5月のコラム集
つむじ風5月26日

 先ごろ過去の記事を調べていた際、05年3月の県営建設工事における電子入札第1号案件の開札式の記事を見つけた。「33社が入札に参加し、うち3社が低入札価格調査制度の調査基準額を下回り保留」という結果には笑ってしまったが、何やら以降の状況を暗示しているようでもある▼いまでは電子入札、条件付一般競争入札、総合評価落札方式は県工事の標準仕様。当時は「市町村に電子入札と総合評価が拡大する流れは止まらない。時計の針は逆戻りしない」と言われていた。実際は10年経った今でも、盛岡市を除く全市町村は依然として紙入札であり、総合評価落札方式の実施状況も至って低調。実現したのは条件付一般競争入札の拡大ぐらいか▼先ごろ県工事でのICT活用工事の第1弾が公告された。i―Constructionへの対応として、今年度は7件ほどを発注予定とのこと。ICT活用工事も大きな流れとして業界の対応が不可避であるが、地方ではどのレベルまで拡大するか。過去からも学び、間違いのない対応をしていく必要があるだろう。

つむじ風5月25日

 野田村が東日本大震災後に整備を進めてきた土地区画整理事業や都市公園事業。6月にも両事業の工事が完成する。同月11日には同村の現地で竣工式が催される予定だ。同村の震災復旧・復興は、地域の振興などのステージに移行していく▼両事業の事業主体は同村で、いずれも13年度から工事を進めてきた。土地区画整理事業の事業面積は約12・9fで、道路約3・6`や公園7カ所、宅地132区画、避難誘導施設を整備。都市公園事業の事業面積は約19・0fとなっており、緑地約8・3fをはじめ、管理棟や展望休憩棟などを整備している▼村中心部では区画整理を経て、新しいまち並みが形成され始めている。市街地よりも海側においては、津波浸水区域の一部を災害危険区域に指定し、都市公園事業を実施。津波被害の軽減を図るための津波防災緑地を整備した。平常時は憩いの場となる▼区画整理後のまち並みを背に、新たな公園には多目的イベント広場や芝生広場などが配置された。内外の人々が集う場として、にぎわい創出に向けた活用のアイデアが鍵になる。

つむじ風5月24日

 「日本の水辺に新しい時代が来た」。国土交通省は、1997年の河川法改正から20年が経過することを契機に、東京都内でそのインスパイアプログラムとして「水辺の時代を開く」を6月4日に開催し、日本の水辺の可能性を探る▼20年前の法改正で、河川管理に環境の二文字が加わり、「河川環境の整備と保全」が法の目的として明記された。最近では、河川をほとんど意識していなかった人や民間事業者が、河川の外から改めて河川の価値を見出すなど新たな動きが始まりつつあるという▼昨年、本県を襲った台風10号。普段は穏やかに流れる河川が、一瞬にして濁流となり周辺をも飲み込み、岩泉町を中心に多くの河川や水辺が被害を受けた。今後、河川や水辺を考える上で、それらの安全・安心が確保されているということが大前提だろう▼暑い日が続くと、水辺で涼を求めたくなる。梅雨に入れば、河川を意識する機会が増えてくる。改めて、河川・水辺を意識することで、環境面ばかりでなく災害を含め、新たなつながりの構築につながるのではないだろうか。

つむじ風5月23日

 釜石市では魚河岸地区で新魚市場が完成し、先週、供用を開始。今後は、13年から稼働している隣の新浜町魚市場と併せ、市水産業の本格的な復興に取り組んでいくことになる▼今回完成した施設の規模は、鉄骨造2階建てで、延べ床面積は約6500平方b。建物幅は約165b、奥行き約35bで整備。鳥獣の侵入を防ぐ閉鎖型構造を採用したほか、陸揚げから出荷までの一連の作業効率を上げる配置を行い、鮮度管理や陸揚げ機能の強化を図っている▼釜石魚市場の年間水揚げ額は、80年代には100億円を超えていたが、国際的な漁業規制や水産資源の減少により、震災前には30億円程度となっていた。震災後はさらに落ち込み、昨年度は約17億円にまで減少。市では当面の目標として、新施設の下、水揚げ額を震災前の水準へ戻していきたいとしている▼周辺には、「にぎわい創出施設」の新設も計画されている。釜石駅前にある市場施設とのすみ分けなど、ソフト面の充実を図り、「魚のまち」の再生、地域の特色を生かしたにぎわいづくりを目指してほしいと思う。

