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2026年
8月6日(木)
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コラム集

●つむじ風 8月5日
 厚生労働省が進めている共働きや共育てを推進する広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」。7月31日に「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」の速報を公表した▼6月に全国の17―39歳男女で、高校生や大学生、社会人など、1万5845人を対象に実施。若年層の意識の変化として「共育てはこれからの時代に必要」などポジティブな回答が約7割。会社選びの際に「仕事とプライベートの両立を意識している」も約7割だった▼「子育て中の人が企業や周囲に求めること」という設問もあった。業務量の適正化や上司・管理職の理解促進、長時間労働・残業の削減、制度を利用しやすい雰囲気づくり、家事・育児分担の見直しに関する支援―が多く挙げられている。同僚・チームでの支え合う風土づくりとの声も▼共育プロジェクトのホームページは、「共に育てる」に取り組める社会の実現に向けた案内役となっている。育児体験談も公開しており、50件の体験談を見ることができる。改めて周囲の支援、協力、理解が欠かせないことを示している。
●つむじ風 8月4日
 7月28日に発生し最大震度7を観測した熊本地震。現地からはインフラなどの被害とともに、厳しい暑さが続き、熱中症のリスクが高まっている状況が連日伝えられている▼被災地では断水などライフラインが寸断する中、避難所生活に加え、車中泊をする人も多い様子。熊本県は熱中症予防とともに、長時間動かず同じ姿勢でいることで、エコノミークラス症候群を発症するおそれがあることも示し、対策を呼び掛けている▼1年前、25年7月30日にロシアのカムチャツカ半島付近で発生した巨大地震の際も、炎天下での避難となったことを思い出す。県内では最大波として久慈で1・3メートルを観測。県内では延べ5200人余りが避難したが、猛暑だったため、久慈市では90代男性が避難途中に熱中症で、大槌町の避難所にいた30代女性は避難所から熱中症の疑いで、病院に搬送された▼ライフラインが寸断した酷暑下での避難に、いかに備えていくか。避難所への冷房設備の設置や、停電時の対応、飲み水の確保なども踏まえ、対応を考えておく必要があるだろう。
●つむじ風 8月3日
 先月21日付から23日付の本紙に掲載した、一関遊水地の施工に携わった両磐地区9社の技術者へのインタビュー記事では、19人の技術者に応じていただいた。改めて感謝申し上げます▼今回のインタビューは、事業に携わった方々のほんの一握り。実際には半世紀にわたる事業に、想像もつかない程の技術者や作業員らが関わり、さまざまな思いで作業したに違いない▼一関遊水地の完成には、喜びとともに大事業の完了への不安も各技術者らは話していた。単純な工事量の減少にとどまらず、スケールの大きな現場の経験、最新の技術にふれる機会が少なくなることへの心配などが聞かれ、いかに一関遊水地関連の現場から得てきたものが大きかったかを表している▼治水対策に終わりはないとも指摘されるように、防災関連の取り組むべき事業はまだまだある。先日の熊本地震では、10年前の地震を教訓に耐震化を図ったにも関わらず、被災した建物があったようだ。安全・安心、地元をはじめとする建設業者の受注機会確保へ、切れ目ない事業の実施を期待したい。
●つむじ風 7月31日
