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2026年
10月1日(木)
11:35

コラム集

●つむじ風 10月1日
 盛岡市の都南文化会館キャラホールで9月29日に開かれた「第71回県産業安全衛生大会」。建設業労働災害防止協会県支部(向井田岳支部長)をはじめとする多くの関係者が一堂に会し、表彰や事例発表、特別講演などが行われた。参加した一人ひとりにとって、労働安全衛生活動の原点に立ち返る機会となったことだろう▼参加者を代表して、県森林整備協同組合の佐藤茂樹さんが大会宣言を実施。第14次労働災害防止5カ年計画などを踏まえつつ、「岩手においては、転倒災害が依然として多く発生している。参加者の一人ひとりが労働災害防止に向けた決意を胸に、一層の安全衛生活動の推進と労働災害の撲滅に全力で取り組んでいく」と宣言していた▼大会の一場面としては、理学療法士による転倒防止体操の実演も。参加者ら全員で、深呼吸に始まり、スクワットや重心移動、足踏みなどの体操を行った▼建設業は裾野の広い産業で、多くの人が現場などで活躍している。労働安全衛生と健康管理に対する機運を高め、働きやすい職場環境づくりを進めたい。
●つむじ風 9月30日
 気象研究所は、8月に千葉豪雨をもたらした線状降水帯の解析結果を速報としてまとめた。「スコールライン型」の降水システムが停滞したものであることが明らかになった。雨雲は高さ15キロを超えた▼線状降水帯には主に三つの形態がある。バックビルディング型、バックアンドサイドビルディング型、そしてスコールライン型だ。発達した雨雲(スコールライン)自体が上空の風に流されて比較的速く移動し、通過時に短時間で激しい雷雨をもたらす▼通常は速い速度で暖湿気側に向かって移動するが、今回は東向きに移動する力と太平洋から流れ込む東風が均衡し、移動速度が大幅に抑えられた。また、積乱雲の内部に直径2~5キロほどの渦が存在し、局所的に上昇気流を強めて降水粒子の形成を促し、特に強い雨をもたらす一因になった可能性もある▼豪雨は人命だけでなく、道路や河川、建物など地域の基盤にも傷を残す。台風シーズンを前に、地域の守り手として現場の安全と災害への即応力が欠かせない。科学の知見を備えに変え、地域を守る力につなげたい。
●つむじ風 9月29日
 県内は稲刈りが本格化するなど、秋の収穫時期を迎えつつある。一方で、クマとの遭遇リスクの高まりも懸念されるところ。自治体からは遭遇しない対策など、改めて注意が呼び掛けられている▼今後は冬眠に備え、食べ物を求めてクマの行動が活発になっていく。秋の行楽シーズンで、登山やハイキング、紅葉狩りなどの機会も増えるはず。自治体側は出没情報のあった場所や、ドングリ、栗、柿などクマの餌となる所には、なるべく近づかないよう注意を促している▼クマを引き寄せない対策も重要だ。隠れる場所をつくらないため車庫や小屋の戸締りはもちろん、収穫後の農作物、家庭の生ごみを野外に放置しないこと、家の周囲にあるハチの巣や、収穫しない柿、栗などは放置せずに取り除いておくことも必要だろう▼建設業界でも、クマ対策に向けた指導が展開されている。本格的な秋を迎える前に建設現場での対応として、いま一度、作業員らの存在を知らせるクマ鈴などの準備、出会ったしまった時の撃退スプレーの使用手順を確認しておきたい。
●つむじ風 9月28日
 「ギョウザのまち」で知られる栃木県宇都宮市。1世帯当たりの購入額は、実をいうと浜松市に負けているらしい。それはさておき、人口、経済規模ともに北関東最大。近年は次世代路面電車システム(LRT)も導入され、北関東の拠点都市として着実に発展している▼約20年前、宇都宮市を訪れたことがある。大きな街なのだが、初めてでも目的地に行きやすかった。市街地外縁を一周する日本初の環状道路「宇都宮環状道路」があり、最短の場所から市内に入ることができた。今はLRT開業で、さらに便利になっているのだろう▼ほぼ同心円状に広がる宇都宮市街地に比べ、盛岡市街地は地形もあり南北に細長い。そのため長い間、国道4号に交通が集中していた。だが現道改良や国道46号盛岡西バイパスの開通により、着実に交通の分散化が図られてきた▼国道4号盛岡南道路は、盛岡西バイパスから南伸し、矢巾町藤沢で現道とタッチする。今後、物流拠点の整備が進む中、盛岡南部の市街地を包み込む環状道路が実現する。これに盛岡西バイパスが北伸されれば…。