つむじ風5月22日

 例年、春時期は強風の日が多いイメージがあるが、今シーズンは特にも強風の日が多い印象を受ける。釜石での山林火災も乾燥と強風で被害が広がり、避難指示も出される事態となった。他地域でも強風で道路に倒木したことで、車両が下敷きとなる被害が発生。屋根のはがれ、倒木を起因とした停電なども起きている▼春時期の強風は、南北の温度差が大きいことが要因で、長いときには5月中旬辺りまで強風の日が続くこともあるようだ。5月も下旬になったことで、少しは落ち着いてくるかと思いもする▼自然災害というと、地震や大雨などを最初に思い浮かべがちだが、風による災害も大きな被害になり得る。強風による倒木、倒木を起因とした土砂崩れなどによる復旧で、業界の力が必要となる機会があるかもしれない。地震や大雨とともに、強風時も状況を注視したい▼天候に関しては、気温の寒暖差も大きくなっており、真夏を思わせるような気温が予報される日も見受けられる。体調管理に対する注意も必要な時期だ。徐々に梅雨時期も近づいてきている。

つむじ風5月19日

 東日本建設業保証滑竡闔x店は、中間前払金制度に関するアンケート結果を取りまとめた。中間前払金制度を利用したいという企業は約8割と高いニーズがある一方、手続きの煩雑さを嫌い利用を避ける傾向があることも分かった▼企業が「手続きが面倒」と考える背景の一つとして、認定請求書に履行報告書以外の提出を求められるケースが多いことが上げられる。履行報告書のみで認定調書が発行できることをPRするなど、業界側には制度が利用しやすい環境を自らつくっていく姿勢が求められる▼一方の発注者側には、適用される工事金額の範囲や工期を見直すなど、ハードルをできる限り低く設定する工夫が期待される。アンケート結果でニーズの高さは理解できたと思う。発注者が制度の内容を理解し、実際の利用につながる施策を講じることが必要だ▼今後は公共事業の長期的な縮小が見込まれ、特にも地方の中小建設企業の資金繰り悪化が予想される。資金繰り円滑化における一手法としての中間前払金制度は、発注者にとっても有益ではないだろうか。

つむじ風5月18日

 東京に行くと、多くの外国人を見かける。12年以来、訪日客数は4年連続で増加。政府によると、16年は前年比21・8%増で、2400万人を突破した。欧米からの訪日客も増えているが、やはり中国、韓国、台湾など東アジアからが大半を占める▼中国からの訪日は600万人。サングラスを掛け、自撮り棒を使って撮影している中国人をよく見掛ける。ただ団体で東京や京都、富士山などを巡っての「爆買い」は沈静化し、個人による体験型の旅行も増えているとか▼今後は、東京や京都などの代表的な観光地から、地方に足を伸ばす人たちも増えていくはずだ。その中で東北地方整備局と東北運輸局は、「観光ビジョン推進東北ブロック戦略会議」を設置。海外直行便の新設や既存路線の増設、観光案内所や観光拠点情報・交流施設の機能強化など環境整備を進め、東北6県の外国人延べ宿泊数150万人(15年の3倍)を目指す▼北海道や北陸など他の地域にも魅力ある観光地は多い。あとは東北6県が一体となって、いかに外国の人々に魅力を伝えられるかだ。