 7月後半には、東北地方整備局の県内各事務所で国土交通行政関係功労の表彰が行われている。その中に見慣れない名前の表彰項目があった「TOHOKUNEXT―GENAWARD」。なかなかいかしたネーミングだ▼今年度スタートした表彰制度らしい。実施要領を見ると「若手技術者が現場で果たした役割および努力を表彰することにより、意欲向上を図るとともに、将来のキャリア形成を支援し、人材育成の促進に資するものとする」とある▼優良な工事や業務において、品質確保や工程管理、社会貢献などに優れた成果を発揮した若手技術者を表彰する制度とのこと。実施要領によるとステッカーも作成しており、名札やヘルメットに貼り付けるといった活用もできるらしい▼「若手だから」と必要以上に持ち上げるのではなく、高い技術や創意工夫を正当に評価して表彰する制度。若手技術者にとっても励みになるのではないか。県でも導入してくれないかな。若手技術者のレベル向上はインフラの質、ひいては県民生活の質の向上につながるわけだし。
●つむじ風 7月30日
 28日午後4時27分ごろに発生した熊本地震。気象庁の発表によると、この地震により、熊本県宇城市および氷川町で震度7を観測したほか、九州地方から北陸地方にかけて震度6強~1を観測した。関係機関は人命第一の方針のもと、迅速かつ懸命な対応に当たっていることだろう▼ニュース映像を見ると、大型ショッピングモールや、道路・橋梁の被害状況などが何度も映し出されていた。さらには、水道などのライフラインにも影響が生じているようだ。「自然災害はいつ、どこであっても起こり得る」ということを改めて思い知らされる▼「国土強靱化の推進」と表現されて久しいが、私たち一人ひとりが安全・安心な暮らしを送るためには、やはり社会資本の構築と強化、人の目・人の手がよく行き届いた維持管理などが重要になる。加えて、建設機械や人という「機動力・現場力」を有する建設業界の存在を忘れてはならない▼地域の担い手、守り手とは―。明るい未来を描いていく中にあっては、地域に根差す建設業の大切さを再確認することも必要だろう。
●つむじ風 7月29日
 気象庁は、文部科学省と地球ウォッチャーズ気象友の会の協力を得て、気候変動に関する動画コンテストを開催する。中学生から大学生程度を対象に、1分程度まで、または15分程度までの動画にまとめて応募することを求めている▼次の時代を担う世代として、気候変動への関心を高めるために企画。日本に住む10代から20代を視聴者として想定している。動画は、同庁の気候変動情報を使用するか、同庁の気候変動情報の検索・利用などを呼び掛ける内容とすることとなっている▼10数秒から1分程度までの縦型と、1分から15分程度までの横型の2部門に分けて募集する。応募者は、今年4月1日時点で12歳以上かつ21歳以下の個人またはグループ。9月7日から募集を始め、来年1月22日まで特設サイトで受け付ける▼建設産業界でも、中学生から大学生の10代から20代に関心や魅力を高めてもらおうとさまざまな取り組みを進めている。将来の担い手にとって動画は当たり前の存在となっている。関心や魅力を伝える一つのツールとして有効に活用していきたい。
●つむじ風 7月28日
 釜石市に完成した新市庁舎。25日に開かれた落成記念式典では、検討開始から40年にわたるあゆみを振り返り、災害に強い庁舎として生まれ変わった行政拠点の完成を祝った▼事業のあゆみでは、決して平坦では無かったこれまでの道のりが映像で紹介された。東日本大震災による被災、県が公表した「最大地震に伴う津波シミュレーション」への対応、杭工事の遅れ、資材の高騰。施設は多くの関係者の技術と努力によって課題を乗り越え、今回完成を迎えた▼式典での式辞で小野共市長は、事業の大きな節目として「釜石のまちが積み重ねてきた復興のあゆみの一つの到達点」と語っていた。防災への備えを計画の柱に、敷地のかさ上げをはじめ、非常用電源や汚水槽の設置など、災害時でも行政機能を維持できる庁舎として整備したことを説明した▼さらに「この庁舎は『守るための拠点』であると同時に、『つながるための場所』」とも。復興の象徴として震災の教訓を引き継ぎながら、市民に親しまれ釜石の未来と発展を支える拠点になればと思う。
●つむじ風 7月27日