●つむじ風 9月25日
 連休中、関東地方に最接近した台風25号。国土交通省のプレスリリースを見ると、19~21日の総雨量は伊豆諸島の800ミリをはじめ、記録的な豪雨となった。千葉県などの土砂災害や家屋被害は甚大で、尊い人命も失われた▼印旛沼や長門川では堤防が決壊し大規模な浸水が発生していることから、関東地方整備局は23日から千葉県にTEC―FORCEを派遣。日本建設業連合会と連携しながら緊急復旧に向けた技術的な支援を行っている▼豪雨災害の規模だけではなく、雨の降り方自体が以前とは異なっている。災害時において建設企業が果たすべき社会的な責務は大きくなる一方だが、果たして地方の建設企業が、現状どこまでその任を果たすことができるのだろうか。一度、改めて考えてみる必要がある▼当欄で再三言っていることだが、災害時の対応のために建設業が必要なのではない。建設業が健全であればこそ災害時にも対応ができる。それでも「災害対応のために建設業が必要」というならば、災害時に必要な企業の姿をもっと具体的に明らかにしたほうがよい。
●つむじ風 9月24日
 9月10日が下水道の日、10月1日が浄化槽の日とあって、自治体の関連部署には、汚水処理に関して啓発するポスターが多く掲示されているのを目にする。汚水処理施設の役割や大切さなどが広く住民らに伝わっていけばと思う▼公共下水道のポスターに関し、以前は役割やトイレの水洗化を呼び掛けるものなどが多かった印象だが、近年は下水管が老朽化する現状、更新の重要性などを周知するものが主流になっている気がする。多くの自治体で下水道管の敷設が進んできていることなどの表れのようにも感じる▼自治体等の下水道事業を見ても、新規の下水道管の敷設より、ストックマネジメント事業などの計画の比率が多くなってきている。下水道管の布設替え、耐震化に係る事業も増えた▼事業の効率化などの面から、農業集落排水を公共下水道に接続する箇所も多くなってきている。人口減少などから、公共下水道の敷設を合併処理浄化槽に切り替える地域も多くなっているが、住民が不便を感じることなく生活できる形の汚水処理施設整備が進められてほしい。
●つむじ風 9月18日
 一般国道282号佐比内トンネルが先ごろ開通した。12日には八幡平市赤平の現地で開通式典が催され、県や市の関係者、地元住民や市立田山小学校の児童たちが開通を祝った▼佐比内トンネルは「地域とともに歩むインフラ」として、地元住民や児童向けの現場見学会を催したほか、トンネル銘板の揮毫を児童が行うなど、整備段階から地域に親しまれる存在だったようだ。掘削工事の最中から児童たちが興味を持ち、話題に上がっていたとも聞いた▼整備されたインフラはいずれ、そこにあることが当たり前になり、得られる利便性も当然のように受け止められるようになる。それでも「地域とともに」という理念は、単なる費用便益にとどまらない価値を持ち続けると思う▼開通式での一コマ。舞台の撤収中に一人の県職員が片付けの手を止めて、児童と保護者に写真撮影の時間をつくっていた。時間にすれば1~2分程度だが、親子にとっては生涯の良い思い出になっただろう。この思い出がトンネルに対する一層の愛着につながっていくことを期待する。
●つむじ風 9月17日
