カレンダー

2026年
1月23日(金)
19:14

コラム集

●つむじ風 1月23日
 県は総合評価落札方式の技術提案評価項目を見直し、4月1日以降に入札公告に付する工事から適用する。新規に「県内企業の活用」を評価項目とするほか、土木系以外の工事における災害協定の有無を評価する▼前回の見直しで、工事種別により評価項目を「土木系」と「土木系以外」に分類。土木系以外では「災害活動の実績等」「無償奉仕活動の実績」「維持修繕業務等の実績」を評価項目の対象外としていた▼県と業界との間で、認識の齟齬があったか。特にも災害活動が評価項目から外れたことについては、県との災害協定を締結している団体を中心に、疑問を呈する声が早くから上がっていた▼頻発する豪雨災害に加えて、県内では昨年1月に高病原性鳥インフルエンザ、2月には大規模林野火災が発生。11月に地震に伴う津波注意報、12月には津波警報が発表された。今回の見直しに際して県では「県と業界団体との災害協定の重要性が高まっている」としている。制度はあくまでも手段。課題に対して柔軟に見直す姿勢は、業界側も歓迎だろう。
●つむじ風 1月22日
 県内の橋梁補修工事に携わっている県内建設企業の若手社員と、上司の方々に話を伺う機会があった。若手社員は「実際に働き始めてから、建設業が除雪や道路の舗装補修をしていることを、間近で知ることができました」とほほ笑み、「建設業は社会に欠かせない仕事」という認識がさらに深まったのだそうだ▼上司の方は「世間的には、きついといった建設業の3Kのイメージが強いかもしれません。でも私自身、そう思ったことはありませんよ」と明るく笑い、地域建設業を担う若い世代の活躍に期待を込めていた。若手社員はその言葉を隣で聞き、少し気恥ずかしそうにしつつも、うれしそうな表情を浮かべていた▼建設業は裾野の広い産業。建設現場は年齢などを問わず、皆で共につくり上げるものだろう。無心になって作業に当たる職人もいれば、重機を巧みに動かすオペレーター、会社のさまざまな業務をこなし現場を支える人もいる▼建設業を志す人たちが仕事内容や人間関係に対する不安を少しずつ取り除くような手立て・環境づくりがやはり重要だ。
●つむじ風 1月21日
 「分散より統合、競争より共創」を掲げ、遠野市の遠野東工業団地に整備していたSMC㈱の遠野サプライヤーパークが完成した。コンセプトは「最先端の森」。木と鉄骨のハイブリッド構造で、自然とテクノロジーの融合を目指した環境共生建築となっている▼設計・施工は大成建設。特徴的な屋根は、遠野ならではの山並みに呼応。遠野地場材のアカマツを使用したダブルアーチを採用。約20社のサプライヤーの入居が可能で、研修で国内外から多くの人が訪れることを予想し、施設内には宿泊エリアを設けている▼施設内には「安全道場」を整備。生産現場で起こりうる巻き込まれや転倒、感電などの危険をリアルに再現し、体験を通じて安全の大切さを学べる教育施設となっている。他社の研修受け入れも可能で、安全意識の向上と人材育成を支援していく▼生産現場と建設現場では、作業環境に違いはあるものの、安全の目指すべき方向は同じはず。リスクアセスメントや組織的な安全文化の醸成は欠かせないだろう。学ぶべきは安全への取り組み方だと感じた。
●つむじ風 1月20日
 小・中学部ごとに校舎がある、小中一貫教育校「吉里吉里学園」の施設一体化を計画する大槌町。中学部を小学部の施設に一体化する予定で、今月上旬には条件付一般競争により一体化工事の設計が公告された▼同学園では、児童・生徒数が減少傾向のため、PTA側から各校単独での行事開催が難しくなってきていることなどを理由に、小学部への一体化が要望されていた。校舎の老朽化も進み長寿命化改修が必要な時期を迎えていることから、町は一体化工事と同時に長寿命化の改修工事も実施し、工期・費用の圧縮を図る方針だ▼小学部の校舎棟の規模は、鉄筋コンクリート造4階建ての、延べ床面積2998平方㍍。施設は2004年に完成した。設計業務の履行期限は27年2月までで、建設予定工期には、27年10月から28年12月までを見込んでいる▼一体化整備に向けた設計が発注されれば、工事への準備が本格化していくことになる。施設全体の質の向上を目指し、地域の声も反映させながら、時代に合った魅力的な教育環境を整備してほしいと思う。