 本屋を歩くのが好きだ。陳列された本から、その地域に住む人のことや担当者の想いを想像するのはとても楽しく、実際の店舗に赴かなければできない趣味だと思う。特に児童書のコーナーは、子どもたちへ向けた温かな想いが見て取れて、こちらも優しい気持ちになれる▼童心社から出版されている「もぐらけんせつ」シリーズは、動物たちの世界で工事業に従事するモグラたちの物語。これまでに3巻刊行されており、それぞれ住宅の建築、橋梁の架設、トンネルの掘削を主軸として、モグラたちが依頼者のために奮闘する▼色彩豊かな世界でユーモラスかつ素朴に描かれる動物たちの愛らしさもさることながら、画面いっぱいに描かれた重機は紙越しでも本物と相対しているような迫力を感じる▼物語の中で動物たちはそれぞれの悩み事を抱え、もぐらけんせつを頼る。モグラたちは時に重機を動かし、時にほかの動物の助力を借りながら、見事に課題を解決してみせる。地域に根差し、頼れる建設業の雄姿は、絵本を通して子どもたちにも伝わっている。
●つむじ風 7月24日
 「建設業の新3K」という言葉も当たり前になった。調べてみると2015年に国土交通省が公表した「新3Kを実現するための直轄工事における取組」が初出らしい。もう10年以上も前になるのか▼同年、当時の東北地方整備局の幹部職員が就任インタビューの中で「給料が良い、休暇がある、かっこいいという『新しい3K』の職場をつくりたい」と話していた。国交省の中でもさまざまな方向性を模索していた時期だったのかもしれない。そういえば新3Kに「かっこいい」を加えれば「新4K」だ▼話は少し脱線するが、発注者側からときどき聞かれる「建設業のイメージアップ」というワード。ありがたい計らいであり、官民協働で取り組むべきテーマであるが、一歩間違えると表層的な「本質の部分はさておき、まずは見た目から」に陥る危険性もある▼建設業の「もう一つのK」は「貢献」だと弊社の前社長。「希望、貢献、かっこいい」。建設業の次なる新3Kはこれでどうだろう。給与と休暇は所与の事項。これならイメージアップも必要ない。
●つむじ風 7月23日
 先ごろ仙台市で開かれた26年度の「東北の社会資本フォーラム」(主催・東北の社会資本整備を考える会)では、東北の経済活力の回復などに向けて、投資拡大や生産性向上などにつながる社会資本整備予算の大幅な増額を図ることなど、大きく8項目を柱とする決議を全会一致で採択した▼フォーラムの主催者を代表し、東北経済連合会の樋口康二郎会長は、「社会資本整備を最重要課題の一つとして、政府などに強く要望していく」と意気込みを示した▼フォーラムでは、青森県、本県における地域ビジネス事例などの意見発表をはじめ、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏による基調講演が行われた。建設分野の視点のみならず、産業振興への視点なども得られる貴重な機会だったことだろう▼政府は21日に、「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太の方針)を閣議決定。骨太の方針の副題として、「日本の挑戦を起動する!」の文言も―。東北地方の強い経済を下支えしていくためにも、広い県土の「骨格をなす社会資本」の重要性を再確認したい。
●つむじ風 7月22日
 スマホのバッテリー残量が残り数%。車両で移動していれば、車内で充電機器を活用して事なきを得るのだが、旅行先や現場であれば、モバイルバッテリーの存在が欠かせない▼近年、スマホやモバイルバッテリーの発火事故が増えている。発火事故の原因の一つが、それぞれの製品にリチウムイオン電池が使用されていることが挙げられている。消防庁はリチウムイオン電池等から出火した火災を調査した結果、2025年は1297件で、22年と比べると倍増している▼今年6月からは、国土交通省や環境省、経済産業省、消費者庁、消防庁が連携し、ポータルサイトを立ち上げ、事故防止などに向け情報を一元的に発信している。出火件数が多い製品としてスマホやモバイルバッテリーのほか電動工具やコードレス掃除機を挙げている▼生活に欠かせないリチウムイオン電池。高温となる夏場は、さらに注意が必要だろう。現場においても買う時に「賢く選ぶ」、使う時に「丁寧に使う」、捨てる時には「正しく捨てる」という三つのCを守って、安全に使いたい。
