沿ったインフラ維持管理技術者を育成している。受発注者が同じカリキュラムを同時に学ぶことで、お互いの技術や意識レベルのギャップを埋める効果も出ているようだ▼国交省では16年度から、MEを技術資格に登録しているほか、岐阜県では総合評価で技術士と同等の加点項目としている。橋梁補修工事などへの活用を試行する動きもある。維持管理を担う人材確保に向け、発注者が政策的に誘導を図っており、業界の構造改革に向けた一つのモデルと言えそうだ。本県における課題解決の糸口になるかもしれない。

つむじ風2月2日

 手足をバタつかせ、ようやく25bを泳げるようになった頃、三陸海岸のある海水浴場で溺れた。その瞬間から頭が真っ白になり、助けに来た兄にしがみ付いた▼どのくらいの間、もがいていただろうか。いきなり太い腕に抱きかかえられ、岸まで連れて行かれた。命の恩人によると、「最初はふざけている」のだと思ったそうだ。その日は肌寒く、泳いでいる人が少なく、常に視界の中にあったため、異変に気付いたという▼冷静になれば25b泳げるのだから、足が底に付かなくてもどうということはない。ただ、あくまでプールでの話で、足の付かない場所で泳いだ経験はなかった。人はパニック状態になった時、大人でも小学生低学年程度まで知能が低下し、簡単な計算もできなくなるのだという▼地震や台風、豪雨、火災、交通事故…。昨年は台風10号が本県を襲い、年末には糸魚川市で過去20年間で最悪の延焼火災が発生したばかり。危機に直面した時に、頭の中の知識だけでは何の対処もできない。身体で覚えることが大事で、緊急時に訓練以上のことが出来るわけはない。

つむじ風2月1日

 高校生ものづくりコンテスト2016県大会の電気工事部門が先日、北上市の県立黒沢尻工業で開かれた。同日は、高校生と県電気工事業工業組合青年部(小笠原哲也部長)との意見交換会も行われた▼これまで、大会の審査・採点には1時間半ほど要していた。同青年部では、その時間を有効活用できないかと提案し実現。今回で2回目となる。取材をして、大会の自己分析や具体的な将来目標、明確な疑問点など高校生の意識の高さに驚かされた▼人材確保・育成は、電気工事業界に限らず、建設産業が抱える大きな課題。ものづくりの魅力を広く一般に伝えすそ野を広めながら、すでに魅力を持っている人材が入りたいと思うようにしていかなければならない▼特に、高校生は社会のことも会社のことも未知の世界。もしかしたら、ネットで調べて知ったつもりになっているかもしれない。「魅力を伝える」という大きな目標を実現するためにも、面と向かって抱えてる不安や疑問を率直に話してもらい、真剣に応えるという小さな実践の積み重ねが大切となる。

つむじ風1月31日

 陸前高田市の高田松原で進められていた県の高田地区海岸災害復旧事業は、先月7日に防潮堤の主要部分などが完成。先週は、現地が報道関係者に公開され、進捗の状況が説明された▼メーンとなる防潮堤は第1線堤(計画延長1903b。高さはTP+3b)、第2線堤(同2023b。同TP+12・5b)ともに、気仙川水門との接続部を除き約9割が完工。これまでに延べ約16万人が作業に従事。県内最大級となる現場には、約5000人が見学に訪れたという▼現地では12年9月25日に着工式を実施。式では松原大橋周辺で作業開始のセレモニーもあったが、一帯は海しか見えず「本当にこの場所に、そんな巨大なものが数年でできるのか」というのが正直な感想だった。4年2カ月余で、ここまで景色が変わったことは、当時を知る者として驚くばかりだ▼公開日は第2線堤にも上ったが、報道陣からは「震災の津波は、さらにこの高さを越えるのか」との声も。施設を生かしつつ、避難の重要性を伝える場として、防災文化を醸成するシンボルになればと思う。