●つむじ風 1月19日
 わが家の近隣は新興住宅地で、比較的多くの子どもたちが近所に暮らしている。子どもたちが遊ぶ様子は、それだけで活気を感じさせられる▼いま暮らしている子どもたちが成長とともに居住地を変えても、戻ってきて子育てするといった流れになっていくのが理想だろうが、そのために必要な要素の一つとして働き口が挙げられる。地方から若い世代が離れていく要因として、働き口の少なさはたびたび指摘される▼「各地域に点在し、インフラを支える建設業は、雇用を生み出す場として果たす役割が大きい」と話すのは、以前インタビューした首長。その役割を果たすため、各地域に維持し続けていかなければならず、そのために必要なことは言わずもがなだろう▼今シーズンは、こまめに雪かきが必要な日々だが、年齢を重ねるごとに作業の辛さが身に染みる。ただ、自身が年齢を重ねていくと同時に、わが子たちが成長してきたことで、手伝ってくれるようにもなった。近所でも雪かきに励む子どもたちを多く目にし、やはり子どもや若手の存在は頼もしい。
●つむじ風 1月16日
 「意外に格好いいじゃない」。TEC―FORCEの新しいロゴマークを見た印象。TEC―FORCEの増強と多様な主体とのさらなる連携強化の一環として刷新したもの。国土交通省の資料を見ると「盾状構成が『被災地(赤色)を守る』点を強調」「縦線群により、国土交通省に加え、関係する多様な主体が並び立ち、協働で対応する姿を表現」とある▼TEC―FORCEのほか、災害協定を締結した建設企業や団体等の「TEC―FORCEパートナー」、予備隊員、アドバイザーなどが、災害対応の活動時に着用するビブス、災害対策用機械や車両、広報媒体などに使用できるようだ▼大規模災害の発生時、地元建設企業の関係者らが道路啓開など最前線での対応に当たっているが、自衛隊や警察に比べて一般的な認知度が低いことから、PRの重要性が説かれていた。新しいロゴマークが建設業界の認知度向上につながることを期待したい。その半面で「俺たちは注目されたくて災害対応をしているんじゃないよ」という業界関係者の飾り気のなさ。本当に格好いい。
●つむじ風 1月15日
 本紙は、9日付の紙面から「地域に寄り添いながら岩手の社会資本整備へ―県土づくり最前線のリーダーたち」を掲載している。各広域振興局の土木部長・土木センター所長らにインタビューを行い、主要事業や地域のトピックスなどを伺う新企画だ。各地域の明るい話題の一つとなれば大変ありがたい▼インタビューの内容は、ハード事業の進ちょく状況をはじめ、防災・減災対策や担い手の確保・育成などに向けたソフト面の取り組みなど。地域を支える建設業への思いなども伺っている▼取材では、各地域のインフラ整備の効果事例なども取材しており、これまでの県土づくりを踏まえた新たな気付きもあるのではないかと考えている。記事は全14回にわたって掲載する予定だ▼インタビューでは、建設業は「人と未来をつなぐ仕事」、土木工学は「市民のために社会を支える学問」など、さまざまな切り口から建設分野の仕事の魅力を見つめ直すフレーズも多く聞かれた。今年も岩手の未来に向かって、建設行政・業界が一体となり、明るい地域づくりを進めたい。
●つむじ風 1月14日
 「免許はなくてもドライバー。ルールを守って責任ある運転を!」。警察庁ホームページに開設した特設ページ(自転車ポータルサイト)に記されている▼その中で、2026年4月1日から自転車にも青切符が適用されるとしている。16歳以上の自転車運転者が対象。反則金は、携帯電話使用等(保持)は1万2000円、遮断踏切立ち入りが7000円、信号無視(赤色等)や右側通行が6000円、自転車制動装置不良や指定場所一時不停止等は5000円など▼背景には、全交通事故に占める自転車関連事故の構成比や自転車対歩行者の事故の発生件数が増加傾向のため、警察側が自転車による交通違反の指導取り締まりを強化した点を忘れてはならない。自転車乗車中の死亡・重症事故のうち、約4分の3には自転車側にも法令違反があることも見逃せない▼通勤や通学、遊びなどに幅広い世代が利用する自転車。猛スピードでの歩道走行や通話しながらの運転など目に余る行為も散見される。ポータルサイトなどを参考に、企業や家庭での周知が必要だろう。