 県北地域の大動脈とも呼ばれる国道281号。久慈管内では、県北広域振興局土木部が国道281号案内~戸呂町口工区(久慈市山形町)の改良事業を進めている。同工区においては、(仮称)下平トンネル(延長569メートル)の築造工事を推進中。市内の久慈側から山形方面に向かって掘削工事を進めており、一日も早い掘削の完了を目指す▼同工区の現道は、幅員が狭く線形が不良で、地域の課題箇所となっている。16年台風10号災害の際には、久慈川の水位上昇に起因する道路決壊が発生し、広域的な迂回を余儀なくされた▼国道281号整備促進期成同盟会の会長を務める中平均久慈市長は、県への要望で、「激甚化・頻発化する自然災害から沿線住民を守る『命の道』として、抜本的な改良を強く要望したい」と訴えた。さらに路線全体の機能強化、(仮称)久慈内陸道路の早期実現も求めた▼県北を支える道路の整備へ、中長期的な構想を大切にしたい。トンネルに光が差し込み、地域が明るく照らされるよう、安全第一の施工と切れ目のない事業の推進が肝要だ。
●つむじ風 9月16日
 県建設業協会北上支部青年部会(菊池栄幸部会長)は、県立黒沢尻工業高校土木科3年生23人を対象に模擬面接を実施した。11年度に始まり、コロナ禍で一度中止したものの、今回で15回目を数える▼模擬面接を前に菊池部会長は「想定外の質問があるかもしれないが、黙り込まず自分の言葉で答えてほしい」と生徒らを激励。生徒は5班に分かれ、部会員9人が面接官役を務め、一人15分をめどに各教室で本番さながらの受け答えに臨んだ▼ある会場では面接官が2人。一人が笑顔で質問を重ねる一方、もう一人は眉間にしわを寄せ、じっと資料を見つめている。これまで何度も模擬面接を取材している側にとっては慣れた光景として冷静に見られるが、そのしわが視界に入る生徒の緊張はいかばかりだったろう▼きょう16日は、来春卒業予定で就職を希望する高校生の企業による採用選考と内定が始まる日。あの笑顔も眉間のしわも、成長を願う温かなエールだったに違いない。いよいよ本番だ。胸を張り、自分の言葉で、それぞれが望む未来への扉を開いてほしい。
●つむじ風 9月15日
 県内各地で展開されている、建設業の担い手確保に向けた取り組み。今月上旬には、県主催により浄土ケ浜大橋(宮古市)で進む補修工事の現場見学会が開かれ、参加した地元小学生が建設業の仕事について学んでいた▼同橋は延長295メートルで、1977年に完成。眼下には蛸ノ浜の絶景を見渡せ、国道45号と景勝地・浄土ケ浜を結ぶ重要な橋梁となっている。現地では、老朽化で傷んだ高欄を取り替える工事が、11月までの工期で進められている▼見学会では、児童が工事の概要や工程の説明を受けた後、実際に古い高欄を取り外す作業や、作業で出たコンクリート片を吸引機できれいにし、モルタルで埋め戻す様子、新しく取り付けられた高欄などを、興味深そうに見て回っていた▼このほかにも建設現場における熱中症対策や、橋梁点検車の試乗を体験。地元の橋梁が安全に長く使えるよう、点検や補修など維持管理されていることを学んでいた。社会インフラのメンテナンスの重要性について理解を深めつつ、作業に関わる建設業に興味を持ってもらえたらと思う。
●つむじ風 9月12日
 2016年台風第10号の発生から10年。8月13日に千葉県、9月2日に青森県、8日に岐阜県と愛知県に発生した線状降水帯が甚大な被害をもたらしており、報道に胸を痛めると同時に、10年前を思い起こさずにはいられない▼川が近い集落に暮らしていたこともあって、川は親しみ深い存在だったのだが、避難所の窓から見える川がぐんぐんと水位を増し、ついに架かっていた橋を飲み込んだ瞬間の衝撃は忘れがたい。雨が上がったのち外を確認してみれば、見慣れた景色は様変わりしており、テレビニュースでも凄惨な現場が繰り返し報道されていた。自然がもたらす圧倒的な力を感じた出来事だった▼被災して間もない頃、泥を掻き出すボランティアに出かけた際に、ミニバックホウで作業している人の姿を見かけた。近隣地区からの移動もままならない時期のことだったと記憶している。長い時間と多くの方々の労力をかけて、ふるさとは復興していった。激甚化・頻発化が予想される災害からのいち早い復興には、地元建設業者の力がより求められていく。
●つむじ風 9月11日