●つむじ風 7月21日
 大規模改修の一関遊水地が今月から運用を開始した。事業着手から半世紀を経ての待望の完成で、一関地域の安全度が大幅に向上する。北上川の治水事業は大きな節目を迎えたが、未だ無堤部もあり、今後も計画的に整備を進めてもらいたい▼近年、局地的な豪雨が発生し、毎年のように全国各地で大雨被害が発生している。今年も台風6~8号が太平洋沿岸を通過し、関東以西で大雨に見舞われた。台風9・10号は中国に上陸し、浙江省や広西チワン族自治区などで壊滅的な被害を受けている▼近年は川の怖さばかりが強調されているが、本来は人類に恵みをもたらす貴重な存在だ。北上川により、本県経済がどれだけ恩恵を受けてきたことだろう▼川は昔、子どもの遊び場の一つだった。放課後には家にランドセルを放り投げ、浅瀬に入ったり、魚を釣ったりと、常に子どもたちの笑顔があった。川への親しみの気持ちは、どこにいったのか。今年度からは花巻市で、かわまちづくり事業がスタートする。「正しく恐れ、正しく親しむ」。そんな気持ちで、川と向き合いたい。
●つむじ風 7月17日
 子どもの頃はあちこちに「本屋さん」があった。マンガが立ち読みできる本屋さんもあり、欲しい本が見つからなければ自転車で数店をハシゴもできた。県外で大学生活を過ごした時には、なぜか夜遅くまで開いている本屋さんがあって、飲んだ帰りに寄っていくのが日課だった▼「全国の書店数が1万店割れ」というニュースが話題になったのが6月。紙の出版市場の不振や、ネット書店の伸長、電子書籍の普及などが主な理由とか。そういえば何年か前、県内金融機関で働いている友人が「若い社員が研修会で使う本をネット通販で注文していた」と嘆いていた▼「体系的な知識を得る上で最もコスパが良いのは本を読むこと」と言われる。その意味で書店は社会的に重要なインフラの一つだ。しかし残念ながら、書店がない「書店空白地帯」は増えていくのだろう▼「町の本屋さんが消えても、大手書店や図書館などはあるから大丈夫」とはならない。大手には大手、地元には地元、それぞれに存在意義がある。そして地元の中でも、大小それぞれに役割がある。
●つむじ風 7月16日
 「建設業は地域に欠かせない産業。昼夜を問わない除雪作業や、高病原性鳥インフルエンザの防疫対応に当たっていただくなど、地域にとってなくてはならない」。達増拓也知事は、14日に開かれた東北地方整備局の西村拓局長との懇談会で、地域建設業の重要性を語った▼達増知事と西村局長は、着実な社会資本の整備や、国土強靱化対策の必要性などの認識を共有。県と国で引き続き連携し、公共事業予算の安定的・持続的な確保や、地域を支える建設業の担い手の確保・育成などに取り組んでいくとの方向性を確認した▼達増知事は、「社会資本は安心・安全を支え、観光振興などの基盤となる」と述べるとともに、河川や砂防、道路、港湾などの直轄事業にも触れ、県内のインフラ整備の必要性を伝えた。県が強靱化対策の事例集として作成したPR用パンフレットも話題に挙がり、同局からも非常に評価されていた▼社会資本の整備・維持管理が行き届いているからこそ、安心して普段の生活を送ることができる。身近なところにある恩恵を正しく伝えたい。
●つむじ風 7月15日
 小学4年生の子どもは、忘れ物をしたら試合には出られないとコーチから言われている。その子はチームで一番うまいが遅刻と忘れ物をして試合に出られず、帰宅後から泣き続けた。親が忘れ物をリカバリーすることは、そんなに悪いことかとの質問が寄せられたという▼先日、花巻市合併20周年記念式典後に記念講演したジャーナリストでスポーツ育成アドバイザーの島沢優子さんは、来場者に問い掛けた。耳の痛い問いだった。自らに当てはめても、小4には厳しいのではとの思いを抱きそうだ▼島沢さんは、「主体性とは何か」「本当の厳しさとは何か」。「大人は自分の正義を押し付けてないか」と指摘。従来の抑圧指導から、「認めて、問い掛けて、チャレンジさせる『主体性の要求』に切り替えよう」と呼び掛けた▼1973年の第2次ベビーブームでは200万人を越えていた出生数が、2024年には約69万人に。2030年頃には約50万人との推計も。建設産業界を支える存在をどのように育成していくかは大きな課題だが、ともに成長する存在でありたい。