つむじ風5月17日

 「写真ありがとうございます」とのタイトルで送られてきた1件の電子メール。送信元には見たことあるような名前。内容は、ぎこちない日本語で添付ファイルを開いて確認してほしいとあった。最近、この手のメールが増えている▼会社、個人のアドレスに日々送られてくるメール。これまでは件名と相手先を見れば、安全かどうかある程度は判断できた。近ごろは、思わず内容を確認しなければならないような巧妙なメールも多くなってきている▼きょう17日は、1865年に万国電信連合(現在の国際電気通信連合)の設立にちなんで「世界電気通信の日」という。約150年でここまで電気通信が発展すると、どれほどの人が予想できただろうか。さらに150年先は一体どのような環境になっているのだろうか▼電気通信の恩恵を挙げればきりがないが、先ごろ発生した大規模なサイバー攻撃に見られる弊害も…。今後、電気通信の技術は進歩し、映像や音声、文字などを伝える速さや正確さはさらに増すだろう。便利さと慣れに潜む危険性を忘れてはならない。

つむじ風5月16日

 大船渡市中心部の大船渡駅周辺、津波復興拠点整備区域内で、先月末にオープンを迎えたテナント型商業施設。先週、現地を訪れてみたが、多くの市民が利用しているようで、徐々ににぎわいが戻りつつある様子だった▼開業したのは、昨年から地元商業組合と、まちづくり会社「潟Lャッセン大船渡」が整備を進めていた商業施設。テナントには飲食店や、海産物をはじめ衣料、菓子、雑貨などの物販などが入る。一部、営業が始まっていない店舗や内装工事中のテナントも見られるが、駐車場も広く、1カ所でさまざまな用が足せそうだ▼昼食を域内の店舗で取ったが、店主は以前、近くの仮設屋台村で営業していたとのこと。「仕事帰りに、解体中の屋台村を見ると『震災から、ここで5年間、頑張ってきたんだな』と思うことがある」と、感慨深げに語っていた▼復興に向け、商業の本設施設が形になった同市の中心市街地。今後は、大船渡の特色を生かし際立たせた、持続的な商業振興を図るとともに、他地域へ中心部のにぎわいを波及させていく工夫も必要だろう。

つむじ風5月15日

 2000年代頃から日本でも取り入れ始められたとされる学生のインターンシップは、現在では一般的なものとなった。業界でも受け入れている企業は多く、その様子を取材する機会もある▼インターンを経緯に入社した若手社員もいるようだが、インターンの受け入れを呼び掛けても誰も来ないケースが多々あるようだ。担当者は「新入社員を採ることも視野に受け入れようと思ったのに」と嘆いていた▼県内の学生の就職状況は、岩手労働局によると高校・大学の県内就職率で上昇傾向に一方、専門学校など技術を身に着けた学生は、県外へ就職する割合が上がってきているとの結果。県内の短大でも同様の結果となっている▼県外への就職を希望する学生には、さまざま要因があるだろうが県内に求人があるのに、県外へ流失していくのはもったいない。本人の希望を最優先させるべきだが、企業には仕事の魅力を周知するともに、学校側も学生が県内企業へ就職したいと思わせるような策が必要に感じる。企業側や業界と学校が協力し合っての対応策が必要に思う。

つむじ風5月12日

 県内における新規高卒者の就職後3年以内の離職状況を見ると、ここ数年の建設業の離職率は、4割強から5割強。岩手労働局によると、12年3月末卒業者の約3割は1年以内に退職している。単年ごとの振れはあるとしても、本県建設業では高校を卒業して就職した人の半分が3年以内に辞め、うち半分は1年以内に会社を去っていることが分かる▼先ごろ開かれた「建設労働者確保育成事業推進委員会」の席上、若年労働者の確保も話題に上がり、業界側からは「建設業を辞めて、他の業種に就く人もいる」との問題意識も示された。今後は入職促進という入口部分だけの対策にとどまらず「いかに長く勤めてもらえるか」がより重要な課題になるだろう▼入社1年目、3年目、5年目などの節目に応じたキャリア教育、資格取得をはじめとするスキルアップに加えて、若年労働者同士のコミュニティー的な場づくりも必要になるかもしれない。これら課題への対応は、特にも小規模企業にとってハードルが高い。業界団体の役割が一層重要になってくるものと思われる。