 「入社後ギャップ」とか「入社後のミスマッチ」という言葉を聞く機会が多い。おおむね「入社前に企業に持っていたイメージと現実とのズレ」といった意味だろう。「心配していたよりずっと良かった」など良い意味でのズレならば笑って済まされるが、多くは「新入社員のモチベーションの低下」「早期離職」などの文脈で使われることが多い▼県電業協会は25年度から、就業体験型アルバイト事業を実施している。高校生が長期休み期間中に、会員企業で1~2週間程度のアルバイトを行うもの。インターンシップや企業見学では伝わりきらない企業の雰囲気を知ることができ、地元で働くことの意義なども感じてもらう取り組みだ▼アルバイト体験をした生徒が26年度には県内企業へ就職した事例が出るなど、早くも事業効果が現れている。県電業協会の太田喜直会長は「高校生の就職に対して、これまで受け身の立場だった」と振り返り、初年度の成果を踏まえて、対象校の拡大などの事業展開を図っていく考え。他業種でも参考になる取り組みだと思う。
●つむじ風 9月10日
 9月10日は「下水道の日」。下水道は、私たちの生活に密着したインフラの一つとなる▼県北上川上流流域下水道事務所、県下水道公社の主催による下水道の日イベント「下水道探検ツアー2026」が5日、盛岡市の都南浄化センターで開かれた。ツアーに参加した人たちを案内した担当職員は、子どもたちにも伝わりやすい言葉を用いて、汚水処理の全体の流れを紹介していた。探検ツアーの出発前には「みずっちの冒険」という動画をモニターに映しながら、下水道の利用上の注意点を説明。担当職員は「髪の毛や油、残飯などを流してはならないので、皆さんに気を付けていただきたい」と注意を呼び掛けた▼探検ツアーには、多くの親子の姿も。担当職員が「大雨の時には、浄化センターで処理する下水の量も増える」と紹介すると、子どもたちはそのことを知らなかった様子で何度も頷いていた▼埼玉県内の道路陥没事故のニュースは記憶に新しい。当たり前のようにある下水道。多くの県民に、下水道事業を支える人の存在があることを知ってほしい。
●つむじ風 9月9日
 建設業の技能者は、60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は約12%にとどまる。建設業が今後も「地域の守り手」として役割を果たすには、将来を支える担い手の確保が急務だ▼国土交通省と厚生労働省は、建設業の人材確保・育成に向けた27年度予算概算要求のポイントをまとめた。建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用促進に加え、人材確保、人材育成、魅力ある職場づくりを柱に、多角的な施策で担い手の確保と育成を後押しする▼人材確保では、建設産業の供給力強化事業に新たに取り組む。処遇改善と生産性向上を両輪で進め、その成果を戦略的に発信する。業界による計画的な供給力強化の取り組みに対し、実証や加速化を含めて支援する▼建設産業は、災害対応や社会資本の整備を通じて、地域の暮らしと経済を支えている。その技術と誇りを次代へつなぐには、技能に見合う処遇と、働きながら成長できる職場が欠かせない。官民の連携をさらに深めながら、支援策を掛け声に終わらせることなく、地域の現場にまで着実に届けたい。
●つむじ風 9月8日
 県が大船渡市―住田町間の国道107号で、新トンネルなどの整備を計画する地域連携道路整備事業の白石峠工区。事業ではこれまで進めていたトンネル本体と道路に係る設計が、25年度で完了した▼まとまった設計による新トンネルの延長は2329メートル。幅員は8メートル(車道幅員は片側3・25メートル×2車線を確保)となっている。建築限界は、重要物流道路の代替・補完路となることから、国際海上コンテナ車(40ft背高4・1メートル)の通行を考慮し、4・8メートルを設定している▼終点の住田町側で、中沢川に架かる橋梁も延長を29メートルに設定。上部工型式として単純鋼I桁橋を予定している。事業の着工時期は今のところ未定だが、26年度は用地補償を図り、工事への準備を進めている▼現道は急勾配区間が続き、既存の白石トンネルは幅員が狭く、坑口部がカーブとなっていることから、大型車同士のすれ違いが困難で、走行上の課題となっていた。交通の難所を解消し、安全かつスムーズな人・物の流れを確保するためにも、円滑な事業の進捗を求めたい。