●つむじ風 7月14日
 東北地方整備局南三陸沿岸国道事務所が所管する三陸沿岸道路の機能強化と地域振興を目指し、23年度に設立された連絡協議会。先週開かれた今年度の総会では、インターチェンジ(IC)のフル化などを求める要望項目が決議された▼協議会は、宮城県東松島市から山田町までの三陸沿岸道路の沿線自治体7市3町で構成。道路の需要増加に伴う速度低下や交通事故の発生、休憩施設の不足など、開通後に見えてきた新たな課題を解決し、さらなる利便性の向上を図るため、結束して国への要望活動などを実施している▼総会では、要望項目として主要箇所のハーフICのフル化や、4車線化、付加車線の延伸、さらに既存パーキング施設への休憩施設整備、交通需要の増加に伴う適切な維持管理を決議した▼三陸沿岸道路では山田北ICのフル化が進められているほか、田野畑村内では「田野畑思惟IC」、宮古市内の津軽石パーキングエリアにはトイレ棟も新設された。三陸地域の発展に欠かせない縦軸幹線だけに、さらなる機能強化を中央へ訴えていく必要があるだろう。
●つむじ風 7月11日
 先日までAの企業で働いていた労働者が、現在ではBの企業に勤めている―。建設業に従事する労働者では、決して珍しいことではない▼建設業において、勤め先がこまめに変わるのは、その人の有する技術力の高さや資格の多さなどが強みとなっているのが大きな要因の一つだろう。技術力の向上や資格取得は、各企業、現場で汗を流した成果でもあろうが、近年の若手労働者は成長志向が低いとされる▼「静かな退職」とも表現される、会社を辞めるつもりはないものの、仕事にやりがいや自己実現を求めず、最低限の業務だけ日々淡々とこなす働き方。生活するための目的で働き、仕事に学びを求めない社員は増え続けていると指摘されている▼一方では、多くの仕事がAIにとって代わられることに危機感を抱き、早いうちからスキルを身に付けなければならないと考える若手労働者が増えてきている傾向も見られるという。今後、どのように若手を建設業で従事させていくか。建設業には、AIが担うことができず、資格や技術力が求められる業務が多々ある。
●つむじ風 7月10日
 過日行われた九戸村から県に対する要望の席上、野生鳥獣被害対策について意見が交わされた。この中で達増知事は、他県における自衛隊の支援活動に触れ「地元の建設企業に委託し、地理に詳しい人が出動する方が良いのではと感じた」と所感を述べた▼08年の岩手・宮城内陸地震において、県建設業協会一関支部が独自判断で土砂ダム撤去のための工事用道路を整備した。ルート選定や地権者との交渉など、一連の判断は地域に精通した地元企業だからこそ可能だった▼東日本大震災の発災直後の道路啓開、除雪や災害対応なども同様。地域に精通していることは間違いなく地元建設業の力であり、経済合理性だけでは説明できない価値だ。冒頭の定型文ではない知事のコメントにも、その評価が表れている▼ところで「地域に精通している」ことが力を発揮するのは、災害時や緊急時だけなのだろうか。通常の工事においても地域に精通していることは良い結果につながると思うのだが、こっちでは「隣接」に「全県」と、いわば「誰でもどうぞ」。不思議だなぁ。
●つむじ風 7月9日
 県土整備部建設技術振興課は、「いわて建設業振興中期プラン2023」の計画期間が最終年度を迎えていることを踏まえ、次期プランの策定作業を進めている。先ごろ、建設業団体や学識経験者らで構成される第1回次期「いわて建設業振興中期プラン」検討会が開かれた▼同課は検討会で、次期プランの骨子案を提示。骨子案では四つの柱として、「次世代を担う多様な人材の確保・定着」「建設DXによる生産性向上の推進」「地域の守り手として持続可能な経営基盤の強化」「安定的な建設投資額の確保」を掲げた▼出席者からは、地域を担う建設業の空白地域が生じることのないよう、建設投資額の確保などを求める声が上がっていた。「小さい会社こそが建設業を支えている」との声も▼同課は意見を集約し、11月の第2回検討会において具体的な素案を示す予定だ。今年度も、県と建設業団体が意見を交わす場となる地域懇談会が開かれる。岩手の建設業の姿―。「次世代を担う人材」にメッセージがしっかりと届くプランを、県と業界でつくり上げたい。