つむじ風1月30日

 今月中旬以降の日本海側の地域を中心とした大雪、大雪により発生した鳥取での多数の車両の立往生など、大雪によるさまざまな被害が全国各地で発生した。寒さも厳しい日々が続く▼全国で相次ぐ大雪だが、雪国の本県内では地域差があるだろうが、降雪量が少なく感じている人も多いのかもしれない。新年会の席などで、除雪を請け負う業者に話を聞いても、「1月中旬以降、少しは忙しくなった」と話す業者もあれば、「今シーズンはまだ一度も除雪に出ていない」と話す業者も。小岩井農場で2月に開催される「いわて雪まつり」は、雪不足で規模を縮小することとしている▼雪が少ないのは、車の運転や雪掻き作業の低減などの面では助かるが、スキー場などでは死活問題。各種除雪機器を抱える除雪担当業者にとっても、あまりに出動回数が少ないのは企業経営を圧迫する▼いつ見舞われるか分からない大雪だが、各業者はいつでも出動できるよう体制を整えていることと思う。大雪になれば除雪をはじめ、さまざまな面で建設業の果たす役割が期待される。

つむじ風1月27日

 台風10号災害への対応のため、16年度は建設業地域懇談会が行われなかった。代替策として、県建設業協会、県空調衛生工事業協会、県電業協会の3団体と県との間で、「建設業における課題等に関する意見交換会」が開かれた▼以前ある地域懇談会の席で、参加していた県職員が居眠りをしていたと担当記者から聞いたことがある。もう10年近く前のことで、当時は低入札が各地で横行していた時期。業界側としては少しでも窮状を聞いてほしい気持ちがあり、相当に悔しい思いをしたのではないだろうか▼その後もルーティンワークなどと言われながらも毎年実施され、ここ数年は震災復興における施工確保対策も大きなテーマとなっていた。そろそろ復興後を見据えた議論が必要と思っていたところを、台風10号が直撃した形だ▼偶然ではあるが、台風災害が地域懇談会のあり方を見直す機会をもたらした。ルーティンワークを脱して、参加者に居眠りする暇を与えないほどの議論が交わされることが期待される。そこにはどのような舞台設定が必要だろうか。

つむじ風1月26日

 宮古市が事業を進める市道北部環状線(全体延長約3・6`)。2工区に分けて事業を展開し、このうち第1工区となる同市山口〜佐原(約2・3`、県施工区間)が16年12月に開通した。同市や県は、市街地におけるアクセス性の向上などに期待を寄せている▼ドライバーとして実際に走行してみると、同市内の走行環境が格段に向上したように感じる。特に朝夕のラッシュ時。例えば、盛岡市から宮古市街地に入り、田老方面や岩泉方面などに向かう場合、混雑を避けるルートとなり得る▼宮古市は18年度の全線開通に向けて、第2工区の工事を進めている。北部環状線は将来的に、国が整備を進める三陸沿岸道路「宮古田老道路」の下方を通り、交差部では(仮称)宮古北インターチェンジに接続される計画だ▼三陸沿岸道路と北部環状線がつながることで、宮古市の観光振興などへの効果も期待される。道路のつながりを広くPRできれば、より多くの人々に活用されるのではないか。今後も着実に道路整備を進めるとともに、事業効果を訴え掛けることが大切だろう。

つむじ風1月25日

 1986年度に創設された国土交通大臣表彰の手づくり郷土賞。22日に受賞した全22団体がプレゼンテーションし、16年度の一般部門のグランプリに、本県の認定NPO法人・桜ライン311(陸前高田市)の「桜ライン311〜未来へのまちづくり〜」が選ばれた▼同法人は、東日本大震災の記憶を風化させないために、11年10月に発足。発足以降、春と秋の年2回、市内の約170`にわたる津波到達ラインに桜を植樹する活動を展開。これまで、212カ所1020本を植樹。小中学校を中心に、桜並木より上に避難するよう伝承活動も実施中▼植樹は10b間隔で、全体で1万7000本を計画。植樹に至るまでの活動や当日の運営もさることながら、維持管理も大変だろうが、「手間が掛かったほうがかわいい」と代表者は話している。3月18日と25日に、春の植樹会を予定している▼「私たちは、悔しいんです」。その思いから生まれた桜ライン311。将来、170`におよぶ桜の美しさばかりに目が奪われないよう、悔しさを忘れずに伝えていかなければならない。