●つむじ風 9月7日
 盛岡市動物公園「ZOOMO」に整備される新動物病院の基本設計がまとまった。現在、資金調達に向けてクラウドファンディングを実施中。順調にいけば、29年度に供用を開始する▼コンクリートで囲まれた都市型の動物園が多い中で、ZOOMOは自然の地形を生かして造られている。基本設計を担当した亀本ゲーリー槇総合計画事務所代表取締役社長は「動物が棲む世界に、人間が入り込んでいくよう」と表現していた▼亀本氏は、「岩手には人と動物が一つ屋根の下で暮らしてきた文化がある。新病院には『南部曲がり家の精神』を生かしたい」とも。基本設計によると、動物を治療し、回復していく姿を来場者が確認できる。まさに「Оne-WоrldОne-Health」の理念を体現している▼話は病院供用後。個人的には、当初計画にあった宿泊施設が気に入っている。電気もスマホもなく、ろうそくの灯りだけで動物の鳴き声を聞きながら眠り、朝日と動物の鳴き声で目を覚ます。深夜の園内巡りもいい。山の中にあるからこそできる貴重な体験である。
●つむじ風 9月4日
 「自分が書いた文字が、ずっと残ることがうれしい」。先日全線4車線が開通した都市計画道路盛岡駅本宮線「杜の大橋」。橋名板の文字を揮毫した盛岡市立桜城小学校の児童は少々はにかみながら冒頭のように話し、「多くの人がこの橋を渡り、私たちの字を見てほしい」と、新しい橋の開通を喜んでいた▼我が身を振り返ると中学1年生の時、学校の地下スペースを探検した記念として、担任に対する数々の罵詈雑言を書き散らかした。もちろん署名付き。あれから40年以上が経っているが、建て替えた様子がない母校の校舎。ということは、地下スペースにはそれが未だに残っているということか。「自分が書いた文字」でも随分と違う▼近く開通が予定されている国道282号「佐比内トンネル」でも、地元の小学生がトンネル銘板に揮毫した。その土地をずっと支えるインフラは地域の誇り。そこに自分の文字が残ることは、インフラに対する理解、ひいては地域社会に対する愛着にもつながるのではないだろうか。工夫次第でいろいろな取り組みができそうだ。
●つむじ風 9月3日
 県では、26年度も引き続き、県内の工業系高校を対象に「県と高校生との協働による橋梁点検」や「インフラメンテナンス工事現場見学会」を実施する。県立盛岡工業高校による14日の橋梁点検、9日のインフラメンテナンス工事現場見学会を皮切りに、順次行われる予定だ▼県では、インフラメンテナンスに関する興味・関心を促進するとともに、将来の土木技術者の担い手の確保・育成を図るため、高校生との協働による橋梁点検などを例年開催している▼以前の工事現場見学会では、参加した生徒から「自分たちの暮らしが、たくさんの人によって支えられていることを知った。工事の作業を経験したことで、橋のありがたさと、整備している人への感謝の思いが強くなった」との声が聞かれたことを思い出す▼私たちの生活には、道路や橋梁をはじめ、さまざまなインフラが不可欠。橋梁点検などを一つの入り口として、現場で懸命に働いている人たちの姿、地域を守る土木技術を見てもらいたい。建設産業の仕事の魅力は、現場の様子から伝わるものだろう。
●つむじ風 9月2日
 岩手県警のホームページに、生活道路の速度規制を知らせる動画が掲載されている。1日から、中央線や中央分離帯などがない比較的狭い生活道路では、自動車の法定速度がこれまでの時速60キロから30キロに引き下げられた。ホームページでは動画などで周知を図っている▼生活道路とは、住宅街など地域住民が日常的に利用する道路を指す。時速30キロと聞くと車では遅く感じるかもしれないが、1秒で約8・3メートル進む。子どもの飛び出しや自転車の急な横断を考えれば、決してゆっくりした速度とは言えない▼これまでは、こうした道路でも速度標識がなければ法定速度は時速60キロだった。一方、「ゾーン30」などで個別に速度規制を進めてきたが、全国に数多くある生活道路すべてに標識を設けるには限界がある。そこで今回、法定速度そのものが見直された▼目的は歩行者や自転車の安全確保にある。なお、時速40キロなどの速度標識がある道路は、その指定速度が優先される。身近な道だからこそ油断は禁物。県警の動画も参考に、新しいルールを確かめておきたい。