●つむじ風 1月13日
 今年の干支は午。「馬」の字の左右を反転させ、福が舞い込むことを祈念する左馬など、縁起物には事欠かない。商売繁盛を願い、店先に置かれることもある左馬だが、個人的には招き猫の愛らしさにも惹かれる▼建設業界で活躍するネコは、今日び一輪車だけではない。イラストレーター・くまみね氏が手掛けるキャラクターの「仕事猫」も大いに活躍している。ヘルメットを被った猫が指差しを行い、「ヨシ!」と安全確認する姿が有名だが、労働災害リスクを見過ごしていることも▼身近に置き換えると肝が冷えつつ、どこか人ごとのような事例も、ユーモラスな仕事猫たちに置き換わることで、親しみを感じるとともに、危険性を客観視できる。中災防の販売サイトでは、彼らの関連用品でコーナーが作られているほか、林野庁や関東地方整備局などの官公庁とのコラボも実現するなど、広く支持されている様子がうかがえる▼岩手労働局主催のいわて年末年始無災害運動実施期間も折り返し。今一度安全への意識を新たにし、安全な労働環境を猫たちと共に招きたい。
●つむじ風 1月9日
 当欄「つむじ風」の執筆は、本紙編集局の記者が持ち回りで担当している。取材先でのちょっといい話や取材で得た気付き、気になったことが主なテーマ。時には業界関係者の隠れた名言や、味わい深い一言も紹介している▼執筆者は30代半ばから50代後半まで。50代記者は本紙読者のボリュームゾーンと重なるか。時には一言多かったり、古い話を蒸し返したりもあるものの、しかつめらしい「社説」ではなく、業界に向けた幅広い話題提供をしていきたい▼実は20代の記者も昨年秋から月1~2回程度、執筆に加わっている。次世代を担う若手社員や、業界を目指す大学生・高校生たちに一番近い世代。百戦錬磨の読者諸氏から見れば、少々青いかもしれないが、建設業やインフラ整備が若者の目にはどのように映っているか、何かのヒントになるかも▼読者の皆さんを飽きさせない話題提供をしていくためには、わたしたち自身の取材に向き合う姿勢が何より重要。末筆になりましたが、本年も「つむじ風」をご愛読いただきますよう、何とぞお願い申し上げます。
●つむじ風 1月8日
 本紙では、建設産業の職域代表を務めている見坂茂範参議院議員に新春特別インタビューを実施し、1日付の新年特集号に記事を掲載した。実現を目指している政策の柱や、東北地方のインフラ整備状況の受け止めなど、率直な思いを伺った▼見坂議員はインタビューの冒頭、「『建設産業が元気になれば、日本の産業は元気になる』との強い信念を持ち、仕事に励んでいる」とほほ笑んだ。さらには、仕事の量の確保などに向けた思いとともに、東北における道路ネットワークや河川堤防などの強靱化の必要性を訴えていた▼インタビューで話を伺いながら、広大な岩手を将来にわたって守っていくためにも、建設産業がしっかりと地域に根差していなければならないと改めて強く実感したところだ▼新年に当たって、見坂議員に地域建設業への思いを聞くと、力強くこう語った。「建設業は、永久になくならない産業で、絶対になくしてはならない産業。地域建設業で働いている皆さんには、自信を持って、大きな夢を持って、これからも生き生きと働いていただきたい」
●つむじ風 1月7日