つむじ風1月24日

 震災の津波で甚大な被害を受けた鵜住居駅前地区に、祈りのパークなど公共施設の集約整備を目指す釜石市。整備の全体調整や発注者支援を行うコーディネート業務も、このほど受託候補者を選定。今後、事業は18年度の完成を目指し、具体化していく模様だ▼駅前には、祈りのパークや駅前ロータリー、津波伝承施設、観光交流施設などの新設を計画。市の震災メモリアルパーク整備基本計画によれば、祈りのパークは鵜住居地区防災センターの跡地付近を盛土し、慰霊の場を盛土の頂上に配置。斜面にはアプローチ用通路の設置や芝生、桜の植栽も予定されている▼祈りのパーク隣に整備される津波伝承施設には、津波の記憶と経験の継承機能を持たせ、防災のための教育・啓発を図る拠点としていく計画だ▼駅前周辺では、高台に小中学校が4月にも開校する予定。さらに19年のラグビーW杯開催に向けスタジアムの建設も計画されている。多くの人に追悼施設へ目を向けてもらい、内外へ防災意識を広めていくためにも、着実に事業を進めていく必要があるだろう。

つむじ風1月23日

 年末年始が穏やかな天候で、今月も上旬は雪の少ない日が続き、今シーズンは雪が少なくて済むかと考えたが、中旬以降は降雪が多くなり、積雪量も増してきている。全国的にも寒波に襲われ、被害が発生している状況にある▼除雪を担当するオペレーターは、忙しい日々を過ごしていることと想像する。県民の足確保に尽力する姿には毎年、頭が下がる思いだ▼除雪により路線の端などに積まれた雪の処理については、行政の方で協力を求めている。先日、業界に多少なりとも関わりがあろうかと思われる企業の従業員らが、敷地内の雪を車道に移動している光景を目にした。ほかに積む個所がなく、車道なら早く融けると考えてしまうのは分からなくもないが、法律上でもオペレーターの日々の苦労を考えても、良い思いはしない▼除雪に勤しむ建設業者の苦労は、どの程度一般に知られているのだろうか。除雪を含めて、どれだけ地域に貢献しているか広く周知する必要性を改めて感じさせられる。浸透していけば、雪を車道に移動する行為は減るものと考えたい。

つむじ風1月20日

 県建設業協会盛岡支部は、県盛岡広域振興局から「災害対策功労者」として感謝状を贈呈された。台風10号災害における応急対応への尽力が評価されたもので、同支部の活動に対しては一般マスコミの関心も高いようだ▼「災害対策功労者」は同振興局独自の取り組みで、災害時の応急活動など地域の安全・安心に特に顕著な功績のあった個人・団体を表彰するもの。災害応急対応に携わる人たちの士気の高揚や、建設企業の施工技術の向上を目指す。過去には、主要地方道盛岡環状線岩姫橋で発生したコンクリート床版の抜け落ち災害の復旧に対応した企業にも、感謝状が贈られている▼同振興局の浅沼康揮局長、細川健次土木部長ともに、災害対応をはじめ建設業の社会的意義を広報することの重要性を説いており、今年度の支部要望の席上、浅沼局長は「県民が建設業の重要性を理解しなければ、制度を少々変更しても意味が無い」との考えも示している。決して派手ではないが、県の出先機関が真剣に業界と向き合う姿が、建設業の理解促進につながっている。