つむじ風5月11日

 16年台風10号災害で甚大な被害を受けた岩泉町。県は同町内の道路の災害復旧や河川改修だけでなく、砂防事業についても安全な暮らしを確保するための重要施策と位置付けている▼県内では、台風10号により同町二升石や宮古市川井などの家屋が土石流などで被害を受けた。県内の多くの個所で土砂災害が確認された一方で、既存の砂防堰堤が効果を発揮し、土石流の被害を防止していたことも分かった▼県によると、同町内の主な施設効果事例として、石畑沢砂防堰堤や大石沢砂防堰堤において、それぞれ約5000立方bの土石流を補足し、下流への被害を未然に防止した。山岸の沢(2)砂防堰堤や泉沢川砂防堰堤でも土石流を補足した▼県は台風災害を教訓に、岩泉管内の25カ所で新たな砂防事業の実施を計画している。今後、用地交渉などを進めていき、準備が整った所から砂防堰堤の整備に入っていく方針だ。事業個所が点在していることから、同町との連携や調整も重要になる。地域の暮らしの安全に寄与するものとして、事業の推進に力が注がれる。

つむじ風5月10日

 ある小中学校の校歌を聞く機会があった。小学校は手拍子を交えた明るい歌声が、中学校では男女のきれいなハーモニーが、それぞれ会場内に響いていた。自らも歌ったであろう母校の校歌を思い出そうとしたが出てこなかった▼多くの小中学校でホームページを開設しており、母校でも校歌を紹介するコーナーを設置。「ラララ ララララ」という特徴的なフレーズを目にしても、ピンとこなかった。音声データがあり、出だしの音を聞くと、歌詞とメロディーが一致。目をつぶっても口ずさむことができた▼校歌や校章の由来を見ると、それらに込められた思いに感慨深いものがあった。ページ内には、作詞・作曲者名も記載されていた。作詞者は母校にゆかりがあり、多くの校歌を手掛けた人物。当時は分からなかったが、新たな発見だった▼ただ、すっきりした気分も束の間だった。ネット上では、噂の類の情報も多く挙げられていた。あふれる情報は、こんこんと湧き出る清水ではなく、洪水に例えられている現在。改めて情報に対する向き合い方を考えさせられた。

つむじ風5月9日

 町道三枚堂大ケ口線の(仮称)三枚堂大ケ口トンネルに着工した大槌町。震災の津波浸水エリアを経由せずに、三枚堂地区と大ケ口地区を結ぶもので、完成後は、内陸部の安全安心な暮らしを支える路線が確保されることになる▼ルートは同町小鎚の三枚堂側で、町道小鎚線から山側を緩やかなカーブを描くトンネルで抜け、大ケ口住宅地を通る町道大ケ口線と接続するもの。トンネルの延長は1035b。幅員は車道部が同6・5bで、片側1車線の2車線で整備される▼掘削工事は、大型連休が明けた今週くらいから本格的に動き出すとのことで、順調に進めば、貫通は18年5月ころを予定。全体完成は19年3月を計画している。現場周辺では大槌川、小鎚川に架かる橋梁についても整備事業が動いており、トンネルとの一体的な活用による利便性の向上に、期待が寄せられている▼沿岸各地で進められる震災を教訓とした新たな道路づくり。災害に強いルートの形成とともに、地域間の連携、コミュニティの醸成にもつなげることで、復興を支えるものになればと思う。

つむじ風5月8日

 国土地理院と水管理・国土保全局は、内閣府などと協力。防災に関する地理空間情報の活用とオープンデータ化を推進するため、スマートフォンなどで動作する防災アプリケーションを公募している▼14年度から実施しており、第1回の防災アプリ賞には、日常ナビも可能で避難所などの防災情報も表示できるアプリなどを選定。15年度は、AR(拡張現実)を用い、スマホのカメラを通して現実の風景に災害予測情報を写し出すことができるアプリなどが選ばれている▼国土地理院では、防災アプリに関するアンケート調査を実施し、その結果を今年3月末に公表。防災アプリへの意見や要望として▽利用テーマを特定したアプリは焦点が絞れるので分かりやすい▽インストールの手軽さが重要▽アプリの対応エリアの全国化│などを挙げている▼意見・要望の中には、防災訓練時にアプリを活用した事前シミュレートが重要との声も。利用者の声に耳を傾けながら、災害リスクを想定内にするようなアプリを開発してほしい。どのようなアプリが選ばれるのか注目したい。