 60歳以上の割合が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%という建設業の技能者。建設業が引き続き「地域の守り手」として役割を果たしていくためには、将来の建設業を支える担い手の確保が急務だ▼国土交通省と厚生労働省は、連携して建設業の人材確保・育成に多角的に取り組んでおり、26年度予算案の概要を取りまとめた。「人材確保」「人材育成」「魅力ある職場づくり」―の3点を掲げ、中でも若者や女性の建設業への入職や定着の促進などに重きを置いている▼継続と拡充が中心だが、新規で建設業の生産性向上の促進と多様な人材の入職拡大に向けた魅力発信に取り組む。ICT導入に係る生産性向上策の深堀調査や、今日的な「技術と経営に優れた企業」を適切に評価するために経営事項審査等の企業評価の見直し検討を実施する▼このほか、建設業へのさらなる入職促進に向け、工業高校生等の就業有望層に対するPR手法の整理にも取り組む。さらに、就業障壁の解消に向けた調査・検討の実施も予定しており、その結果にも注目したい。
●つむじ風 1月6日
 2025年2月に発生した大船渡市の大規模林野火災を受け、1日から運用が始まった林野火災警報・林野火災注意報。県内では沿岸8市町村で一時警報も発令されたが、5日朝、注意報に切り替えられた。火災が多発する時期だけに、引き続き注意していきたい▼今回の警報・注意報は、1―5月に一定の気象条件に達した場合、市町村単位で発令され、対象区域内での火の使用が制限されるもの。「前3日間の合計降水量が1㍉以下かつ前30日間の合計降水量が30㍉以下」などの注意報の発令基準に加え、強風注意報が発表された場合、警報に引き上げられる▼火の使用制限については、「屋外で火遊びまたはたき火をしないこと」などが示されている。注意報は努力義務だが、警報時、制限に違反すると罰金などが科される場合もある▼大船渡市の大規模林野火災では、平成以降、国内最大規模となる約3370㌶が延焼し、暮らしや産業などに甚大な被害をもたらした。教訓を生かすためにも、警報などで注意を喚起し、火災予防の実効性を高めてほしいと思う。
●つむじ風 1月5日
 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。読者の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます▼今年の干支は「午(うま)」で、十干と組み合わせた六十干支では「丙午」となる。丙午は「情熱で力強い年」を意味するものだが、それに江戸時代の物語を結び付けた迷信が広がり、60年前の1966年の出生数は前後の年より4分の1少ない約136万人だった▼60年後の2026年には、流石にそのような迷信が影響することはないだろう。ただし、2025年の出生数は約68万人。60年前の半分まで落ち込んでいる。人口減少は先進国共通の課題であり、英国のイングランドとウエールズでは、23年に生まれた男子の名前のトップが「ムハンマド」というから驚きだ▼これからはジェットコースターが最初の山を下りるように、人口減少のスピードはどんどんと加速していく。今後、既存インフラの老朽化が進行し、維持管理費が増大する中にあって、「群マネ」の導入は待ったなしであり、点検などでの技術革新も不可欠だ。
●つむじ風 12月26日
 25年の本紙は、本日付で納刊となります。今年1年ご愛読をいただき、心より感謝を申し上げます。26年も引き続き建設産業界の社会的価値の最大化に向け、有意義な情報発信に努めてまいります▼県営建設工事で総合評価落札方式が初めて試行されたのは06年。技術と経営に優れた企業の受注につながる制度と期待され続けてきたが、近年は受注の偏在など新たな課題が業界を悩ませている▼今年は県営建設工事と建設関連業務において、総合評価落札方式の見直しが行われた。県営建設工事では「チャレンジ型」や、工事種別を「土木系」と「土木系以外」として評価項目を再区分するなどの見直しが行われたが、業界と県当局の間での評価項目の解釈に対するすれ違いなど課題も残した▼あえて誤解を恐れずに言えば、総合評価落札方式に制度疲労が出ていないか。細部の見直しを繰り返しているうちに、本来の趣旨が見えなくなるのはよくある話。だからといって底無しの受注競争は御免被りたい。ここで文字数が尽きた。皆さまよいお年をお迎えください。
●つむじ風 12月25日