つむじ風1月19日

 今年も荒れた成人式。カラフルな紋付袴を身にまとった一部の新成人の傍若無人な振る舞いにより、式典が中止になった所もある。大半の若者は、真面目に出席しているのだが…。せめて、事前にアルコールチェックぐらいはできないものか▼今年の新成人は、男性63万人、女性60万人の123万人。昨年より2万人増えたものの、7年連続で総人口に占める新成人の割合は1%を割り込んでいる。120万人を割り込むのも時間の問題だ▼新成人は、70年代に急速に減少。その後、一時期は持ち直したものの、90年代後半から減少を続けている。出生率はいくぶん持ち直しているものの、劇的に改善しない限り、日本の総人口は激減していく▼まちに子供の姿が見えなくなった。高齢化の進行もあり、急速に空き家も増えている。国交省は市街化調整区域にある空き家を地域再生に活用できるよう開発許可制度の運用指針を改正した。宿泊施設や高齢者福祉施設などへの用途変更が容易になるという。まちの活気を取り戻す意味でも、既存ストックの活用は避けては通れない。

つむじ風1月18日

 1947年9月に発生したカスリン台風は、本県を襲い、特に一関地域を中心に大きな被害が発生した。今年は、カスリン台風から70年を迎える年となる▼岩手河川国道事務所のホームページでは、当時の様子や被害状況、これまでの歩みなどが掲載されている。同台風により、狐禅寺水位観測所で観測された最高水位は、6階建てのビルの高さに相当する17・58bを記録。人的被害は3659人、住家被害は4万2161戸、被害額は54億円(当時、推計値)という▼昨年8月、気象庁が統計を取り始めて以来初めて東北地方の太平洋側に上陸した台風10号。岩泉町を中心に県内各地で甚大な被害をもたらした。これまで、台風災害が少ない地域と認識されていただけに、その衝撃が大きかった▼今年一年が平和な年であることを願う一方で、地震・台風・豪雨など自然災害(火災を含め)は、いつ起こるか分からないもの。これまでの災害を再認識するばかりでなく、「これまで災害がなく、この地域は大丈夫だろう」という考えは「改認識」しなければならない。

つむじ風1月17日

 震災復興で再建する中心市街地に、(仮称)御社地エリア復興拠点施設の新設を計画する大槌町。施設は15日に安全祈願祭が開かれ、今後、現地で建設工事が本格化していく▼施設は、図書館や多目的ホールなどの複合施設として整備。町の文化発信や市民交流、防災教育の場として、中心的な役割を担う。施設内には震災アーカイブ室も設ける予定。町では大槌の歴史や震災の伝承を、どのような形で発信していくか、完成までの間に内容を詰めていきたいとしている▼施設が整備される中心市街地では、先月、町が想定人口を1135人と提示。計画人口2100人の半数程度に止まっているだけに、安全祈願祭後、平野公三町長は、施設がにぎわいの核となることで、「町内外から中心市街地に住んでみたいという気持ちが醸成されれば」と、整備効果に期待を込めていた▼施設は、18年2月末の完成を予定している。大槌の復興を象徴する拠点施設として着実な施工はもちろん、施設自体の魅力を高める運営方法について十分に検討していくことが必要だろう。

つむじ風1月16日

 厳冬期のこの時期に、現場パトロールを実施する団体も多いことだろう。今シーズンについては、パトロールする現場を探すのに苦慮しているとの話もたびたび伺う。集団でパトロールするとなれば、ある程度規模の大きな工事現場を選ぶことも多いようだが、「見つからない」と担当者は嘆いていた▼パトロールする現場が見つからない状況は、やはり特にも内陸地域で顕著な印象を受ける。会話の中でも、決まり文句の一つでもあるだろうが「何か仕事になるような話はない?」と聞かれることが、また多くなった気がする▼ふと考えてみると、紙面に掲載する事業記事を取材する機会も前年度に比べて減った気がする。取材する機会に恵まれず、しばらく会っていない事業担当者がいると思う面もある▼震災の復旧・復興事業がピークを迎えているが、事業量は今後減少となり、すでにピークを過ぎた感触を持つ人もいるだろう。ピーク後の対策を講じる必要性は前々から語られている。各団体の新年会でも話題に上り、少しでも光が見える話は出てくるだろうか。