●つむじ風 7月8日
 日本水大賞委員会(委員長・毛利衛日本化学未来館名誉館長)と国土交通省は、第29回日本水大賞の募集を開始した。水防災や水資源分野などで活動する個人や団体などが募集対象で、募集期間は10月31日までとなっている▼過去の受賞者を見ると、第7回に北上川流域市町村連携協議会が「県境を越えた『北上川自然環境圏』づくりへの挑戦」で国土交通大臣賞を受賞。第8回で胆沢平野土地改良区の「農業用水の機能維持増進活動」が農林水産大臣賞を受けている▼近年では、県立宮古工業高校機械科津波模型班の「地域特性を反映した津波模型による疑似津波の実演活動」が第17回の大賞に選ばれた。同校の全学区すべての地域の津波模型11基を製作。模型を使い疑似津波実演会を実施し、被災体験を伝え、次の災害に備える活動を続けているという▼水日本大賞のホームページでは、過去受賞者のデータベースについても公開している。生活に身近な水であり、近年は全国各地で水に関する災害も多発している中、過去の受賞例を参考にしながら今後に生かしたい。
●つむじ風 7月7日
 6月30日に施設の工事が完了した釜石市の新庁舎。1986(昭和61)年の検討開始から実に40年。東日本大震災などを経て計画を吟味し、今回待望の完成となった▼完成当日は、市民向けの見学会も開かれた。近隣住民や付近の園児など約130人が訪れ、興味津々の様子で庁舎内を見て歩いていた。市民らは、真新しい議場で傍聴席から議会の雰囲気を感じ取っていたほか、市長室では市長の椅子の座り心地を笑顔で確かめる女性も。施設は一時避難場所にもなることから、4階から街なかの方向を眺める人も見られた▼見学した市民からは「今の施設より明るくて、開放感がある」「防災面でも安心できる建物」との感想が聞かれたほか、つえを突きながら庁舎内を巡っていた高齢の女性は、「生きているうちに、新庁舎が見られるとは思っていなかった」と語っていた▼内部では今後、現施設からの引っ越し作業が本格化していく。25日には落成式典、翌26日にも市民向け見学会が予定されている。新たな行政拠点への機運を盛り上げ、9月24日の開庁を迎えたい。
●つむじ風 7月6日
 日曜朝の人気番組として親しまれてきた、スーパー戦隊シリーズ。1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から50年にわたり放送が続けられ、広い世代に人気を博してきたが、26年2月に放送終了を迎えてしまった。同じ時間帯の番組である仮面ライダーシリーズが続いているだけに、個人的なショックが大きい▼北上川ダム統合管理事務所(小出博所長)が企画した「北上川治水戦隊ダムレンジャー」は、ダムの役割や大切さ、地域の魅力を子供から大人まで親しみやすく伝えるために誕生した、漫画家・そのだつくし氏デザインのキャラクター。同事務所が管理する5大ダムにならった、御所レッド、田瀬ブルー、湯田グリーン、四十四田ピンク、胆沢シルバーのメンバーが揃う。全国で4番目の流域面積を誇り、かつて洪水で甚大な被害をもたらした北上川周辺の暮らしを守るダムは、まさしくヒーローだといえるだろう▼小出所長の名刺には、事務所長とダムレンジャー本部長の肩書が並ぶ。治水事業を先導する業界も、岩手を支えるヒーローにほかならない。
●つむじ風 7月3日