つむじ風5月2日

 ラグビーワールドカップ2019の開催に向け、(仮称)釜石鵜住居復興スタジアムの工事に着手した釜石市。4月27日には安全祈願祭が行われ、今後、19年9月の開幕に合わせ、施設の整備が本格化していく▼建設場所は、被災した鵜住居小学校と釜石東中学校の跡地などを含む、約9fのエリア。現地は平均約5bほどを盛土し造成されており、工事ではここにメーングラウンド1面とサブグラウンド1面を新設。施設内のスタンドには常設で6000席、仮設で1万席の計1万6000席が設置される▼安全祈願祭の後、野田武則市長は、スタジアムのコンセプトである「羽ばたき」と「船出」を踏まえ、「被災地の新しい時代を切り開いていくためにも、施設が地域、三陸、岩手全体の発展に向けた出発点になってくれればありがたい」と語っていた▼「災害の教訓を伝えつつ生きていく姿、希望を持って未来へ向かっていく姿を、施設を通じ発信していければ」とも。被災地の思いを集約し世界へ伝えるためにも、着実な整備を図り、大会の成功につなげてほしい。

つむじ風5月1日

 国交省や平泉町で整備を進めた道の駅平泉が、先月27日にオープンした。オープン直後から、126台収容可能な駐車場は満車。近隣の駐車場だけでなく、周囲の車を駐停車できるようなスペースにも車が多く立ち並んだ。平日にもかかわらずこれだけの来訪者が詰めかけているのを目の当たりにし、待ち焦がれていたのを強く感じた▼道の駅は、ドライバーの休憩や道路情報の提供、地域振興施設といった機能を持つほか、防災拠点としての機能も近年は担うようになった。全国で1100を超える登録数になっている▼大型連休の期間に入っているが、各道の駅も観光客らで賑っていることだろう。道の駅自体の賑わいもだが、道の駅を拠点として各地を周遊する観光客が多くなることが願われる▼道の駅平泉に関しては、春の藤原まつりの3日に開催される「源義経公東下り行列」に際して、さらに来訪者が多くなると想像する。今後、県による平泉の文化遺産などを紹介するガイダンス施設の建設も計画されており、道の駅を生かした地域振興への期待は大きい。

つむじ風4月28日

 台風10号災害からの復旧工事が本格化する17年度。用地取得に関連する事務量も大きく増大するものと見込まれる。繁忙期は設計や工法の決定後だろうが、県では岩泉土木センターの用地職員を増員するなどして対応を図っている。併せて民間の補償コンサルの活用も進むものと考えられる▼用地業務は個人の資産に関わる部分を担うことから、民間に委ねがたい部分も多いと思われるが、災害時に顕在化するとおり、行政機関も実は慢性的なマンパワー不足。民間に委託する範囲の拡大は避けられない流れだろう▼日本補償コンサルタント協会東北支部県部会の吉田昭夫会長は以前より、民間補償コンサルの業務領域の拡大を提言。特にも災害時においては「用地の専門家が行政を支援することで、職員が本来業務に専念できる」と、その有効性を説いている▼吉田会長は、県や自治体との災害協定の締結、国土交通省が進める災害復旧支援業務の民間委託への対応なども図っていく考え。東日本大震災の教訓を将来に生かすためにも、幅広い分野での官民連携が望まれる。

つむじ風4月27日

 潟uランド総合研究所は毎年、全都道府県の魅力度ランキングを発表している。16年のトップは北海道で、8年連続。順位は入れ替わっているものの、京都や東京、沖縄など上位11位までは前年と同じ都道府県で占められている▼なるほど上位を占めている都道府県は、複数の有名観光地が頭にすぐ浮かぶ。北海道や沖縄などは、大都市圏からの距離もあるため、容易に訪れることができない。そのため、憧れも強いのではないかと推測するのだが…。首都圏に近い茨城や群馬、栃木などのランクは毎年下位だが、何度も足を運んでいるため、逆に魅力が感じられないのではないか▼本県は前年より8ランク下がっての36位。東北では4番目となっている。ランクの上がり下がりに一喜一憂しても仕方ないが、全国から本県がどのようなイメージを持たれているのか気になる▼県内では、復興道路、復興支援道路の整備が急ピッチで進められている。それらを今後、どのように滞在交流型の観光振興に結び付けていくか。釜石で開かれるラグビーW杯も間近に迫っている。