つむじ風1月13日

 本紙新年号1日付で、参議院議員の足立敏之氏のインタビューを掲載した。足立氏は建設産業を、自衛隊・警察・消防などと同様、災害時に活躍する実働部隊であると定義。災害時への対応力を保持するためには安定的な仕事量を確保し、一定の利益を得ることが必要だと説いている▼半ば公的な存在である建設産業の社会的意義を的確に表現しており、公共事業費の確保に合理性があることも理解できる。地域建設産業の健全な維持を「公共事業のストック効果」の一つとして、今後は限界工事量や災害空白地帯などの議論をさらに深めていくことも必要だろう▼災害時をはじめとする緊急時への対応力は、全産業を通じても建設業がトップクラス。この点についてはもっと広く一般に知られるべきであるし、業界関係者は素直に誇りに思ってよいと思う▼一方で、災害時への対応力に寄りかかりすぎ、傲慢になってはいけない。自らを謙虚に律しつつ、正しい業界像を発信していく姿勢を貫徹することで、建設業を維持するための公共事業費への理解も深まるのではないか。

つむじ風1月12日

 岩泉町は台風10号災害からの早期復旧へ、3月にも災害復旧工事の発注をスタートする。同町は17年度以降に発注を本格化する見通しで、おおむね3年〜5年での復旧完了を目指す。県は、甚大な洪水被害が発生した小本川(同町)などを対象に、おおむね5年で緊急的な治水対策を施す計画で、17年度の着工を予定している▼同町は復旧上の課題として、県事業との調整を挙げる。県が実施する災害復旧工事・河川改修事業との調整をはじめ、発注時期などに関する連携が必要になるとみている▼県建設業協会岩泉支部の工藤俊治支部長は「工事発注に当たっては、県と町で協議・調整し、スムーズな施工計画につなげてほしい」と指摘。さらに、枝線に入るための国道455号の優先的な復旧を呼び掛ける。同道路は、一部片側交互による通行となっている。施工上の課題は円滑に通行できる道路の確保とし、生コン関係の輸送に懸念を示していた▼被災自治体や県、建設業界などが連携し、課題の克服を−−。復旧完了の実現へ連絡調整の場などを設け、意識を共有したい。

つむじ風1月11日

 本紙5日付の新年特集号で、岩手大学の小笠原敏記准教授は、昨年の台風10号災害を調査し、課題の一つに「水位観測所を少しでも上流側に設置すること」を挙げる。一方で、「コスト面が課題…」とも指摘する▼国土交通省は、従来の技術的枠組みにとらわれない新しい河川管理を目指した「革新的河川管理プロジェクト」を進める。18日にはクラウド型・メンテナンスフリー水位計として、新たな水位計の開発チームの結成に向けたピッチイベント(企業間お見合い)を開く▼今回のクラウド型・メンテナンスフリー水位計プロジェクトでは▽長期間メンテナンスフリー▽省スペース▽通信コスト縮減▽クラウド化でシステム経費縮減▽低コスト(1台100万円以下を目標)│を目標に設定。低コストの水位計・浸水センサーを実用化し普及促進を図る▼ピッチイベント開催後に企業間でチームを組織し、事業計画を作成。各チームにより開発を始め、今夏から現場実証・実装化を予定しているという。さらなる低コスト化を期待するとともに、一日も早い完成が待たれる。

つむじ風1月10日

 今年の各業界紙の新年特集号に目を向けると、国土交通省で取り組むi│Constructionに関連するものを大きく取り上げる新聞が多い印象を受ける。弊紙でも1日付の紙面で、国や県の動向、県内における先進事例などについて取り上げた▼i│Constructionの目的は、建設現場の抜本的な生産性向上。建設業従事者の高齢化や担い手不足などに起因する生産性低下といった課題の解決に向けた取り組みとなっている。県内でも対象工事が発注され始め、今年は取り組みがさらに活発になっていくことが予測される▼生産性向上とともに、担い手の確保に向けた取り組みも喫緊の課題。この週末は、成人式を催した市町村も多かったが、総務省で発表した1月1日現在の人口推計による1996年生まれの新成人は123万人で、2年ぶりの増加。総人口に占める割合は、7年連続で1%未満の0・97%となっている▼減少傾向にある次代を担う人材を、いかに建設業へ取り込んでいくか。どんな策が講じられていくかにも注目していきたい。