 県は、地域連携道路整備事業(ネットワーク形成型)「一般国道281号小屋瀬道路」の事業化を検討。現在、大規模事業評価専門委員会での審議が行われている▼全体計画延長は約3キロで、区間内には約2キロのトンネルと橋梁1橋が設けられる。計画幅員は一般部が6・5(8・0~10・0)メートル。総事業費は約170億円で、30年度の用地着手、32年度の工事着手を経て、37年度の完了を目指す▼県によると、現行ルートは幅員狭小区間や線形不良箇所が多くあり、大部分が山形川の浸水想定区域に当たるなど、安全で円滑な交通の支障となっている。物流、防災、医療、地域間交流など役割を担う重要路線として国道281号の機能を担保する意味でも、地元葛巻町などからは早期の道路整備が要望されてきた▼現時点では明言されていないが、小屋瀬道路への着手により「県新広域道路交通計画」の構想路線である(仮称)久慈内陸道路、さらには「北・北道路」も視野に入ってくるか。5日には、北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会の決起大会が開かれる。
●つむじ風 7月2日
 県土整備部県土整備企画室では、県の強靱化の取り組みなどを県民らにPRするため、県の強靱化の事例集(6月改訂)を作成した。事例集のパネル展を県庁1階の県民室で開いている▼事例集は、県のホームページなどでも見ることができる。同室の職員は「パッと整備前、整備後の効果が分かるように工夫した」とほほ笑んでいた▼事例集では、社会資本整備の効果事例や、現在実施中の建設事業、実施予定の事業、建設現場でのさまざまな取り組みなどを紹介している。整備効果の事例などを見ると、県土整備部や各出先事務所、建設産業界、地域などが力を合わせて実現できたものだと実感する。実施中の事業などに目を向けると、写真には現場作業に励んでいる人の姿も▼強靱化の表現が使われるようになって久しい。大切なことは、現場で働いている人たちの努力などの積み重ねがあり、社会資本の整備や維持管理、強靱化が図られているという点。建設業を少し遠い存在に感じている人も、意識を向ければ気付くはず。建設産業は、日常生活を支えている。
●つむじ風 7月1日
 国土交通省の発足を契機に2001年に改称された「道路ふれあい月間」。道路の役割や重要性を再認識してもらい、道路愛護思想の普及や道路の正しい利用の啓発を目指す▼8月の月間を前に、同省は推進標語の入選作品を発表した。全国から2244作品の応募があり、最優秀賞3作品と優秀賞6作品の計9作品が選ばれた。最優秀賞3作品のうち、委員が特に高評価をした「続け未来に地域の道路はたからもの」が代表標語となった▼代表標語に対し、審査委員からは「この言葉の配置により『たからもの』がより強調されている」や「最初の『続け未来に』がよかったね」と評価が寄せられている。さらに、「五七五にこだわらなくてもよいと思わせる言葉の強さがある」とも▼入選されなかったものの「災害時に命を守る道路」という意味合いの作品も複数あったという。入選作品を見ると、改めて道路の存在や役割の大きさに気付かされる。入選作品を幅広く活用することで、道路が地域の「たからもの」との思いにつながることを期待したい。
●つむじ風 6月30日
 県沿岸広域振興局は林野火災が発生した大槌町で、出水期を見据え応急工事を展開。土砂災害の被害軽減を図るため進めるもので、7月中の完了を目指している▼林野火災で焼損した土壌に、雨が染み込みにくくなっている状況から、土砂災害の発生リスクが通常より高まっているため実施するもの。同局農林部では11カ所ほど予定し17日に、土木部は15カ所ほど計画し25日に作業を開始。県建設業協会釜石支部の協力を得ながら、袋詰め玉石や大型土のうの設置を推進している▼25日に吉里吉里地区で始まった土木部所管の工事を取材したが、現場の斜面下には特別養護老人ホームや、東日本大震災後に整備された住宅団地が位置。作業では地元の建設業者が、雨の降る中、ダンプで大型土のうを運び入れ、重機を使い設置していた▼大船渡市での大規模林野火災でも、県は同様の応急工事を実施したが、作業は5月下旬の開始だった。一方、今回は梅雨に入り急ピッチでの作業に加え、気温の上昇も懸念されるところ。熱中症対策も含め労災ゼロで工事を進めてほしい。
●つむじ風 6月29日