つむじ風4月26日

 自転車活用推進法が5月1日から施行される。同法の施行にあわせ、国土交通省道路局に「自転車活用推進本部事務局」を設置し、自転車の活用を総合的・計画的に推進する▼同法では、基本方針に自転車専用道路・自転車専用通行帯や高い安全性を備えた良質な自転車の供給体制の整備を掲げ、災害時の自転車の有効活用体制の整備なども挙げている。県や市町村には「区域の実情に応じた自転車活用推進計画を定めるよう努める」とも▼春になり、自転車での通勤・通学する人が増えてきた。多くは安全に気を付けて走行しているが、中には夜間の無灯火、信号無視、スマホを操作しながらの走行、猛スピードでの走行…。自転車活用を推進する上で問題となる行為をする人がいるのも事実▼冬期間でも安全・快適に通行できる自転車走行空間があればと思うが、整備に比例して事故が増えたのでは意味がない。自転車が危険なわけではなく、操作する人によって危険度が増すことを忘れてはならない。便利さに潜む自転車の危険を周知徹底することにも力を入れたい。

つむじ風4月25日

 春の陽気の中、各地で桜祭りが開かれている県内。23日には北上市の展勝地へ出かけたが、現地は満開の桜の景色を楽しもうと、大勢の観光客でにぎわっていた▼ただ、日曜日ということもあって周囲の道路は大渋滞。正直、桜を見る時間よりも、渋滞で車の中にいる時間の方が長かったが、東北有数の桜の名所だけに、北上川沿いで咲き乱れる桜並木の姿は圧巻。屋台などをレストハウスのある区画に集約して置いたことで、桜の景観が確保され、より満開の景色を楽しめたように思う▼駐車場には札幌や庄内ナンバーなどの車もあり、県外からも大勢訪れていた様子。さらに、記念写真を撮っている観光客からは中国語らしき会話も。日本の桜は海外でも人気が高いようで、嬉しそうに桜並木にカメラを向ける外国人観光客の姿を多く見掛けた▼桜の名所に限らず、県内には数多くの観光スポットが存在する。さらなる観光産業の振興に向け、アクセス方法や景観への配慮、さらには外国人観光客への対応など、ソフト・ハードの両面で充実を図っていく必要があるだろう。

つむじ風4月24日

 県内も各地で桜が開花し、春本番を迎えている。もう少しすれば、田植えの時期にも入ってくることとなり、各農家では田植えの開始に向けた準備を進めていることだろう▼世界遺産への追加登録を目指す国の重要文化的景観・一関市厳美町本寺地区の骨寺村荘園遺跡でも田植えを控え先日、土水路の清掃が実施された。県建設業協会一関支部や一関市水道工事業協同組合が活動に無償で協力しており、その活動も10年目を迎えた▼この10年の間、毎年2回活動が行われてきているが、地元からは管理がしやすくなったとの声も多く聞かれるようだ。地元農家の方々を見ると、やはり高齢化が進むのを感じ、スコップを杖のようにして歩きながらも、懸命に泥上げに取り組む姿が多く見られる▼地元業界が遺跡内農地の管理を手伝うことは、地域に寄り添いともに頑張っていこうとする最たるものに感じる。地元にとっての目標の一つが、世界遺産への追加登録だが、活動が目標の達成につながることを信じたい。今年は、追加登録に向けた節目の年になるともされている。