 「国土強靱化」という表現が用いられるようになって久しい。テレビ番組などでも、国土強靱化のキーワードを目にすることが多くなったと感じる▼防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策は、2025年度で最終年度。26年度以降は、第1次国土強靱化実施中期計画に基づき、施策が進められる見通しだ。中期計画の柱の一つには、地域防災力の強化が掲げられている▼県建設産業団体連合会(向井田岳会長)と県建設業協会(同会長)は23日に、県に対する建設産業振興対策の要望を実施した。建設関係予算の継続的な確保と国土強靱化をはじめ、県民が暮らしやすい地域づくりなどに向けて、さまざまな視点で要望・提言した▼日本に生きるわれわれの生活は、多くの社会資本によって成り立っている。どれか一つでも欠けてしまうと、日々の暮らしに大きな支障を来すことだろう。建設産業が広い県土にしっかりと根差す―。これもまさに国土強靱化の根幹をなす考え方。26年度以降の強靱化施策の展開においても、地元建設産業の視点を大切にしたい。
●つむじ風 12月24日
 大船渡市で発生した大規模な林野火災を受け、消防庁と林野庁は8月に報告書を取りまとめた。同報告書を受け、気象庁は両庁とともに、記録的な少雨時に火の取り扱いに対する注意喚起を行う新たな取り組みを始めた▼具体的な取り組みの中で、林野火災予防ポータルサイトがある17日に開設され、現在の気象状況や今後の見通し、火災予防の知識などを掲載。火災予防の知識(外部リンク)で、森林研究・整備機構森林保険センターの「山火事に関する研究等」は興味深い内容が並んでいる▼消防庁による林野火災の年間発生件数を見ると、1974年の8351件をピークに以後、減少傾向となり、近年は1300件前後で推移。24年には出火件数が初めて1000件を下回ったが、今年2月に大船渡市、同年3月には岡山市などで大規模な林野火災が相次いで発生した▼大規模な林野火災は、特に2~5月に多く発生する傾向にある。出火原因は、たき火や火入れ、放火(疑い含む)など人に起因するものがほとんどだ。ちょっとした火の取り扱いから注意したい。
●つむじ風 12月23日
 東日本大震災で被災した宮古市田老に整備され、運転を開始した夜間連系太陽光発電所。夜間の電力供給を図るもので、20日には竣工式が開かれ、関係者は脱炭素社会の実現に期待を寄せていた▼同発電所は、昼間に発電した電気を蓄電設備に充電。夜間に送電することで、隣接する既設発電所とともに、昼夜を問わず安定的な電力の供給を図るもの。事業主体は日本国土開発㈱と宮古市が出資する田老発電合同会社で、2024年10月から建設が進められてきた▼同市では震災復興の施策の一つにスマートコミュニティ構想を掲げ、日照時間が長い宮古の利点を生かし、太陽光発電事業を推進。夜間連系太陽光発電所は、脱炭素先行地域づくり事業の一環として整備された。太陽光パネルの総容量は2969キロワットで、一般家庭に換算すると623世帯分の電力を供給できる▼竣工式で中村尚道市長は、「地産電源の拡大において重要な役割を果たすもの」と期待を込めた。地域の再生可能エネルギーを最大限に生かすことで、電力の地産地消を推し進めてほしい。
●つむじ風 12月22日
 合同企業説明会に出展者側として参加してきた。実際に立ち会ってみると、多くの魅力的な企業がある中で、弊社に興味を持ち、ブースを訪れてもらえる出来事の得難さとありがたさを強く実感する▼弊社のみならず、建設業界においても、担い手不足が叫ばれて久しい。対策としてICTの導入やDXの発展が進み、省人化が進んでも、社会が人と人の関わりに根差して発展している以上、最後には人の力が必要になる。しかし、その支え手になる人がいないジレンマ▼安全パトロールの取材に伺った際、自分にも現場の感想を話す機会をいただいたことがある。素人なりの感想にも、熱心に耳を傾けていただいた。拙い感想だったと自省していると「立場が違えば、ものを見る目線も違うものだし、挙げられた意見が安全につながっていく」と激励までいただいた▼集団をより洗練していくためには、物事を見つめる多くの目が重要なのではないだろうか。「目」の多様性を保つためにも、改めて担い手確保を重要な課題として共有し、対策を講じる必要がある。