●つむじ風 9月1日
 陸前高田市は、4月20日に発生した三陸沖を震源とする地震に伴い発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について、市民の理解や行動を調査するためのアンケートを実施し、このほど結果を公表した▼「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、25年12月に発生した青森県東方沖を震源とする地震で、気象庁が初めて発表した。4月20日は2度目となる。同市では前回の発表でも同様のアンケートを行っていた。今回の調査は6月に実施したもので、対象は18歳以上の市民1000人で、472人が回答した▼結果では、注意情報のことを発表前から「知っていた」が58%となり、前回よりも19ポイント上昇。「知らなかった」は25%で半減した。発表中に取った備えでは、「非常食などの備蓄の確認」が34%で最も多かったが、「特に何も行動を取らなかった」も31%と2番目に多い結果となった▼前回に比べ注意情報への認知度は向上したが、実際の備えに結び付いていかなければ意味が無い。各人で備えに向けた行動の意識付けを図っていく必要があるだろう。
●つむじ風 8月31日
 気が付けば8月もきょうで終わり。暑さが続き、明日から9月の実感はわかない。道路ふれあい月間の今月、今年度も多くの団体で道路清掃が実施された。汗をかきながら活動している参加者の様子を多く取材した▼道路ふれあい月間には、道路愛護活動の道路の正しい利用に関する啓発活動など、さまざまな取り組みを重点的に推進している。今年度の推進標語の代表標語は、「続け未来に地域の道路はたからもの」となっている▼日ごろから道路を利用される地域住民らが、安全に快適に道路を利用できる環境づくりは重要。道路の大切さ、マナーを守った利用が望まれ、道路改良の推進にもつながっていくことを期待したい▼業界団体による道路清掃活動から数日たった後に、活動した路線を走行する機会があった。わずか数日後だったが、ポイ捨てされたと思われる空き缶が道路に落ちているのを車内から見かけ、残念な気持ちになった。業界による活動が周知され、道路上に落ちているごみは近年減ったともされるが、まだまだ活動の意義は大きそうだ。
●つむじ風 8月28日
 25年度の県営建設工事(知事部局等、随意契約を含む落札ベース)の発注件数は951件。5年連続で1000件を割り込んだ。もはや1000件割れが常態化しているとも言える。発注金額は3年連続の増加だが、近年はコストプッシュ型のインフレ状態にあることを考えると、実質ベースでの工事量はどの程度になるか▼県が「建設業対策中期戦略プラン」を策定したのは06年4月。もう20年も前のこと。今見ると新自由主義や自己責任論的な世相の影響を少なからず受けているし、当時の県内建設業界を取り巻く社会情勢の影もちらつく。「建設業対策」という名称が全てを物語っている▼そこでは4年後の県内企業への発注件数を約800件、発注金額を約300億円と試算。県営建設工事を受注できる県内企業の数は、300社程度まで減るとの推計を立てていた▼施策の名称は「対策」から「振興」へ。しかし肝心な発注の数字は「対策」の時代に近づいている。当時も今も建設業の社会的な存在意義は不変のはずだが、何が変わり、何が変わっていないのか。
●つむじ風 8月27日