つむじ風4月21日

 昨年1年間、県内建設業における労働災害による死傷者数(確定値)は263人。前年から4人、増減率にして1・5%の減と、小幅ながら4年連続で前年を下回っている▼東日本大震災以降のピークである13年度の302人と比較すれば、39人、12・9%の減。震災からの復旧・復興事業が最盛期を迎えている中にあっても、労災の増加に歯止めを掛けている状態。岩手労働局や建設業労働災害防止協会県支部など関係機関の努力の成果だろう▼今年度からは、台風10号災害からの復旧・復興工事が本格化する。山地や急傾斜地、狭隘な土地など、施工条件の厳しさは震災復興事業以上だろうか。「災害年を含む3年間」という復旧工事のタイムリミットも、各工事の工期を窮屈にすると思われる▼ここ数年続いている労災減少の流れを止めることがないよう、過度な価格競争の緩和や適切な工期設定など、発注者のさらなる努力も期待されるところ。復旧・復興における「建設業界の献身的な対応」が「建設労働者の安全を犠牲にする」という意味であってはならない。

つむじ風4月20日

 駅を中心としたまちづくりや駅前の賑わい創出を−。普段の生活や取材活動の中で、よく耳にするキーワードだ。県内においても地域振興策の一環として、まちの顔となる拠点施設の整備や計画作成が各所で進んでいるように感じる▼私の住むまちでは、図書館や音楽スタジオ、産直などの機能を備えた拠点施設がある。自分自身が学校に通っていた頃に思いをはせ、この施設があれば物事に対する興味の幅を広げられたのではないか、と思う▼宮古市は東日本大震災を教訓として、市民交流や防災の中核をなす中心市街地拠点施設を建設中。久慈市では図書館や市民活動拠点の機能などを有する複合施設の整備を計画し、新市立図書館基本計画の策定に向けたパブリックコメントを実施中だ。よりよい施設の整備へ、地域住民のアイデアが重要になる▼地元の友人との会話の中で、まちなか拠点施設にあるレストランなどの話題になることも。そっと立ち寄れる交流・憩いの場。未来の子どもたちが交流や知識を深め、地域の成長につながる施設とすることが望まれる。

つむじ風4月19日

 「乾杯」の声があちこちから聞こえてくる季節。新たな職場、新たな環境、迎える側、迎えられる側。乾された杯には「まずまず」と新たな酒を注ぎ、注がれ。せっかくの料理にあまり箸を付けないまま、「宴もたけなわですが」の声が…▼国内のいわゆる食品ロスは推計で約632万d。世界中で飢餓に苦しむ人々への世界の食料援助量(14年で年間約320万d)を大きく上回っている。日本人一人当たりに換算するとお茶碗約1杯分(約136c)の食べ物が毎日捨てられている計算になる▼環境省では、食品ロス削減運動の一つに、宴会時の食べ残しを減らすため「3010(さんまるいちまる)運動」を展開中。具体的には、乾杯後の30分間は、席を立たずに料理を楽しむ。お開きの10分前になったら、自席に戻り再度、料理を楽しむ▼空腹時にいきなりアルコールを入れるよりは、ある程度お腹を満たしてからのほうが体にとっても良いとのこと。一人で実施することは難しいが、あいさつや乾杯の際に一言、3010運動に触れ参加者と共有し、さらに広めたい。

つむじ風4月18日

 毎春、花粉症になっているが、最近は症状も落ち着き、今期の花粉飛散も徐々にピークを過ぎた様子。季節の変わり目を迎える時期。体調管理には十分気を付けていきたい▼建設企業の安全衛生大会を取材すると、生活習慣病の予防に向けた講演を、よく目にする。予防対策では、特に全国的にも県民の食塩摂取量が多いことから、塩分を控えるよう呼び掛けられている。摂取基準も示されているが、「現状では、減塩し過ぎるということはない」との指摘も。脳卒中の危険因子になるだけに、さらなる取り組み強化が必要だ▼講演では、塩分だけでなく中性脂肪の抑制などについても取り上げられている。「炭水化物の重ね食いをしない」「同じものを食べ続けない」など、栄養バランスに注意しつつ、主食、主菜、副菜の基本形を守った食事を心掛けたい▼沿岸被災地などには、官民ともに単身赴任者も多いはず。外食が増え、食生活がどうしても乱れがちになるだけに、定期的に健康管理をチェックする機会を設け、生活習慣を見直していくべきだろう。