●つむじ風 12月19日
 11月9日に発生した本県三陸沖を震源とする地震で津波注意報が発表され、久慈港と大船渡港で最大20㌢の津波を観測。今月8日の青森県東方沖地震では津波警報が発表され、久慈港では最大70㌢の津波を観測した。この間、県の水門・陸閘自動閉鎖システムは全て適正に稼動していたそうだ▼このシステムは東日本大震災で水門・陸閘の閉鎖作業を行った消防団員48人が津波の犠牲になった教訓を踏まえ、操作員が現地に向かう必要がない体制をつくるために導入したもの。システムの導入が公表されたのが15年1月、本格運用が始まったのが17年7月31日。なかなか歴史のあるシステムであることが分かる▼当然のことだが「自動」はメンテナンスフリーを意味するものではない。10年近くの間、システムと現地の鋼構造物を維持管理する人材があってこそ、有事の際に防災インフラが適正に稼動する。後発地震注意情報の呼び掛け期間は終了したが、緊張感が解けない状態が続く。「維持」の対象はシステムや構造物だけではない。その担い手が健全であることも重要だ。
●つむじ風 12月18日
 県などの主催による「希望郷いわて流域治水シンポジウム2025」が14日、岩泉町で開かれた。県立岩泉高等学校の生徒らも交えながら、水害に備えたハード・ソフト対策の事例発表やパネルディスカッションなどが行われた▼岩泉高校2年の生徒2人は、地元小学生を対象とした防災教室の取り組み事例を発表。災害が発生する危険性のある場所がないかなどを、小学生と一緒にジオラママップを活用して考えたことを発表した。生徒たちは「小学生にも的確に伝えるために情報を収集した。私たち自身の理解も深まった」「防災に対する意識を高めるためにも、ジオラマ防災教室を続けたい」と語っていた▼パネルディスカッションでは、地域の防災士から、「流域治水の取り組みを『自分事』にするため、柔らかいネーミングを募集するなど、工夫があればおもしろいのでは」との声も上がった▼高校生らもシンポジウムに参加したことで、流域治水の一つの「深化」が図られていると感じた。水害への備えにさまざまな視点を生かし、流域治水の「真価」を発揮したい。
●つむじ風 12月17日
 本格的な除雪作業を前に、県内各地で除雪機械出動式が開かれた。岩手河川国道事務所水沢国道維持出張所管内の除雪安全祈願祭と除雪機械出動式では、出動式後に前沢防災除雪ステーション近くにある前沢北こども園の園児らを招き、除雪学習会を開いた▼園児らに除雪機械を説明後、園児らの号令で除雪機械のエンジンを始動させた。凍結抑止剤散布の様子や散布車に薬剤を投入する様子を間近で見学。キラキラして見える凍結抑止剤散布に興味津々な園児らの様子が印象に残っている▼園児を撮影しようと除雪機械の運転席に近づくと、手作りの作品が目に入った。「おまもり」「おしごとがんばってください」と描かれたお守りだった。以前、園児からもらったお守りを目に付く場所に飾り続けているという。「効果は抜群です」のオペレーターの答えに周囲は笑顔に包まれた▼西高東低の冬型気圧配置となり、県内でも冬将軍の到来を感じる季節となった。慣れた作業に油断せず安全第一で、健康管理にも気を付けながら除雪作業に当たり、来春を笑顔で迎えたい。
●つむじ風 12月16日
 12日に青森県東方沖で起きた地震は、8日の地震の活動域で発生し、本県など太平洋沿岸域に津波注意報が発表された。年末の忙しい時期。スケジュールの変更に悩まされた人も多かったのではないか▼12日の地震はマグニチュード6・9。本県などで最大震度4の揺れを観測した。8日の地震で北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表していた気象庁は、「あくまでマグニチュード8クラス以上の大規模地震を対象に注意を呼び掛けるもの。今回の地震は、対象の地震ではない」としている▼12日は宮古市内にいたが、凍てつく寒さに加え、かなりの強風。沿岸部の道に雪は見えなかったが、盛岡から向かう途中の区界峠は凍結路面で車の運転に苦慮した。仮に本格的な徒歩での避難や、緊急輸送などで内陸―沿岸間の交通が増えるようなことになっていれば、厳しい状況だったに違いない▼青森県東方沖での地震では、発生から津波の到達予想時刻までの時間も短く感じる。工事現場からの避難経路や、避難時の寒さ対策も含め、日頃から備えを万全にしておきたい。