 宮古市区界に位置する国道106号の道の駅「区界高原」。県は現在、道の駅の屋外トイレの改修事業を進めている。同事業では、全面的に設備をリニューアル。トイレの洋式化や一部温水化、床の乾式化など、各種設備の近代化を図っている▼先日、地域住民ら約40人を対象とした現場見学会が開かれた。参加者らは、現場内に置かれていた道具や資材、壁の裏を通る配線の状況などを熱心に見ていた。区界地区に住んでいるという参加者の一人に話を伺うと、「夏も、冬もこの道の駅を利用している。立派なトイレにしていただき、とても感動している」との喜びの声が聞かれた▼道の駅区界高原では、地域イベントの「区界高原秋のめぐみマルシェ2026」が9月26日、27日に開催される予定。県では、イベント初日に当たる同月26日に、トイレの運用開始を計画している▼道の駅をはじめ、既存施設の利便性などを向上させるため、さまざまなアイデアが重要だ。地元と一緒に施設の拠点性を高めるための工夫を凝らしつつ、岩手に多くの人を呼び込みたい。
●つむじ風 8月26日
 林野庁は、長谷川町子美術館の協力を得て募集した「サザエさん一家〝もりのわ〟話吹き出しコンテスト2026」の受賞作品を発表した。みどりの感謝祭の併催行事として2023年度に始まり、今回で4回目となる▼サザエさんの4コマ漫画の吹き出しに、森林資源の循環利用などにちなんだセリフを入れる企画で、国内から1313作品が寄せられた。長官賞の一つは、一家でピクニックに出掛けたのに、宿題や編み物、新聞と、それぞれが思い思いのことを始める場面。最後に、「もっと自然に目を向けてよ」との言葉が添えられている▼処暑を過ぎたとはいえ、厳しい残暑は続いている。それでも朝夕の風には、わずかながら秋の気配が混じり始めた。これからは、外へ出掛けるのにも心地よい季節を迎え、秋の訪れを感じたい▼家族や友人と自然の中へ出掛けた時くらいは、日常の用事から少し離れ、目の前の景色に心を向けたい。木々や風に触れながら同じ時間を過ごせば、自然との距離も、少し縮まる。森がつなぐ「輪」を、身近なところから広げていきたい。
●つむじ風 8月25日
 21日の夕方、盛岡市内の国道396号を車で走行中、ゲリラ豪雨に遭遇。バタバタとフロントガラスに打ち付ける雨粒にワイパーが追い付かず、沿道にあったコンビニエンスストアの駐車場に逃げ込んだ▼以前、高速道路で豪雨に遭った際は、雨でタイヤが空転するような状態となり、ハイドロプレーニング現象も経験した。ワイパーを動かしても雨を拭ききれず、前がよく見えない中での運転で、肝を冷やしたことがある▼高速道路上であれば、まず速度を落とし、ライトを点灯して車の存在を周囲に分かりやすくするとともに、付近のパーキングエリアなどに避難する必要があるだろう。24年8月の豪雨では、釜石自動車道の遠野市綾織町地内で法面の崩落も発生している。土砂崩れなどで走行不能な箇所が発生することも、想定しておくべきだ▼県内では連日、局地的に激しい雨が降り、災害への警戒が呼び掛けられている。千葉豪雨のように短時間で路面状況が大きく変わることも考えられるため、気象・交通情報に注意しながら、走行の安全を確保したい。
●つむじ風 8月24日
 今月上旬に「2050年の天気予報」の改定版が公表された。日本気候リーダーズ・パートナーシップなどで構成する制作委員会の手によるもの。酷暑日のさらなる増加、世界的な干ばつ、スーパー台風による記録的な大雨や「津波のような台風」の発生などを予測している▼温暖化による氷の減少、海水の熱膨張による海水面の上昇、さらには海岸の侵食による高潮被害の深刻化、さらには大雨による洪水被害の激甚化など、建設業界もその影響から逃れることはできない▼「2050年の天気予報」は現状のペースでCO2を出し続けた場合、2050年8月に起こりえる気象の姿をシミュレーションしたもの。制作委員会の意図をどのように推し量るかは別として、地方の建設産業界にとってもCO2削減対策は他人事ではない▼このシミュレーションでは、屋外の建設現場での作業ができず「必ずロボットの活用を」となっている。24年後と考えると、それほど先の話ではない。屋外での工事も災害対応も思うに任せない未来が到来するのは、予想より早いかも。
●つむじ風 8月21日