つむじ風4月17日

 建築工事に関して取材していると、保育所を新設する物件をたびたび目にする。建物の規模は従来の保育所と比べ小さいものが多く、小規模保育所の整備もだいぶ進んでいる感触を持った▼小規模保育は、0│3歳未満児を対象とした定員が6人以上19人以下の少人数で行う保育。核家族化に伴う地域の絆の希薄化や子育て世代の孤立など、子どもと親の双方が人との関わりが少なくなってきていることや、都市部では待機児童があふれる一方で地方では子どもの減少による保育所の廃園など、地域による子育て環境の偏りがでてきていることなどから法制化させて設置が増加傾向にある▼公共施設の老朽化対策が課題となっているが、公立幼稚園や保育所においても築年が経過している施設が多く見られる。市町村によっては再編計画を立てて、改築が必要な施設の今後の対応として集約化や廃止などの措置をとることで見込んでいる▼特にも保育園に関して、待機児童の解消へ対応は急務な状況にある。着実な施設整備、保育士や幼稚園教諭の育成・確保が望まれる。

つむじ風4月14日

 盛岡広域振興局土木部はこのほどDVDを作成した。「まちをつくり 地域を支える 安心を未来へつなぐ建設業」をテーマに、台風10号災害への地元企業の対応や建設ICTへの取り組みなどを紹介している▼地元建設企業の重要性をPRする取り組みは、盛岡広域振興局が他地域を大きくリードしている印象。災害対策功労者制度や独自の優良建設工事表彰など、地元企業の価値向上に多様なツールを活用しており、今後も継続することが期待される▼以前にも当欄で指摘したことだが、建設業振興対策は振興局など出先機関に任せた方が良い結果につながるのではないか。マクロな産業政策は別として、より現場の近くにこそ、アイデアの種が埋まっている可能性がある▼インフラ整備に関する議論も同様。地域ごとに異なるニーズを掘り起こし、事業として育てることができるのは、より現場に近い場所。その際には、地元の建設企業やコンサルとの連携も必要になってくるはずだ。建設業の価値を高めると同時に、新たな事業への好循環を生み出す仕掛けが求められる。

つむじ風4月13日

 これまで基礎掘削や仮設備工が行われていた県営簗川ダムが、1日から堤体コンクリートの打設に入った。初打設式では、基礎掘削で削られた岩盤の上に、バケットからコンクリートが流し込まれた▼簗川ダムは、治水対策・発電・水源確保を目的とした多目的ダムで、堤高77・2b、堤頂長249・0b、堤体積23万立方bの重力式コンクリートダム。今後、約3年かけてコンクリート打設を進めていく▼近年は全国各地で局地的な豪雨が多発しており、ダムの洪水調節効果が重要視されている。13年の台風18号では、四十四田ダムと御所ダムの洪水調節で、盛岡市の浸水被害を防いだ。洪水調節がなければ、約3200億円の被害が発生したという▼当時、簗川など他の流域も豪雨に見舞われていたら、洪水被害を食い止めることができたか定かではない。打設開始を機に、簗川ダムの早期完成を願いたい。一方で、既設ダムが全国で一斉に老朽化の時期を迎える。胆沢ダムを除く北上川4大ダムも建設後、相当の年数が経った。湯田ダムは、既に60年以上が経過している。

つむじ風4月12日

 10年前は、ブログ型だったという。最近では、ドローン、消せるボールペン、自動ブレーキ、ロボット掃除機、奇跡の一本松…。何かと言えば、日本生産性本部が発表する新入社員のタイプを命名したもの。17年度は「キャラクター捕獲ゲーム型」とか▼説明には「キャラクター(就職先)は数多くあり、比較的容易に捕獲(内定)できたようだ」と。飽きやすい傾向を指摘し、モチベーションを維持するためにも新しいイベントを準備。飽きさせぬような注意が必要│とのトリセツまで示されている▼同本部では、入社半年後の意識変化の調査も行っている。昨秋の結果では、「条件のよい会社があればさっさと移るほうが得である」が54・6%、「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場が良い」が86・3%。世代の特徴を捉えているのだろうか▼新しい仲間が入ってくる季節。建設産業界にとって、人材育成とともに、i│Constructionへの対応も急務。あれもこれもと眉間にしわが寄りそうだが、雅量を忘れずにいたい。