●つむじ風 12月13日
 健康診断の結果が戻ってきた。以前から血圧が高く、継続的に治療を受けているのだが、その他の数値もみな少しずつ基準超え。今回そこに、尿酸値が新たに加わった。痛風の怖さを指摘され、少しビビったものの、未だに大好きなホルモンの煮込みを大盛で食べている▼久々に会った人には開口一番、「太ったな」と言われる。典型的なメタボの状態。自覚症状はないが、複数のリスクが相互に影響することで、動脈硬化を急速に進行させ、心筋梗塞や脳卒中など命に直結する病気の発症リスクが高まるという▼ところで日本人の平均寿命は、男性81・05歳、女性87・09歳(2022年時点)。一方で健康寿命は、男性が72・57歳、女性が75・45歳となっている。男性の約9年間、女性の約12年間は日常生活に何らかの制約がかかる「不健康な状態」にある▼「健康で長生き」が理想なのは言うまでもない。厚労省を中心に「スマート・ライフ・プロジェクト」が進められており、労働者の高齢化が進む建設業にとっても重要な取り組みの一つになるのではないか。
●つむじ風 12月12日
 県生コンクリート工業組合によると、工組員企業の25年度生コンクリート出荷予測は約45万立方㍍と過去最少の水準となる見通し。県アスファルト合材協会は25年度の合材製造数量を、前年度をわずかに上回る約53万㌧と予測している。これらの動きから判断すると、砕石や砂利はそれ以上に厳しい状況であることが容易に判断できる▼25年度の補正予算のうち国交省関係の公共事業費は、国費ベースで2・1兆円となる見込み。国の経済対策に対応した県の補正予算も近く発表されるだろう。いずれも第1次国土強靱化実施中期計画の初年度分が大きなウエートを占めることが予測される▼11月9日に本県三陸沖を震源とする地震、今月8日には青森県東方沖地震と、津波を伴う地震が連続して発生した。既存インフラの老朽化対策や防災機能強化への重点投資と併せて、地域建設業が企業体力を適正に維持する施策が不可欠だ。同時に、県内における主要な資材の安定供給体制を維持することも必要。業界全体が疲弊している中、「困ったら県外から」は通用しない。
●つむじ風 12月11日
 気象庁による「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表が、新聞各紙やテレビなど、多くのメディアで取り上げられていた。東日本大震災の教訓を踏まえながら、今回の注意情報の発表を一つの機会と捉えて、改めて身の回りの防災を見つめていきたい▼東日本大震災の後、三陸沿岸地域では、さまざまな建設工事が同時並行的に進められてきた。当時、復旧・復興工事の現場安全パトロールでは、はじめに現場からの避難経路や避難場所などの説明を受けた。海に近い現場が多かったこともあり、参加者で高台の場所などを確認し合ったことを思い出す▼10日に久慈地域で行われた安全パトロールの現場においても、担当者から「安全教育の一環として、津波避難経路などを指導している」との話を伺った。現場で働く人の安全・安心を確保していく上で、震災の大切な教訓が生かされている▼今後も建設現場には、新規入職者や若い世代が入ってくる。建設技術を日々伝えるのと同じように、現場の防災対策などを相互に確認しておくことも大切だと感じている。
●つむじ風 12月10日