 合同企業説明会に出展者側として参加してきた。何度参加しても慣れないもので、実際に参加者を目の前にすると緊張してしまう。部署・会社の顔として適切に振る舞えていただろうか、仕事の面白さが伝えられただろうかと、参加するたびに自問自答している▼学生たちにとっては夏休み期間中の開催だったが、参加者の総数はさほど多くはなかったようだ。お盆期間とも重なったために、家の用事などで参加したくてもできない方もいたのかもしれない▼今はWeb形式での会社説明や面接も浸透した。主催・参加者のどちらも、場所や距離などを問わず参加することができる。実際にどちらの立場も経験がある身としては、便利な反面、仕草や視線の動きなどを読み取る非言語的なコミュニケーションが取りづらいと感じる▼対面形式はコストや労力こそかかってしまうが、お互いの仕草から感情を推察しながら密接なコミュニケーションが行える利点がある。Webと対面のどちらかに留まることなく、より仕事の魅力が伝わる形の模索を続けていきたい。
●つむじ風 8月20日
 「夏の甲子園」に夢中になっている読者も多いだろう。熱意を持って試合に臨む選手、チームに声援を送る生徒・家族らの姿に心を打たれる人も多いのではないか▼高校生や学生らは、業種を問わず、未来の担い手としての活躍が期待されている。県建設業協会(向井田岳会長)では、26年度も県内工業高校などの生徒らを対象とした現場見学会を開催する。9月中旬に26年度第1回の見学会が予定されている。現場見学会は、工事現場の見学を通じて、生徒たちに建設産業の社会的な役割や魅力などを実感してもらおうと、例年実施されているもの。地域建設業への関心を持ってもらい、入職促進を図ることを目的としている▼本紙としても、何度も現場見学会の取材に伺ってきた。これまでの見学会では、生徒たちから「重機を使って、道路やトンネルを造りたい」「将来は製図をやってみたい」などの声が聞かれた▼生徒たちは、26年度もさまざまな建設現場の空気感に触れることになる。現場づくりはチームで成し遂げるもの。現場の熱意を生徒に伝えたい。
●つむじ風 8月19日
 「建設業やトラック・バス運転者の方々は、私たちの生活を支えています。発注者や荷主の皆さまの一つひとつの取り組みを、よりよい社会へとつなげていきましょう」。厚生労働省が公開した新しいPR動画で、内田有紀さんが呼び掛けている▼25年度の産業別年間実労働時間を見ると、調査産業(全国平均)が1928時間、製造業が1951時間に対し、建設業は1972時間。労働時間が長い実態がある建設業や運輸業の背景には、短い工期設定や長時間の荷待ち時間など、取引慣行上の課題があることが指摘されている▼総合特設サイト「はたらきかたススメ」では、ある建設企業の取り組み事例を紹介。業務の属人化防止を図るため、業務の標準化に取り組んだ。さらなる促進に向けDXに取り組み、誰もがカバーできる状況が実現し、会社の業務全体が効率化されたという▼ポータルサイトでは、建設業をはじめ異業種の取り組み事例も紹介されている。自社に適した取り組みを進めたい。ただ、そのためには、取引関係者をはじめとした理解と協力が不可欠だ。
●つむじ風 8月18日
 盆中、千葉県を襲った集中豪雨。線状降水帯の発生で雨雲が長時間停滞したことにより、千葉市では24時間降水量が、8月1カ月の平年降水量の3倍以上となる360ミリを超え、観測史上1位を更新した。大規模な浸水、冠水被害が発生し、復旧活動が続けられている▼今回の豪雨では、大雨と土砂災害のレベル5特別警報も広範囲で発表された。レベル5は、5月に運用を開始した新しい防災気象情報で、最も危険度が高い警戒レベル。命の危険が迫っているため、直ちに安全確保が必要なレベルで、大雨と土砂災害での適用は全国初だった▼集中豪雨によって下水道の処理能力を超える、都市型水害の課題も浮き彫りとなった。道路の冠水によって至る所で自動車が動かなくなり、車内で死亡するケースも。大勢の帰宅困難者が、県庁内に避難する様子も伝えられた▼14日には盛岡市と滝沢市にも局地的な大雨が降り、レベル4土砂災害危険警報などが出された。台風も多くなる季節。短時間で想定以上の大雨になる可能性を常に考え、避難に備えておく必要があるだろう。
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