 アレクサンドリアのヘロンである。1世紀の数学者で、三角形の面積を求める「ヘロンの公式」が有名だ。3辺の長さが分かれば、三角形の面積が求められる。土木の現場でも使われているのではないか▼発明家としての側面もあり、「アイオロスの球」を発明したことでも知られる。水を沸騰した蒸気により、吹き出し口のついた球体を回すもので、蒸気機関の原型とも言われる▼蒸気の力を利用した発明は他にもあり、例えば神殿の扉を自動で開閉するなど多くの仕掛けを考案したようだ。一般の人々からすれば、まるで妖力でも見せられたような驚きの瞬間だったのではないか。ただ当時は、それを産業に活用するまでの状況にはなく、蒸気機関を用いた第一次産業革命が、18世紀後半の英国で始まったのは周知の事実である▼AIの登場は、それから何度目の産業革命になるのだろうか。労働者の減少に伴う生産性の向上、働き方改革…等々、将来的には建設業にも導入が進むのだろうが、いつまでも「地域のため」という人間臭さが残る業界でもあってほしい。
●つむじ風 6月26日
 前日やり残した仕事を処理するため普段よりも少し早めに出勤したところ、午前7時半頃に強い揺れ。盛岡市は震度5強とのことだが、社屋が古いためか余計に揺れが強く感じる。机周りの書類が崩れた以外、幸いにも社内に目立った被害はなかった▼津波の心配はないとの発表が早々にあり、後発地震注意情報も発表されなかったが、本県沖を震源とする大型の地震。建設業界にも緊張が走ったことと思う。県民の生命と財産を守るという、建設業の社会的な責務を改めて実感した▼ところで、建設業が果たすべき社会的な責務とか、建設業への期待って何だろう。どれだけ美辞麗句を並べようが、結局は「みなさん民間企業である以上、平時は企業努力と自己責任です。災害時にはよろしくお願いします」だろうか▼一方で「災害時に必要だから」建設業を維持するという考え方は正しいか。正しいならば、どのような建設業を「維持する」べきか。まずはそもそも「建設業」って何だろう。「日本標準産業分類の『大分類D』が建設業です」は答えとは言わない。
●つむじ風 6月25日
 6月の土砂災害防止月間に続き、7月に河川愛護月間を迎える。県民らの河川に対する関心が一段と高まる時期だろう▼本県は16年台風10号災害により、岩泉町をはじめとする県内の広い範囲で被害を受けた。県が緊急的に実施した小本川の河川改修事業など、さまざまなハード・ソフト施策を組み合わせつつ、防災力の強化につながる取り組みが進められてきた▼小本川の流域治水の取り組みに関しては、中山間地域の先進的なモデルケースという表現もよく耳にしてきた。昨年11月に開かれた台風10号災害からの復旧・復興記念式典では、動画「いわいずみ9年のキセキ」が上映された。動画では、河川改修も含め、復旧・復興や減災対策などの取り組みが分かりやすくまとめられている。インターネットの動画配信サイトで見ることができる▼広大な県土には、さまざまな集落が点在している。流域治水の取り組み事例は、将来の安全・安心な集落の在り方を考えていく上でも、一つの参考となりそうだ。河川から得られる自然の恩恵とともに、教訓を大切にしたい。
●つむじ風 6月24日
 7月13~19日は、こどもの事故防止週間。こども家庭庁は、サイトを開設し、こどもの転落事故の発生状況や事故を防止するためのポイントなどについて情報を取りまとめている▼こどもの転落事故は、発達段階によって事故が起こりやすい場所や状況が変わるという特徴がある。特に、事故による死亡は0~4歳の乳幼児が多く、家庭内で発生するケースが中心。発達段階に応じた対策をあらかじめ講じることで、多くは未然に防ぐことができるという▼具体的な対策として、窓の近くに足場となるものを置かないを挙げる。また、ベランダに足場になるものを置かず、エアコンの室外機は手すりから60㌢以上離すか、上から吊るすなども効果的。「今こそ、こども目線で家の中の点検を!」と求めている▼昨年の本県建設業における休業4日以上の労働災害は174件で、うち墜落・転倒は3割に当たる49件発生している。脚立やはしごは身近な用具だが、それらからの墜落・転落は、重篤な災害につながりやすいことから、改めて作業者目線で現場を点検したい。
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