 国道4号北上拡幅(延長12・2㌔)のうち、区間南側の北上市と金ケ崎町境から洞泉寺前交差点の延長2・5㌔が6日午前5時に開通した。1982年から4車線化事業に着手し、43年をかけて事業完了となった▼東北地方整備局岩手河川国道事務所は、開通前の2日に現地説明会を開いた。担当者から交通混雑の緩和や冬期交通の円滑化、沿線自治体の産業振興支援―などの整備効果をパネルで紹介。その中で、北上拡幅の変遷として起点部北側の上空画像には驚いた▼1996年と2023年の比較で、緑が多く残る風景が約30年で一転。工業団地や企業、住宅が整備された様子が一目瞭然。それもそのはず。北上市の企業誘致数は、80年の52社に対し、00年に159社、23年には244社に。供用区間が延びるとともに増加している様子がうかがえる▼実際に開通区間を走行すると、安心感と開放感が向上したと感じた。北上拡幅前後では、金ケ崎拡幅や北上花巻道路などで整備が進んでいる。早期に供用を開始し、より質の高い道路空間が生まれることを期待したい。
●つむじ風 12月9日
 4日に取材で盛岡から大船渡に向かったが、今シーズン初めて雪道の運転を体験。遠野・住田の境にある国道107号の荷沢峠は、雪が7、8㌢ほど積もり、圧雪路面を車が列になり時速30㌔で下っていた▼かなり神経を使う運転となったが、大船渡に着くと雪は降っていても、道路には雪が無い状態。峠の雪道の話をすると、大船渡の地元の人に驚かれた。冬季は、内陸部と沿岸部で景色が一変することも多い。特に沿岸から内陸側に向かう際は、慎重な運転が必要だろう▼この時期、各地で行われる工事現場の安全パトロールでは、積雪・凍結による墜落・転落、転倒災害の防止対策とともに、車両のスリップ事故などへの注意が呼び掛けられている。作業者間で声を掛け合い、対策の徹底を図りたい▼「いわて年末年始無災害運動」でも、運転時の注意事項として、急ハンドル・急ブレーキの回避や、十分な車間距離の確保、橋上・トンネルの出入口等での減速などを挙げている。年末年始の慌しさの中でも、移動時間に余裕を持ち安全運転を心掛けていきたい。
●つむじ風 12月8日
 週間天気予報に雪のマークが続き、除雪出動式や除雪功労者表彰の取材が増えると、冬の訪れを実感する。今年も長い長い雪国の冬が始まる▼除雪機械の大きさには出動式の取材のたび新鮮な驚きがあり、実際に雪を跳ね上げる姿を見ると、能率の良さと迫力に圧倒される。冬季においても、安全な道路を維持し続ける関係者の皆さんに対しては、ただただ頭の下がる思いだ▼除雪においても、担い手の確保・技術の継承が重要な課題として位置付けられる。次世代の方に話を聞くと、操縦技術の奥深さとともによく語られるのが、地域住民への思いだ。「除雪を通して地元の役に立ちたい」「皆さんの生活を支えられれば」といった言葉には、先達から受け継がれた「地域の守り手」としての誇りが、確かに息づいている▼除雪により交通環境を整備してもらっていても、冬場の運転には細心の注意が必要だ。スリップを起こして事故になった夢にうなされ、飛び起きるたび、安全運転への思いを新たにする。今年の冬も、夢が正夢にならず、無事に春を迎えられますように……。
●つむじ風 12月5日
 賛否両論あれど、今年の新語・流行語大賞は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」だとか。てっきり「古古古米」か「緊急銃猟/クマ被害」だと思っていた。主催者に何らかの意図があるのか、実は世の中が「働き方改革疲れ」しているのか▼建設業に24年4月から時間外労働の罰則付き上限規制が適用され、公共工事では発注者指定型の週休2日制が定着しつつある。「建設業も他産業と同様に休みが取れる産業に」という理想に着々と近付いているように見える▼一方で、それが建設業の本質を見失わせていないかと懸念する声もある。青天井で働くことが良いことだとは一つも思わないが、現在の働き方改革が本当に現場のためになっているか、立ち止まり見直すことも必要だろう▼さて俺も流行に乗って「今年は年末まで、働いて働いて…」と言ったところ、同僚から「うちらは働かされて働かされて…じゃないの?」とキビしい一言。なるほど、問題はそこか。大切なのは「働かされる」のではなく「働く」こと。そのために何ができるか。
バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー 2025年版岩手建設年鑑販売中バナー 岩手建設年鑑ご購入の方へ